「個」と「組織」それぞれの能力を向上し、「個」と「組織」のよりよい関係を築くために
                                    

NHK World (英語版 視聴料フリー!)

NHK World (英語版 視聴料フリー!)
画像をクリックすると、海外向け英語放送が24時間が流れるサイトにつながります。

Channel NewsAsia International (英語版 視聴料フリー!)

Channel NewsAsia International (英語版 視聴料フリー!)
画像をクリックするとシンガポールからの英語ニュースが24時間流れるサイトにつながります。

Al Jazeera English: Live Stream (英語版 視聴料フリー!)

Al Jazeera English: Live Stream (英語版 視聴料フリー!)
画像をクリックすると中東カタールからの英語ニュースが24時間流れるサイトにつながります。

Bloomberg TV (英語版 視聴料フリー!)

Bloomberg TV (英語版 視聴料フリー!)
画像をクリックすると、24時間ビジネス経済情報が英語で流れるサイトにつながります。

「アタマの引き出し」は生きるチカラだ!(姉妹編ブログ)

「アタマの引き出し」は生きるチカラだ!(姉妹編ブログ)
「専門知識」×「雑学」がビジネス思考の「引き出し」幅を拡げる! 最新投稿は画像をクリック!

MVVの3文字で、個人と組織にブレない軸とブランドをつくる!

MVVの3文字で、個人と組織にブレない軸とブランドをつくる!
このブログの執筆者が運営している facebookページです。

「日本型リーダーシップ」の基本は山本五十六にあり!

「日本型リーダーシップ」の基本は山本五十六にあり!
「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」 には続きがあった!





東南アジア・ビジネスは背景をよく知ってから!

■■■■ 「ミャンマー再遊記」 全8回+α ■■■■
 総目次はここをクリック!
■■■■ 「三度目のミャンマー、三度目の正直」 全10回+α ■■■■
 総目次はここをクリック!
■■■■ 「タイのあれこれ」 全26回+番外編 (随時増補中) ■■■■
 総目次はここをクリック!



会社ウェブサイトは
 http://kensatoken.com です。

ご意見・ご感想・ご質問は ken@kensatoken.com にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。   


  

2015年1月16日金曜日

書評 『がんばると迷惑な人』(太田肇、新潮新書、2014)-過ぎたるは及ばざるがごとし。自営業集団のプロジェクトチームに学べ!


『がんばると迷惑な人』(太田肇、新潮新書、2014)は、昨年(2014年)末に出版されたばかりの本です。
     
帯には、「合理的手抜きが成果をあげる!」とある。「手抜き」というといっけんネガティブなニュアンスを感じるかもしれませんが、それが「合理的」であるならばポジティブな響きをもってきます。「合理的手抜き」とは、要は「がんばり過ぎない」ということです。
     
日本人は、とかく「がんばり過ぎる」傾向があります。「がんばる」こと自体はよいことであり、けっして悪いことではないわけですが、とはいえ、たとえがんばっても間違った方向に突き進んでしまったのであれば、それはかえって残念な結果をもたらしてしまいますね。「がんばり」も量より質ということになります。もちろん一定量以上の「がんばり」は必要不可欠ですが。
  
著者が「がんばり過ぎない」モデルとしてあげているのは、「番組製作」や「建築」の世界。あるいは「商店街のイベント」です。
   
その心はなにかといえば、専門を異にする異質な人材が、共通のゴールに向けてまとまるチームということにあります。参加するメンバーはそれぞれ専門をもった自営業者やフリーランスが多い世界で、著者は、あるべきチームワークの姿がそこにある、としています。この指摘にはおおいに賛成です。

わたし的に言い換えれば、これらはみなプロジェクト型の仕事ということになります。プロジェクトとは始まりがあって終わりがある仕事のこと。期間限定の仕事ということですね。
   
プロジェクト開始前にチームが結成され、キックオフとともに仕事が始まり、プロジェクト完了とともにチームは解散する。そこで必要とされるのは、専門に応じたプロジェクトへの貢献と、プロジェクト・マネジメント能力です。

建設業の現場はハードウェア、番組製作の現場はソフトウェアという違いはありますが、いずれも「モノづくり」の現場であり、プロジェクトの成果物はカタチとして最終消費者から評価されることになることは共通しています。責任者からの評価もさることながら、最終的に自分たちの仕事の評価者が誰かということがわかっているわけです。
   
この本は学者が書いているので、ちょっとピントがずれているのではないかな(?)と思うことも若干はありますが、大学の研究者もまた自営業者的存在である(!)という著者の発言には納得です。その意味では説得力があるといっていいでしょう。
   
出版社の宣伝コピーにあるほど「画期的」とは思いませんが、なぜ「がんばって」もうまくいかないか悩んでいるビジネスパーソンにとっては、モチベーションを高める人事表彰制度や部下の承認欲求に応える管理術など「考えるヒント」がいっぱい詰まっている入っている本であるといってよいでしょう。
  
きょうも一日、頑張ろう! ただし、正しい方向性で。しかも、頑張り過ぎることなく。





目 次
第1章 なぜ「がんばり」が通用しなくなったのか?
第2章 「がんばる」と、なぜ迷惑になるのか?
第3章 がんばらないで成果を出す方法とは?
第4章 これからのチームワークは、どうあるべきか?

著者プロフィール
太田肇(おおた・はじめ)
1954(昭和29)年、兵庫県生まれ。同志社大学政策学部教授。神戸大学大学院経営学研究科修了。経済学博士。滋賀大学教授などを経て、現職。専門は個人を尊重する組織の研究。『個人尊重の組織論』『承認欲求』『公務員革命』『「見せかけの勤勉」の正体』など、著作多数。講演やメディアでの登場も多い。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。


<関連サイト>

早死したくないなら「仕事に本気にならない」こと  養老孟司×隈研吾 日本人はどう死ぬべきか? 第5回(日経ビジネスオンライン、2015年1月9日)


<ブログ内関連記事>

「ワークライフバランス」について正確に理解すべきこと。ワークはライフの対立概念ではない!?

書評 『仕事ができる人の心得』(小山昇、阪急コミュニケーションズ、2001)-空理空論がいっさいない、著者の実践から生まれた「実践経営語録」

PDCA (きょうのコトバ)

書評 『会社で心を病むということ』(松崎一葉、新潮文庫、2010 単行本初版 2007)-社員のメンタルヘルス状態が改善すれば生産性も向上する。急がば回れ!

書評 『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(大宮冬洋、ぱる出版、2013)-小売業は店舗にすべてが集約されているからこそ・・・

「自分の庭を耕やせ」と 18世紀フランスの啓蒙思想家ヴォルテールは言った-『カンディード』 を読む
・・「理屈をこねずに働こう。人生を耐えられるものにする手立ては、これしかありません」、「それぞれが自分の才能を発揮しはじめた・・役に立たない者はいなかった」。じつに説得力のある仕事とチームワークのあり方についてのセリフ

マンガ 『プロデューサーになりたい』(磯山晶、講談社、1995)-人気TVドラマを生み出してきた現役プロデューサーがみずから描いた仕事マンガ

『前田建設ファンタジー営業部』(前田建設工業株式会社、幻冬舎、2004)で、ゼネコンの知られざる仕事内容を知る

コンラッド『闇の奥』(Heart of Darkness)より、「仕事」について・・・そして「地獄の黙示録」、旧「ベルギー領コンゴ」(ザイール)
・・「ただ僕にはね、仕事のなかにあるもの--つまり、自分というものを発見するチャンスだな、それが好きなんだよ」(『闇の奥』の主人公のセリフ)

書評 『河合隼雄-心理療法家の誕生-』(大塚信一、トランスビュー、2009)-メイキング・オブ・河合隼雄、そして新しい時代の「岩波文化人」たち・・・

(2015年3月10日 情報追加)




(2012年7月3日発売の拙著です)











Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは
http://kensatoken.com です。

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。


禁無断転載!




end