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2013年11月28日木曜日

お寺の「経営改革」-外部環境の変化にどう対応して生き残るか?


今週月曜日(2013年11月25日)の「首都圏ニュース」をたまたま見ていたら、「檀家制度やめます」というタイトルで埼玉県熊谷市のお寺が「檀家制度」を廃止した(!)というニュースを取り上げていました。「みんなのお寺 見性院」の事例です。

なんと全国で7万以上と、4万軒あるコンビニより数の多い(!)のがお寺です、過剰感は否定できないでしょう。

お寺の経営を財務面から支えているのが「檀家(だんか)制度」。「檀家制度」とは、「葬祭供養を独占的に(!)執り行なうことを条件に結ばれた寺と檀家の関係」(wikipediaの説明)のことですが、江戸時代初期以来、徳川幕府の宗教政策として生まれ、日本仏教に定着したものです。




この檀家制度が、少子化や都市化などが原因で、基盤となる地域コミュニティーの崩壊によって維持が困難になってきております。つまり外部環境が変化しているのです。

「檀家制度」を廃止して「開かれたお寺」にし、檀家に依存しない収入構造を確立し(・・お寺を葬儀場にして葬儀コストを3割ダウンすることに成功、などなど)、お坊さんが親身になって信徒のカウンセラーを行うなどの結果、かえって信徒が増えた(!)と放送では紹介されていました。

お寺の世界はビジネスとは関係ないとおもうべきではないでしょう。経済問題、とくにキャッシュフロー問題から考えると、檀家の減少はそのままキャッシュインフローの減少という問題につながります。

わたしは、この番組をみていて、外部環境の変化に対して、いかに経営主体として環境変化に対応するかという事例で考えていました。

追い詰められて住職=経営者は真剣に考える。この住職の場合は、檀家制度を廃止してみて、はじめてそこに「市場」があると気付いたわけですね。市場の発見です。

いまなら「檀家制度廃止」は、消費者(=潜在的信徒層)にとって、きわめてアピール力のつよい「差別化要因」となるはずです。

お寺を本来の姿に戻して、コミュニティーセンターあるいはサロンとしてとらえることが大事なのだと思います。「地域密着型」業態としてのお寺の意味があらためて見直されてきたということでしょうか。

「みんなのお寺 見性院」は一歩前に踏み出した、ということですね。そうはいっても、400年近く続いてきた社会制度に風穴を開けたわけですから、なかなか向かい風も強いのではないかと思われます。

成功モデルが増えれば「お寺改革」も流れとなっていくのではないかと期待されます。ぜひ住職の橋本氏には信念を貫いていただきたいと、心から応援いたいと思います。

外部環境の変化に対応しなければ、生き残ることができないのはビジネスだけではありません。






<関連サイト」>

見性院・熊谷のぴんころ寺/日本で初めて檀家制度を廃止!宗派を超えて寺院葬儀と家族葬を承ります

遺骨を「ゆうパック」で送る時代 漂流する墓 (下) (日経ビジネスオンライン、2015年2月18日)
・・「埼玉県熊谷市にある曹洞宗・見性院には毎週のように「遺骨」が、宅配便で送られてくる。遺骨は、ペットの骨や化石などではない。れっきとした火葬後の人間の骨である・・」

(2015年2月18日 情報追加)



<ブログ内関連記事>

書評 『お寺の経済学』(中島隆信、ちくま文庫、2010 単行本初版 2005)-経済学の立場からみた知的エンターテインメント

タイのあれこれ (16) ワットはアミューズメントパーク
・・タイのお寺(ワット)は地域社会のコミュニティセンターである!

「法然セミナー2011 苦楽共生」 に参加してきた-法然上人の精神はいったいどこへ?






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2013年11月24日日曜日

書評 『爆速経営-新生ヤフーの500日-』(蛯谷 敏、日経BP社、2013)-現在進行中の「組織変革」ドキュメント第1章とその前夜の舞台裏


本書は、現在進行中の Yahoo! JAPAN(ヤフー・ジャパン)における「組織変革」の最初の500日とその前夜の舞台裏をドキュメントとして描いたビジネス・ノンフィクション作品です。

ヤフーが変わってきた、そう感じているのはわたしだけではないと思います。その変化をもたらしたのは40歳代を中心にした新経営チームが推進している「組織変革」です。組織変革を必要としたのは、劇的では」ないが根源的な経営環境変化でした。

その環境変化とは、ヤフーが成功してきたPCにおけるポータル戦略が、顧客がスマートフォンにシフトするにつれて機能しなくなりつつあるのではないかという前の経営者が抱いた危機感。これは劇的な変化ではあっても一気に顕在化することのない、静かに潜行する根源的な変化であったというべきでしょう。

わたしはこの本を読んでいて、インテルの創業メンバーの一人でCEOをつとめていたアンディー・グローブの『インテル戦略転換』を思い出していましたが、あるいは本書に何度も引用されているクリステンセン教授の『イノベーションのジレンマ』を地で行く事例といってもいいかもしれません。『イノベーションのジレンマ』はスティーブ・ジョブズも愛読していた本でした。

オーナー企業ではありませんが、スタート時から17年間にわたって経営を担ってた天才経営者を承継するというミッション。しかも、外部からのスカウトではなく、組織内部からの抜擢によって40歳代の新経営者が抜擢され、彼を中心に経営チームが組成されます。

新経営チームによる「組織変革」がなによりも困難に直面していたのは、変革の起爆剤と推進剤になる危機感がかならずしも見える形で顕在化していたわけではなかったということ。ヤフー・ジャパンは、優良企業として17期連続で利益を出し続けていたということです。

そのような状況のなかでは、なぜ変革しなければならないかという気持ちを従業員にもたせるのは容易ではありません。いままでどおり現状維持したいし変わりたくないという「慣性の法則」が人間には働くためです。

すでに5,000人規模にまで拡大した上場企業をつくりなおすというミッションが、いかなる状況のもと、いかなる考えにもとづいておこなわれたか、そしてどのように進行しているか、それを密着取材によって読者は追っていくことができます。

「まず、登る山を決め」、経営チームという「異業種タッグが既成概念を壊」し、「爆速」などのキーワードにこめた"言霊"が組織を動か」し、「組織変革」を具体的な形に落とし込んでいくプロセス。まずは枠組みをつくって、組織全体がむかうべき方向性を示し、それから個々の従業員にとって自分の問題として、つまり当事者意識をもたせていくプロセス。

このプロセスはきわめて常識的で定石を踏んだもの。けっして奇をてらったものではありません。

しかし、「組織変革」というものは、むしろ持続的にやりぬいていくことこそがむずかしいわけです。

とりわけわたしが感心しながら読んだのが、「組織変革」の実際のフェーズに入ってから、「見ること」を徹底させているということ。

「見る」とは、わたしの表現では「観察」と言い変えたいところですが、徹底的に観察することによって、はじめて組織内コミュニケーションの基盤ができるわけです。上司と部下のあいだはもちろん、「斜め上」からの観察もきわめて重要。この基盤があってこそ信頼感が生まれ、人材育成が実現されていくわけです。人は見られていることを意識することで変わるのです。

このように、従業員一人一人のやる気を引き出し、組織としての活力を個々人どうしの掛け算として実現していく組織変革。これはぜひ一つのモデルとして、生きたケーススタディとして大いに学ぶべきものがあるといっていいでしょう。

著者もなんども書いていますが、この組織変革プロセスはあくまでも進行中のものであり、結果がどうなるかはわかりません。

しかし、変革に踏み出さなければ明日はないのです。成功モデルを後追いで振り返るのではなく、変化をどうマネジメントしていくかという「組織変革」の渦中を追体験する読み方をしたいものです。

ぜひ読むことをおすすめします。



PS. この書評は、R+(レビュープラス)さまより献本をいただいて執筆したものです。




目 次

まえがき
Chapter 1 革命前夜-ヤフーが一番つまらない!
Chapter 2 電撃指名-53番目の社員に託された命運
Chapter 3 改革始動-まず、登る山を決める
Chapter 4 前例破壊-異業種タッグが既成概念を壊す
Chapter 5 爆速誕生-"言霊"が組織を動かす
Chapter 6 再活性化-見られるからこそ社員は輝く
Chapter 7 試行錯誤-「!」を生み続ける組織へ
あとがき
参考図書・ヤフーの経営陣がオススメする書籍一覧
新生ヤフーの改革プロセス
新生ヤフーを率いる12人

著者プロフィール

蛯谷 敏(えびたに・さとし)
日経ビジネスDigital編集長。2000年慶應義塾大学総合政策学部卒業、日経BP社入社。入社後は通信業界誌「日経コミュニケーション」の記者として通信業界を担当し、2006年から「日経ビジネス」に所属。2012年9月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。

<参考>

本書にでてくる「組織改革」のキーワードとワンフレーズ

「脱皮できない蛇は死ぬ」
「10倍挑戦して、5倍失敗して、2倍成功する」
「大切なのは、誰をバスに乗せるか」
「経営は軍議長くすべからず」
「経営者が自分の判断に迷うのは、目標が明確ではないからだ」
「まず、登るべき山を決める」
「改革とは、組織の中で浮くこと」
「組織は原理原則で動かす」
「見られるからこそ社員は輝く」 
「アサインよりもチョイスを増やす」
「イノベーションには会議より会話」







<関連サイト>

「コラム 爆速経営 新生ヤフーの500日」(日経ビジネスオンライン 2013年11月)

ヤフー宮坂社長に聞く“爆速経営”の手応え--2014年は「×10倍」 (CNET JAPAN  2014年1月1日)



<ブログ内関連記事>

スティーブ・ジョブズの「読書リスト」-ジョブズの「引き出し」の中身をのぞいてみよう!

「痛み」から学び、イマジネーションによって組織で共有する「組織学習」が重要だ!

「組織変革」について-『国をつくるという仕事』の著者・西水美恵子さんよりフィードバックいただきました

コトダマ(きょうのコトバ)-言霊には良い面もあれば悪い面もある

「自然エネルギー財団」設立に際して示した、ソフトバンク孫正義氏の 「使命」、「ビジョン」、「バリュー」・・・

Where there's a Will, there's a Way. 意思あるところ道あり

書評 『あんぽん 孫正義伝』(佐野眞一、小学館、2012) -孫正義という「異能の経営者」がどういう環境から出てきたのかに迫る大河ドラマ

「ハーバード リーダーシップ白熱教室」 (NHK・Eテレ)でリーダーシップの真髄に開眼せよ!-ケネディースクール(行政大学院)のハイフェッツ教授の真剣授業

書評 『個を動かす-新浪剛史 ローソン作り直しの10年-』(池田信太郎、日経BP社、2012)-「個」が重要な時代に取り組んだ「組織変革」の軌跡

書評 『星野リゾートの事件簿-なぜ、お客様はもう一度来てくれたのか?-』(中沢康彦、日経トップリーダー編、日経BP社、2009)-「現場」がみずから考え実行する組織はどうやったらつくれるのか

アムンセンが南極に到達してから100年-西堀榮三郎博士が説くアムンセンとスコットの運命を分けたチームワークとリーダーシップの違い
・・自律型人材によるチームワークとリーダーシップ


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2013年11月15日金曜日

書評 『道なき道を行け』(藤田浩之、小学館、2013)-アメリカで「仁義と理念」で研究開発型製造業を経営する骨太の経営者からの熱いメッセージ


こんな「骨太の日本人」がいたとはまったく知りませんでした。なんと、大統領の「一般教書演説」に日本人では初めて招待され、2013年春には商務省評議員に選出ている日本人。

その人の名は藤田浩之氏。アメリカのクリーブランドでハイテク製造業を起業し、現地で雇用をつくりだし、輸出企業としてアメリカの製造業復活に貢献している47歳の物理学者で企業経営者です。

その会社の名は QED(クオリティ・エレクトロダイナミクス)、物理学で博士号を取得した藤田氏は量子電磁力学の QED(クオンタム・エレクトロダイナミクス)から取ったそうです。事業内容は、電磁気を利用して身体の画像診断を行うMRI(核磁気共鳴画像法)のキーデバイスを製造販売する研究開発型企業

著者とこの本のことは、JBプレスのインタビュー記事ではじめて知りました。「オバマ大統領に米国の未来を託された日本人 東大に2度落ち早稲田をやめたことでチャンスをつかむ」はぜひ読んでみてください。

藤田氏もまた京セラの創業者・稲盛和夫氏の「稲盛哲学」の実践者です。アメリカでもアメリカ流のMBA経営ではなく、稲盛哲学に基づいた理念経営を実践しています。

多民族国家のアメリカでも、日本発の稲盛流の理念経営が十分に通用することを自ら実践して示しているわけです。

藤田氏は、経営は「仁義と理念」でするものだと本書のなかで語っています。古臭く感じる「仁義」ですが、このキーワードは渡米して20年以上たつ藤田氏にとっては、ゆるぎない信念を生み出す源泉のようです。人の道を外してはならない、ということですね。

カネ儲けのための起業ではなく、人のために役に立ちたいという思いからの起業だということは、本書で何度も強調しています。アメリカでは当たり前のカネ儲けが目的の起業には大いに違和感を感じるのだ、と。

藤田氏は、博士号取得後に勤務した研究開発型企業が世界的大企業の GE に買収された結果、GEで働いたという経験をもっています。

極限までビジネスパーソンとしての「スケールアップ」を求められるGEで働いた経験は、みずからの成長のうえできわめて貴重なものがあったと語る一方で、重要な技術が一企業内に囲い込まれてしまうのは産業全体のためによくないという思いが起業の動機であったと語っています。

価値観重視の経営によって世界中でモデルとされることの多い GE ですが、すばらしい価値観であても、かならずしも内部の人間がすべて愚直に実践しているわけではないことを藤田氏は見抜いています。

「コミュニケーション重視!」とクチにしながら、個室にこもってしまう言行不一致のマネージャーが登場しますが、GEですら実際は大企業病の症状を示しているわけですね。このことが「他山の石」として著者の胸に刻み込まれて箇所は、ひじょうにつよい印象を受けます。

「価値観重視の経営」としてアメリカの GE流 と日本の稲盛流の二つを熟知する藤田氏の発言には耳を傾ける価値があります。日米の共通点、相違点について考える材料を与えてくれるからです。

その「稲盛哲学」もそのまま鵜呑みにするのではなく、藤田氏は自分なりに咀嚼したものを実践しているとのことです。基本原理という「軸」がブレていなければ、現実に合わせて応用するのは当然といえば当然です。

「自分のアタマで考え、自分で行動する」という「自律人」そのものですね。稲盛氏自身も材料工学のバックグラウンドをもったエンジニアですから、アメリカの大学で物理学で博士号を取得した科学者でもある藤田氏には共通するものも多いのでしょう。

アメリカ人のメンターとの交流から学んだ地域貢献、社会貢献の話も、読者として大いに学ぶべきものがあると感じます。人はなんのために生かされているのか、なんのための事業経営なのか、経営者はつねに考えていなければならないからです。

本書は、基本的に若い日本人に向けて書かれた熱いメッセージですが、アメリカにおける企業経営、とくにハイテク製造業の経営について知ることのできる本として読むこともできます。そこから学ぶことのできるヒントも多くあります。

カバーには Pathfinder という英語が記されてますが、パスファインダーとは直訳すれば「道を探す人」。まさに「道を切り拓く人」としての使命感に満ち満ちた藤田氏の生きざまは、若い人ではなくとも大いにインスパイアされるものがあると思います。

経営者のみならず、一人でも多くのビジネスパーソンに読んでいただきたい本です。




目 次

序章 一般教書演説への招待状
第1章 ずれたドット
第2章 アメリカ生活
第3章 QED誕生
第4章 社員の意識改革
第5章 二人のメンター
第6章 私のアメリカ、私のクリーブランド
第7章 日本よ、日本人よ
終章 生まれてきた証

著者プロフィール

藤田浩之(ふじた・ひろゆき)
1966年、奈良県生まれ。1998年、米国ケース・ウエスタン・リザーブ大学(CWRU)物理学博士課程修了。物理学博士。GEを退社後、2006年、医療機器開発製造会社クオリティー・エレクトロダイナミクス(QED)を設立、社長兼最高経営責任者。現在、非常勤でCWRU物理学部教授、医学部放射線学科教授、オーストラリアのクイーンズランド大学情報技術電気工学部教授を兼任。主な受賞に、2009年、フォーブス「米国で最も有望な新興企業20社」(11位にランクイン)、2010年、アーネスト・ヤング起業家大賞、2011年、米国政府から研究技術助成金を受け事業を大きく成長させた企業に贈られるチベット国家賞などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)。

<関連サイト>

「オバマ大統領に米国の未来を託された日本人 東大に2度落ち早稲田をやめたことでチャンスをつかむ」 (JBプレス 2013年11月17日)


<ブログ内関連記事>

Where there's a Will, there's a Way. 意思あるところ道あり

書評 『俺のイタリアン、俺のフレンチ-ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方-』(坂本孝、商業界、2013)-ビジネスモデル×哲学(理念)を参入障壁にブルーオーシャンをつくりだす
・・「稲盛哲学」の実践者による新ビジネス成功までの軌跡

書評 『全員で稼ぐ組織-JALを再生させた「アメーバ経営」の教科書-』(森田直行、日経BP、2014)-世界に広がり始めた「日本発の経営管理システム」を仕組みを確立した本人が解説
・・稲盛哲学と経営管理の仕組みが合体した「アメーバ経営」とは?

『週刊ダイヤモンド』の「特集 稲盛経営解剖」(2013年6月22日号)-これは要保存版の濃い内容の特集

書評 『稲盛和夫流・意識改革 心は変えられる-自分、人、会社-全員で成し遂げた「JAL再生」40のフィロソフィー』(原 英次郎、ダイヤモンド社、2013)-メンバーの一人ひとりが「当事者意識」を持つことができれば組織は変わる

グンゼ株式会社の創業者・波多野鶴吉について-キリスト教の理念によって創業したソーシャル・ビジネスがその原点にあった!

原点としての 「HPウェイ」 -創業者の理念は度重なる経営者の交代でも生き続けているのだろうか?

TIME誌の特集記事 「メイド・イン・USA」(2013年4月11日)-アメリカでは製造業が復活してきた

(2014年6月12日 情報追加)




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2013年11月8日金曜日

『ドクターX 外科医・大門未知子』(テレ朝系列)が面白い-TVドラマからみえてくる大学病院という「日本型組織」の病理現象



2013年10月17日から第2シリーズが始まった 木曜午後9時のドラマ『ドクターX 外科医・大門未知子』(テレ朝系列)が面白い。主人公を演じる米倉涼子のファンならなおさら、そうではなくても内容が面白いからです。

主人公は特定の病院や医局に属さないフリーランスの女性外科医。「包丁一本さらしに巻いて」の渡り職人のような医師。正社員ではなくフリーランス。

フリーランスというワークスタイルは、以前からさまざまな業界で存在しましたが、医者の世界にも存在するというのは新鮮ですね。キャリア論の観点からも興味あります。

このドラマが面白いのは、きわめて個性のつよいフリーランスの医師の存在が、絵にかいたような典型的な日本型組織である大病院の「病理」をあぶり出すという仕掛けになっていることにあります。

本来はスキルによって評価されるべき専門家集団、とくに外科は手術の腕に大きな個人差がでるものですが、個人の能力とスキル以外の人間関係がおおきくものをいうのが風通しの悪い大病院という組織である、と。まさに「世間」としかいいようがない。

大学医学部という「医局」によって形成されている巨大なピラミッド型組織が、さまざまな要因によって崩壊がはじまっていながら、あらたな組織のあり方がいまだ見えてこない移行期の混乱をドラマとして描いています。

組織における個人の生き方が、さまざまな登場人物の言動をつうじて描かれています。当然のことながら、それぞれの登場人物たちは、それぞれの思惑のもとに、いかに自分にとって有利になるかを念頭に行動しています。

ドラマのなかで強調されているのが、たがいにコミュニケーション不全状態となっている巨大組織内部の縦割り組織の問題セクショナリズムの問題。本来はクライアントである患者の治療が最大の目的であるはずなのに、専門分野(=医局)ごとの縦割り組織がカベとなって、患者不在の縄張り争いが常態化している現状。

病院も高度の医療サービスを提供するサービス業である以上、顧客中心を徹底してほしいと思うのですが・・・。供給側の論理を需要側の立場に変えていくのは容易なことではなさそうです。

また、大学病院と医局という「組織」と、フリーランスの医師という「市場」とのコンフリクトともこのドラマの大きなテーマです。

市場」のなかで活動する「組織」のなかに、いかに「市場」を導入して折り合いをつけるか、人事管理の観点かいってなかなか難しい課題です。

正社員と非正規社員が混在している職場といえば航空業界を想起しますが、パート・アルバイトや派遣社員、そして嘱託社員などさまざまな雇用形態の異なる従業員が混在しているのは、いまやほぼすべての業種業界でも「常識」といっていいでしょう。しかも、外国人社員がいる職場もいまや珍しくもない。

主人公のキャラクターをはじめとして、ドラマ自体はやや戯画的ではありますが、日本型組織がかかえる問題点が明確に見えてくる点は、たんなるエンターテインメントを超えたものがあるといっていいかもしれません。


<関連サイト>

ドラマ『ドクターX 外科医・大門未知子』(テレ朝系列) (公式サイト)

医局崩壊!さらば、教授という”名ばかり職”もはや国立医大の教授もリストラされる時代に(ノマドドクターXは見た!)
ノマドドクターXは見た!(東洋経済オンラインの連載)
・・現役の麻酔医の女医が執筆する病院組織の病理と人事労務管理にかんする問題点が具体的で説得力がある。執筆者の筒井冨美氏は『ドクターX 外科医・大門未知子』の監修もつとめている。麻酔医にはフリーランス勤務の人が多いという


<ブログ内関連記事>

『JAL崩壊-ある客室乗務員の告白-』(日本航空・グループ2010、文春新書、2010) は、「失敗学」の観点から「反面教師」として読むべき内容の本

書評 『未完の「国鉄改革」』(葛西敬之、東洋経済新報社、2001)-JALが会社更生法に基づく法的整理対象となり、改革への「最後の一歩」を踏み出したいまこそ読むべき本

書評 『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(大宮冬洋、ぱる出版、2013)-小売業は店舗にすべてが集約されているからこそ・・・

書評 『医者に殺されない47の心得-医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法-』(近藤 誠、アスコム、2012)-つまるところ自分が好きなように生きるのがいちばんいいということだ

医療ドラマ 『チーム・バチスタ 3-アリアドネの糸-』 のテーマは Ai (=画像診断による死因究明)。「医学情報」の意味について異分野の人間が学んだこと




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2013年11月5日火曜日

【セミナー開催のお知らせ】 「成熟市場で勝ち残れる「営業チーム」の作り方」(2013年11月27日 日本橋)-経営者向けセミナーを開催



来る2013年11月27日(水)に経営者向けセミナーを開催します。概要は以下のとおりです。


【経営者/幹部10名様限定有料セミナー】 

成熟市場で勝ち残れる「営業チーム」の作り方
-本気で営業を変えたい中小企業経営者の皆様へ!-
⇒ http://www.seminars.jp/s/92793

【セミナー概要】

日程: 2013年11月27日(水)
時間: 15時00分 ~ 17時00分
会場: ビジョンセンター日本橋 502号室
講師: 高田 稔(たかだ・みのる)/佐藤けんいち(さとう・けんいち)
⇒ http://www.seminars.jp/s/92793


【セミナー内容】

中小企業経営者の皆様!

-若手の営業担当者の育成がうまくいかない
-営業マネージャーが部下を育成しない
-営業担当者をセミナーに派遣しても成長が見えてこない
-営業チームの雰囲気が悪い
-営業チーム内の連携が悪い

そんなお悩みをお持ちではありませんか?

成熟して縮小傾向にある日本市場ですが持続可能に勝ち残っていくことは十分に可能です。そういう会社は多数あります。

持続可能な成長とは、自社の既存の市場をベースにしながらも営業のチカラによって成長軌道を維持していくこと。「現状維持」するためには「成長」を続けていかなければなりません。

そのためのカギがなにか御存じでしょうか?

カギはずばりいって「営業チーム」全体の営業力にあります。特定の個人の営業力がいくらパワフルでも「営業チーム」全体の営業力があるとはいえません。

では、どうしたら「営業チーム」全体の営業力をつけることができるのでしょうか?

その答えは、ぜひセミナー当日お伝えさせていただきたいと考えております。

⇒ http://www.seminars.jp/s/92793


【受講対象】

本気で営業を変えたい中小企業経営者の皆様


【期待できる効果】

成熟市場となった日本で勝ち残るための「一番化戦略」の概要、強化すべき「営業チーム」とはなにか、そしてチームとしての総合力を養成するにはなにをすべきか、小手先のテクニックではない本質論に基づいた方法論を知ることができます。


【セミナー概要】

一握りの優秀な営業パーソンがいても、けっして会社は強くなりません。「営業チーム」全体の能力アップが成熟市場での生き残り続けるカギなのです。そして、営業が変われば会社全体もかならず良い方向に変わります。今回のセミナーでは「一番化戦略」を指南する営業コンサルタントと「自律型組織人育成」を支援する組織コンサルタントが、本気で営業を変えたい中小企業経営者の皆様に向けて、成熟市場で勝ち残れる「営業チーム」の作り方をお伝えいたします。「営業が変われば 会社は変わる」のです!


【講師紹介】 

高田 稔(たかだ・みのる)
MBAコンサルタント(一番化戦略・営業コンサルタント)

米系外資企業にて日本国内及びグアム、マイクロネシアにて営業、及び営業のマネジメントを行う。社長賞(1位)を含め3位以内、10位以内の受賞経歴を持つ。2005年より独立し、営業を主体としたコンサルティングを中小企業を中心に行い、営業マンの育成、営業戦略の立案から実施までを手がけ飛躍的な売り上げのアップを図り現在に至る。

1969年、東京生まれ。1993年、立命館大学卒業(京都)。2005年、英国ハル大学(University of Hull)にてMBA取得(専攻:マーケティング)。著書に、『20代で身につけたい 営業の基本』(中経出版、2011)、『小さなことでいいから、まずは一番になりなさい。』(中経出版、2012)がある。


佐藤けんいち(さとう・けんいち)
MBAコンサルタント(自律型組織人育成支援・組織変革コンサルタント)

組織人事からビジネスキャリアをスタート。金融系コンサルティグファーム、広告代理店系コンサルティングファームを経て、中小の機械部品メーカーの取締役として「ナンバー2」のポストに就任、営業チーム力強化からはじまる経営改革を責任者として主導、売り上げと利益を倍増させ持続可能な経営体制をつくりあげることに貢献。その間、タイ王国のバンコクで同社の現地法人を立ち上げ社長を歴任。2010年に独立して現在に至る。

1962年、京都府生まれ、1985年、一橋大学卒業(東京)。1992年、米国レンセラー工科大学(Rensselaer Polytechnic Institute:RPI)にてMBA取得(専攻:技術経営)。著書に、『人生を変えるアタマの引き出しの増やし方』(こう書房、2012)、『一個人的策展年代:串聯社群,你需要雜學資料庫』(世茂出版社、台湾、2013)がある。



【セミナー詳細】

日程: 2013年11月27日(水)
時間: 15時00分 ~ 17時00分
受付開始: 14時40分
定員: 10 名
申込期限 2013年11月26日
会場 ビジョンセンター日本橋 502号室
会場住所 中央区日本橋室町1-5-3 福島ビル5F
アクセス 日本橋三越店向かい(徒歩1分)。1Fに島根県物産店「島根館」があるビルの5F
持参物 名刺、筆記用具
主催・共催 株式会社ケン・マネジメント
当日の連絡先 080-8410-1101
⇒ http://www.seminars.jp/s/92793





(2012年7月3日発売の拙著です)





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