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2013年7月11日木曜日

書評 『不格好経営-チームDeNAの挑戦-』(南場智子、日本経済新聞出版社、2013)-失敗体験にこそ「学び」のエッセンスが集約されている



この本は出版を楽しみにしていた本。出版されてすぐに読みました。期待を裏切ることがないというより、期待以上に面白くてすばらしい内容でした。

マッキンゼー社のパートナーだった著者は、クライアントの何気ない一言から「起業熱」という「熱病」にとりつかれ、ほんとうに起業してしまいましました。その経緯や、その後の立ち上げ期の苦闘が、失敗経験の数々やおカネの話も交えて赤裸々に語られています。

まず共感したのが、「まえがき」で著者がこう書いていることです。

私はビジネス書はほとんど読まない。こうやって成功しました、と秘訣を語る本や話はすべて結果論に聞こえる。まったく同じことをして失敗する人がごまんといる現実をどう説明してくれるのか。だから本書の執筆にあたっては、誰か遠い他人の仕業と思いたいほど恥ずかしい失敗の経験こそ詳細に綴ることにした・・(後略)・・

現時点では「成功物語」にみえても、そこにたどりつくまでは絶えざる「苦闘」の連続であり、「成功」するベンチャーより「失敗」するベンチャーのほうがはるかに多いのです。いま「成功」していても明日もその状態が続くという保証もまったくない。

また、経営コンサルタントと経営者が真逆といっていいほど異なる存在であるという、ご本人の実体験を踏まえた実感のこもった感想、この点はわたしもコンサル会社をやめて中小企業の取締役(=ナンバー2)になってみてイヤというほど味わいましたので、腹の底から共感します。

DeNA(ディー・エヌ・エー) という会社そのものについてはさておき、ベンチャー起業の苦闘の記録として読むと実りある読書となると思います。

それにしても思うのは、本を書くというのは、自分を語ることになるので、じつに恥ずかしい行為なのであると。だからこそ、読む側にとっては面白いのであるわけですね。これもまた、わたしもじっさいに自分で本を書いてみてよくわかりました。

ふだんビジネス書を読めとは薦めないわたしも、この本はつよく推奨いたします。





目 次

第1章 立ち上げ 
 熱病
 川田とナベ
 ソネットかリクルートか
 「もしかして、あなたバカですか?」
 わが社最大のトラウマ
 麻呂顔の天使
 ビッダーズの誕生

第2章 生い立ち
 うどんが飛んだ日
 進学をめぐる反抗
 マッキンゼーに行きたい
 こんな会社辞めてやる
 「最後」のプロジェクト
 社内結婚と煮魚

第3章 金策 
 ヤフオクの背中 
 ペーパータオル1枚で手は拭けます
 イーベイの思い出
 父からの手紙
 ヤフオクの値上げ
 黒字化への軌道修正
 激やせラリー
 大株主企業による売却
 渋谷で叫んだ朝
 社長の年収査定

第4章 モバイルシフト 
 異質なモバオク
 天才アルバイトの降臨
 上場で思い出す涙
 3人で飲んだワインの味
 モバゲーの誕生
 CMをめぐるバトル
 出会い欲求との戦い
 川田のメッセージ
 本音のため息と弱音 
 DeNAクオリティー

第5章 ソーシャルゲーム 
 「怪盗ロワイヤル」誕生
 守安の歯
 企業の品性
 公取立ち入り検査
 七転八倒の海外展開
 3・11

第6章 退任 
 わが家を襲った激震
 南場カンパニーか公器か
 闘病プロジェクト発足
 守安 いびつな奇才
 春田 二人羽織の相棒
 プロ野球参入とナベツネさん
 試練を乗り越える新経営陣 
 前例のない「道なき道」

第7章 人と組織 
 社長の時間の使い方
 コンサルタントと事業リーダーの違い
 人を口説くときに心がけること
 人が育つ組織
 優秀な人の共通点
 MBAは役立つか
 社長についていきます?
 ロールモデルと師匠
 社員の卒業について
 女性として働くこと

第8章 これから 
 広がり続ける事業領域
 社長守安の任せる勇気
 熱病は続く

あとがき
謝辞

沿革


著者プロフィール 

南場智子(なんば・ともこ)
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)ファウンダー。新潟市生まれ。津田塾大学卒業後、1986年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社。1990年ハーバード・ビジネス・スクールでMBA取得、1996年マッキンゼーでパートナー(役員)に就任。1999年同社を退社してDeNA を設立、代表取締役社長に就任。2005年東証マザーズ上場を果たす(2007年東証第一部に指定替え)。2011年病気療養中の夫の看病に力を注ぐため、代表取締役社長兼CEOを退任、代表権のない取締役となる。2003年内閣IT戦略本部員、2004年規制改革・民間開放推進会議委員などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。


<関連サイト>

南場智子の2年間 (日経ビジネスオンライン 2013年6月~)
・・「2011年6月、突如、夫の看病を理由に社長の職を辞したディー・エヌ・エー(DeNA)の南場智子社長。99年にDeNAを創業し、その後、6年で上場させた経営手腕はインターネット業界にとどまらず、幅広い評価を得た。その南場氏が帰ってくる。「不格好経営」と題した書籍を自ら執筆。この本を出すことで看病中心の生活に区切りをつけ、現場への復帰宣言をした。第一線を退き、南場氏は何を思い、これから何をするのか」。


PS 個人的な話ですが、20歳前後の大学生の頃、ごく近いところに住んでいたようだということがあとからわかり(・・南場氏は東京都小平市の津田塾大学出身。同じ年生まれのわたしもすぐ近くの大学で寮生活してました)、マスコミの寵児でもあった南場氏の動向はつねに気にはなっておりました。


<ブログ内関連記事>

「専門家」は何も分かっていない?-いかにして 「当事者」 は 「専門家」 を使いこなすべきか
・・経営者と経営コンサルタントはまったく異なる人種である

アジアでは MBA がモノを言う!-これもまた「日本の常識は世界の非常識」

シェリル・サンドバーグという 「ナンバー2」 としての生き方-今週の Bloomberg BusinessWeek (ビジネスウィーク) のカバーストーリーから

書評 『稲盛和夫流・意識改革 心は変えられる-自分、人、会社-全員で成し遂げた「JAL再生」40のフィロソフィー』(原 英次郎、ダイヤモンド社、2013)-メンバーの一人ひとりが「当事者意識」を持つことができれば組織は変わる

書評 『俺のイタリアン、俺のフレンチ-ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方-』(坂本孝、商業界、2013)-ビジネスモデル×哲学(理念)を参入障壁にブルーオーシャンをつくりだす

書評 『「できません」と云うな-オムロン創業者 立石一真-』(湯谷昇羊、新潮文庫、2011 単行本初版 2008)-技術によって社会を変革するといういうことはどういうことか?

書評 『日本でいちばん大切にしたい会社』、『日本でいちばん大切にしたい会社2』(坂本光司、あさ出版、2008、2010)

書評 『跡取り娘の経営学 (NB online books)』(白河桃子、日経BP社、2008)

書評 『ホッピーで HAPPY ! -ヤンチャ娘が跡取り社長になるまで-』(石渡美奈、文春文庫、2010 単行本初版 2007)

NHKの連続テレビ小説 『カーネーション』が面白い-商売のなんたるかを終えてくれる番組だ

書評 『CoCo壱番屋 答えはすべてお客様の声にあり』(宗次徳二、日経ビジネス人文庫、2010 単行本初版1995に改題加筆)

書評 『ココ・シャネルの「ネットワーク戦略」』(西口敏宏、祥伝社黄金文庫、2011)-人脈の戦略的活用法をシャネルの生涯に学ぶ




(2012年7月3日発売の拙著です)





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