「個」と「組織」それぞれの能力を向上し、「個」と「組織」のよりよい関係を築くために
                                    

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2012年9月19日水曜日

書評 『なぜ、社員10人でもわかり合えないのか-鏡で世界一!コミーに学ぶ少人数マネジメント-』(日経トップリーダー編、日経BP社、2011)コミュニケーションを徹底して、個人の問題発見を組織力にまで高める!




買ったまま積ん読になっていた 『なぜ、社員10人でもわかり合えないのか 鏡で世界一!コミーに学ぶ少人数マネジメント-』(日経トップリーダー編、日経BP社、2011) を読みました。この本はじつに面白い!

死角をなくすためにいたるところに設置された凸面鏡、この世界的なメーカーが、なんと社員16人の中小企業コミーです。

顧客企業のその先にある個々のユーザーの声を徹底的に拾い上げるという姿勢。B2Bの法人向けビジネスの盲点をついた姿勢でもあります。B2B2Cといってもいいかもしれません。

また、消耗してしまうような無駄な競争を避け、自分の得意分野に特化するという姿勢は、そうとは書かれてませんが、「ブルーオーシャン戦略」そのものでもあります。

「なぜ?」によって社員の個人レベルでの「問題発見」を促し、文字化して「組織で共有」する。そのために「物語化」を積極的にすすめている会社。「コトバ」に徹底的にこだわり、コミュニケーションの仕掛けと仕組みをつくりあげている会社です。

タイトルにもありますが、少人数のほうがコミュニケーションがよく行き渡っているはずというのは、思い込みにもとづいた固定観念に過ぎないようですね。たしかに、二人のあいだでもわかりあえないことは、よくあることです。

むしろ、大規模組織のほうが管理技術が発達しており、社内整備が進んでいるので「共通言語」でしゃべることができるのかもしれません。すくなくともカタチとしては。

「なぜ?」を徹底的に繰り返すというとトヨタを思い出しますが、コミーにおいても教育者のような社長が、社員に対してつねに「なぜ?」を問いかけてきた結果、「自分のアタマで考える」社員が育っているようです。

わたしも、拙著 『人生を変えるアタマの引き出しの増やし方』で強調しているように「なぜ?」という問いかけが、「自分のアタマで考える」ためのトレーニングになるのです。問題解決の前に問題発見です。

個人の能力をいかに組織力にまで高めるかという課題を考えている方には、ぜひ読んでほしい本だと思います。中小企業だけでなく、大企業のチームでも、それは同じことでしょう。

読みやすくて、内容の濃い一冊です。おすすめです。





目 次

はじめに
第1章 街中にあふれる「あの鏡」を作るのは 社員16人の世界企業
第2章 無料で貸し出し、無料で交換も 思い込みを徹底的に取り除く
第3章 コミーの歴史は「誤解」から始まった 本当の「売れた理由」を突き止める
第4章 中小企業ほど、実はわかり合えない-小さな組織をむしばむ「ヌシ化」
第5章 「社内用語集」を日々更新 言葉の定義を厳密に決める
第6章 時間がたってもわかり合える 「物語化」し、何度も追体験
第7章 「なぜ?」と問うと 人はなぜ成長するのか?
あとがき


<関連サイト>

コミー株式会社(Komy Mirror)

日経トップリーダー(旧 日経ベンチャー)
・・中堅中小企業の経営者むけの専門ビジネス誌


<ブログ内関連記事>

『また、あの人と働きたい-辞めた社員が戻ってくる! 人気レストランの奇跡の人材育成術-』(黒岩功、ナナ・コーポレート・コミュニケーション、2012)-ヒトを中心に据えた経営こそ中小企業のあるべき姿

書評 『日本企業が欲しがる「グローバル人材」の必須スキル』(内永ゆか子、朝日新聞出版社、2011)-あくまでも「個」をベースに考えるとことが英語よりも大事






(2012年7月3日発売の拙著です 電子書籍版も発売中!)






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2012年9月18日火曜日

書評 『日本企業が欲しがる「グローバル人材」の必須スキル』(内永ゆか子、朝日新聞出版社、2011)-あくまでも「個」をベースに考えるとことが英語よりも大事


「日本企業が欲しがる」、「グローバル人材」、「必須スキル」、刺激的なキーワードの三連続がタイtルになってますね!

しかも、著者は語学学校の老舗ベルリッツのCEOで、前職は日本IBMでは初の女性取締役を歴任というキャリアの持ち主。本文は、日本語だけでなく、ところどころに英文が入るため、最初から最後まで「横組み」です。

しかし、この本は英語の勉強法を説いた本ではありませんグローバル時代に不可欠なマインドセットと世界標準の仕事のやり方について書かれた内容です。

ビジネスパーソンにとって必要なことは英語学習が目的ではなく、あくまでも英語をつかってビジネス・コミュニケーションを行うことによって、成果を出すことにあるのです。

しかも、英語じたいも、話し手がネイティブよりもノン・ネイティブが比率的には3:7と圧倒的になった時代、アメリカや英国をモデルにした英語学習は、時代の流れにはまったく合っていないのです。

もちろん英語も重要ですが、大事なことはあくまでも「個」をベースに考えるということ。たとえ会社や組織に属していても「個」をベースに考え、ネットワークも「個」を中心につくるのが当たり前となってきたのです。これが世界標準というべきでしょう。

そんな時代のパーソナル・ネットワーク構築には、豊富な「引き出し」が必要だという著者の発言には、おおいに我が意を得たりと思ったものです。

グローバルビジネスでは、パーソナル・ネットワークが重要になると書きました。パーソナル・ネットワークとは組織のポジション(肩書きや役職)に頼らない人間関係のことですから、ビジネス以外の引き出しをどれだけ豊富にもっているかも問われるわけです(P.85)。

拙著 『人生を変えるアタマの引き出しの増やし方』(こう書房、2012)を執筆していた時点では、本書の存在を知らなかったのが残念です。もし読んでいれば、「グローバル人材」養成という要素も「引き出し」を増やさなければならない理由の一つとして強調できたのではないかと思いました。基本的に、拙著に引用した藤田田(ふじた・でん)の発言と同じ趣旨を述べてますね。 ⇒ http://www.kou-shobo.co.jp/files/sample/1074.pdf 参照

つねに「なぜ?」という疑問をもち自問自答し、臆せず質問し、ロジカルに筋道たてて考えて発言をするという生活習慣をもつこと、これがグローバル社会のなかで生き抜くために絶対不可欠な「自分のアタマで考え抜くチカラ」をつくります。これはわたしがに書いたことと基本的に同じです。

著者は、男社会が優勢であるビジネス社会のなかで、日本IBMで女性初の取締役に就任した人ですが、その人がマイノリティであることのデメリットだけでなくメリットについて語っていることは、おおいに感銘を受けました。グローバル社会のなかでは、男性であっても日本人はあくまでもマイノリティなのですから。

海外勤務であろうがなかろうが、こういうマインドセットをもって生きていくことが、これからの時代のビジネスパーソンには不可欠なのです。

ぜひお読みいただきたい一冊として推奨いたします。





目 次

はじめに

プロローグ 「変わる」ことを恐れているヒマはない!

勝てるのは「カタストロフィック・ジャンプ」を起こした者だけ
悔しい経験が「大転換」を生んだ
自分次第でチャンスはいくらでもある時代

第1章 民族大移動-「あうんの呼吸」が通用しない!

「帰らざる橋」を渡りはじめた日本企業
M&A事業を担えるPMIリーダーを求む
TOEICのハイスコアよりマインドセットが大事
BOPビジネスにグローバル化のカギあり
欲しい人材は「世界に通用する経営者」だけ
外国人社員と対等に競える力を磨け
現場レベルで判断できるリーダー求む
海外への武者修行が奇抜な製品を生んだ
「家族以外はすべて変えよう」

第2章 内永流・世界と渡り合う人材になるための6つの条件

アクションが決まれば、あとはツールを磨くだけ
①「論理力」―「英語」を超える世界最強ツール
②ゼロベース・コミュニケーション-脱「あうんの呼吸」
③「違い」を理解する力
④「そこそこ」の英語力
⑤「自分」を語る力
⑥名刺なしで付き合える人脈

第3章 どこでも使える人材になるために

沈黙は「金」ではなく「禁」!?
ハイコンテクストvs.ローコンテクスト
「自分」を知ることが第一歩
「通じない」のが当たり前
「グッド・オールド・ボーイズ・ネットワーク」は過去の遺物

第4章「国際試合」の基本ルールを学ぼう

正しいトレーニングを選ぶ
3秒ルール
No bad question!
Be assertive!
エレベーターピッチ
Simple is the best!
DOs & DON'Tsリスト
「日常会話」をあなどるべからず

第5章 これが「使える」英語だ!-内永流・実践テクニック

明日から即使える、シチュエーション別ビジネス英語
会議を進行する-ファシリテーターに指名されても怖くない!
会議に参加する-アクティブ・コミュニケーターを目指そう
電話会議に出席する-苦手意識はこう克服するべし!
プレゼンテーションをする-ビジュアル・コミュニケーションのコツも学ぼう
交渉をする-いかに有利な条件を引き出すか

第6章 ブレない「個」を作る「強く」「早く」決断した者だけが生き残る

震災で外国人教師が
いっせいに帰国してしまった
揺らがない「軸」が決断を支える
「古典」と向き合うことから生まれる力
一風変わったセミナー
古典にグローバルリーダーのあり方を見る
長期的なロードマップを描く
グローバルチームの一員として生きる

エピローグ 「Execution」あるのみ!

4割でいいからやってみよう
行動に移してわかることがある

付録 APPENDIX

世界中どこにいても会話が弾む11のコツ
会議で扱いにくい参加者のタイプと、その対処法
電話会議(テレカンファレンス)のDOs&DON'Tsリスト
会議で必ず役立つキー・フレーズ
ファシリテーション(進行)に絶対役立つキーフレーズ
プレゼンテーションで必ず役立つキーフレーズ
ネゴシエーション(交渉)で必ず役立つキーフレーズ
POWER WORDS
ブレない軸を作る「古典」リスト


著者プロフィール
内永ゆか子(うちなが・ゆかこ)
ベルリッツコーポレーションCEO(最高経営責任者)、株式会社ベネッセホールディングス取締役副社長を兼務。1946年生まれ。1971年東京大学理学部物理学科卒業、同年日本IBMに入社。長年ソフトウエア開発にたずさわり、1995年に同社で初の女性取締役に就任。2008年4月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)


<ブログ内関連記事>

なぜ日本人現地派遣者の評価が現地で低いのか?-それは英語など語学以前の問題だ!






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2012年9月14日金曜日

「日本の常識は世界の非常識」-国際会計基準(IFRS)の話


Wedge(ウェッジ)のオンライン版にこんな記事がでています。

「IFRS導入で高まる日本企業の国際競争力」(2012年09月10日)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2180?

筆者は、金融専門のジャーナリスト磯山友幸氏です。 

そのなかにこんな一節があります。

「成長市場であるアジアでの展開を急ごうと思えば、アジア市場での株式上場や社債発行などが不可欠になる。アジアの国々で通用するのはIFRSだ」

IFRS とは、International Financial Reporting Standards の略、いわゆる「国際会計基準」のことですね。金融関係者は、IFRS と書いて「アイファース」と呼んでいます。

わたしがタイで会社を立ちあげて経営していたとき、会計にかんして、もっとも印象強かったのが、タイはすでに「国際会計基準」で会計が行われていたということ、インボイス方式で「付加価値税」(VAT)が徹底されていたことの2点です。2008年頃の話です。

日本人は、自分のことを先進国と思い込んでいるようですが、実態は大きく異なります。

国際会計基準はアングロサクソンの陰謀(?)などという話は、ビジンスパーソンであればクチにはしたくないもの。「世界の常識」がなんであるか、大企業以外の方々にも知ってほしいと思う次第です。

「日本の常識は世界の非常識」というフレーズは、そのむかし経済評論家の竹村健一がよくクチにしていたものです。

ここ数年は「ガラパゴス化」という表現が、日本のビジネス界では流行語になってますが、わたしは「ものづくり」におけるガラパゴス自体はけっして悪いと思いません。

問題は、日本の中と外では違う世界なのだという認識をもっていないことです。いい悪いの問題ではありません。規格(スタンダード)で覇権を取れなかった以上、世界の趨勢(すうせい)に従うよりほかありません。

ぜひアタマのなかにいれておいていただきたいと思います。



<ブログ内関連記事>

書評 『ブランド王国スイスの秘密』(磯山友幸、日経BP社、2006)
・・記事の執筆者である磯山友幸氏の著書の書評





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2012年9月12日水曜日

なぜ日本人現地派遣者の評価が現地で低いのか?-それは英語など語学以前の問題だ!



「日本人のアジア派遣者調査 現地の評価は、なぜ低い(前編)」という記事が、日経Tech-On に出ています。http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20120906/238295/ および http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20120906/238296/?ref=ML

「海外派遣者が現地人スタッフにどれだけ受け入れられているか。これが、現地法人の士気を高め、業績を高める重要な要素であることは言うまでもない」。

まったく異議ありません。

記事のなかには、中国人を対象に中国で実施した調査結果が紹介されています。引用してみます。

部課長クラスの日本人上司が同格の中国人上司の評価を統計的に有意に上回ったのは、「数字分析に強い」「専門知識が豊富である」など3項目だけだった。
逆に、中国人上司よりも評価が下回った設問は、20項目に上る。際立つのは、「意思決定が速い」「仕事の優先順位が明確である」など、業務遂行やリーダーシップに関わる項目での評価の低さである。
部下育成能力に関連する項目でも、「部下育成のためのチャンスを与えている」など多くの項目で 中国人上司の評価が高かった。

聞き捨てならない内容ではありませんか!?

拙著 『人生を変えるアタマの引き出しの増やし方』の副題にもあるように、「専門知識は豊富でもツマラナイやつに明日はない!」そのものですね!! 専門知識だけではビジネスパーソンとして成功とはいえません。

「専門知識は豊富でもツマラナイやつに明日はない!」。いや、「明日はない」どころか、ローカル社員のココロをつかんでいないということは「今日がない」ということ。これでは、現地のマネジメントがうまくいくはずがありません。

そもそも日本国内での組織風土や仕事のやり方に問題があるのではないでしょうか?「意思決定が速い」、「仕事の優先順位が明確である」など、英語などの語学以前の問題です。

日本国内で「マネジメント国際化」を徹底しないと日本企業は生き残れない。あらためてつよく思う次第です。

みなさまの会社ではいかがですか?


<ブログ内関連記事>

アジア進出に際しては「失敗事例」を押さえたうえで「成功方法」を考えよう-『なぜ中小企業の中国・アジア進出はうまくいかないのか?』 と 『アジアで成功する企業家の知恵』を読む


なぜ「経営現地化」が必要か?-欧米の多国籍企業の歴史に学ぶ

『グローバル仕事術-ニッポン式ビジネスを変える-』 (山本 昇、明治書院、2008) で知る、グローバル企業においての「ボス」とのつきあい方

「個人と組織」の関係-「西欧型個人主義」 ではない 「アジア型個人主義」 をまずは理解することが重要!

アジアでは MBA がモノを言う!-これもまた「日本の常識は世界の非常識」

書評 『インドネシア駐在3000日 (新版)』(坂井禧夫、連合出版、2012)-インドネシアといえばこの一冊。付録のインドネシア語のことわざ200も面白い




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2012年9月11日火曜日

最悪の事態を「想定」する-人もまた「リスク要因」であることを「想定内」にしておかねばならない!



本日は、2011年3月11日の東日本大震災と福島第一原発の事故という日本にとっての未曾有の大災害から一年半になります。

そしてまたアメリカにとっての未曾有の大災害であった Nine Eleven (9-11テロ)からまる11年。

時が過ぎるのが早いとともに、このふたつの未曾有の大災害の犠牲者の鎮魂を祈るばかりです。

生きているわたしたちにとっての課題は、「想定外」という三文字を禁句にすることも、その一つでありましょう。

「最悪の事態を想定」する。英語でいえば to anticipate the worst というフレーズになりますが、比較的よく耳にするものです。

企業経営でいえば、「最悪の事態を想定」することが必要なのは、なんといっても人にかかわる問題でしょう。

わたしはビジネスキャリアの最初から組織人事を専門にやってきましたが、リスクマネジメントの専門家から聞いた一言がつよく印象に残っております。たしか、こんなものでした。

「人は最大のプラス要因あると同時に、最大のリスク要因でもある」

俗に経営資源を分解して「ヒト・モノ・カネ」といいますが、もっとも重要なのがなんといってもヒト。モノやカネをつかって価値をつくりだすのがヒトだからです。

しかし、同時にヒトはリスク要因でもある。

これは、生身の人間とアニメのキャラクターを比較してみればわかりますね。アニメのキャラはスキャンダルを起こすことがないので安心してつかえますが、生身の人間はなにをしだすかわからない(笑)

だから、人間はやめてアニメキャラやロボットに変えてしまえなどと無茶な主張をするわけではありません。なんといっても生身の人間です!

しかし、何ごともメリットがあればデメリットがあるもの。オモテとウラのあるコインと同じですね。

人は尊重するのは当然でありますが、同時に人間は誘惑に弱い存在ですから、悪しき誘惑に負けないような指導も行う必要がある。

できれば、採用の時点で問題になりそうな人は入社させないように、採用担当者が「眼力」をもつ必要があるのですね。もちろん経営者自身についても、いうまでもありません。

社会保険労務士の花村俊宏さん(名古屋在住)が執筆された小冊子 『採用コンサルタントが教えない「失敗しない採用の裏技」』を読んで、リスクマネジメントの専門家のコトバを思い出しました。

花村俊宏さんは、「社長の参謀。元警察官の社会保険労務士。ウイルス社員を見極めるプロファイリングの達人」。ひとつひとつのキーワードが組織人事やってきた人間に刺さります。

「ヒトの問題」というものは、ほんとうに対処するのがむずかしい。カネやモノよりもはるかにむずかしい。

しかし、そんな「ヒトの問題」も「想定内」にしておくことが、リスクマネジメントの観点からいって、絶対に必要です。福島原発事故も「9-11」のテロリストも、みなヒトにかかわる問題なのです。前者は不作為で、後者は悪しき思想に染まった善人の問題として。

経営者の方には、ぜひこの小冊子 『採用コンサルタントが教えない「失敗しない採用の裏技」』 に目をとおすことをお奨めします。

「最悪の事態」は、つねに「想定内」にいれておくことが大事なのです。

Anticipate the worst !!!


<関連サイト>

小冊子 『採用コンサルタントが教えない「失敗しない採用の裏技」』は、こちらから注文可能です。 http://www.roumukaiketsu.jp/category/1478199.html


<ブログ内関連記事>

書評 『未曾有と想定外-東日本大震災に学ぶ-』 (畑村洋太郎、講談社現代新書、2011)

「ブルータス、お前もか!」-立派な「クレド」もきちんと実践されなければ「ブランド毀損」(きそん)につながる

「ゆでガエル症候群」-組織内部にどっぷりと浸かっていると外が見えなくなるだけでなく、そのこと自体にすら気が付かなくなる(!)というホラーストーリー





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2012年9月5日水曜日

「ブックダイアローグ東京」-『人生を変えるアタマの引き出しの増やし方』(佐藤けんいち、こう書房、2012)の出版記念イベントを開催しました(2012年9月4日)


昨日9月4日(火)、東京・北参道のコンセプトワークス株式会社で、 「ブックダイアローグ東京-『人生を変えるアタマの引き出しの増やし方』出版記念」を開催しました。 https://www.facebook.com/events/254980994621350/

先月の7月3日に刊行された『人生を変えるアタマの引き出しの増やし方』(佐藤けんいち、こう書房)の出版記念イベントです。10名限定のミニ会場で、読者のみなさんに集まっていただきました。

「ブック・ダイアローグ」とは何か? 聞き慣れないフレーズだと思います。

ブック・ダイアローグは、講演会ではありません。セミナーでもありません。トークショーでもありません。

ブック・ダイアローグ(Book Dialogue)、読んで字の如く、本の対話です。本についての対話。本をめぐっての対話。本をだしにしての対話。

席に座って、ひたすら講師の話を拝聴する。それでは、寝るなと言われても酷な話。講演会やセミナーで眠くなるのは生理現象、講師の責任でも、出席者の責任でもありません。

電車で座席に座っていると眠くなる。ヘアカットの際に椅子に座っていると眠くなる。なぜなら、心地よいから。ネコじゃなくても眠くなる(笑) 

わたしも講演会ではよく眠ります(笑) でもそれは、内容がつまらないからでは、ありません。

眠くなるのは、自分がしゃべれないからですね。人間というものは、本質的にしゃべりたいもの。自己表現したものです。それは、たとえクチベタであっても関係ありません。しゃべりながら眠る特技をおもちの方は別ですが、それは寝言に過ぎません(笑)

ブック・ダイアローグでは、講師だけが「しゃべり」を独占しません。出席者全員に「しゃべり」で参加していただきます。

今回も、「知的な会話」を楽しめるサロンみたいな会になったのではないかと思います。

出版関連イベントは、すでに行った京都、東京以外でも全国各地で開催する予定です。開催ご希望があれば、ぜひご連絡いただけると幸いです。 ⇒ ken@kensatoken.com  

開催前には、さまざまな媒体で告知したしますので、ぜひご参加いただけると幸いです。よろしくお願いします。




<ブログ内関連記事>

京都で 「出版記念食事会」を開催していただきました(2012年8月1日)

新刊 『人生を変えるアタマの引き出しの増やし方』(佐藤けんいち、こう書房、2012)が、「新刊.jp」で紹介されました!

『人生を変えるアタマの引き出しの増やし方』の出版前の2012年4月に受けたインタビューを再録します





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2012年9月4日火曜日

書評  『女子社員マネジメントの教科書-スタッフ・部下のやる気と自立を促す45の処方箋-』(田島弓子、ダイヤモンド社、2012)-価値観の異なる人材をいかに戦力化するか



人事管理の世界に「ダイバーシティ」というコトバがあります。

ダイバーシティ(diversity)とは、文字通りの意味は「多様性」ということですが、マネジメント用語では、異なるバックグラウンドをもった多様な人材をマネジメントするという意味になります。

日本においては、これはなによりも女性ビジネスパーソンの活用となります。

なぜなら、人口減少傾向にある日本では、女性といういまだ十分に活用されていない人材を活用することは、外国人の活用よりも重要性がはるかに高いからです。

思ったように人が採用できない中堅中小企業では、まさに喫緊(きっきん)の課題だといえましょう。

著者は外資系でキャリアをつみ、最後はマイクロソフトの日本法人で営業部長をつとめた人です。

本書は、著者が部下として、また上司として女性を育成してきた経験をもとに書かれた、きわめて実践的な内容の一冊です。

外資系企業は、かつては日本では思ったように採用活動ができなかったことから、かなり以前から積極的に女性を採用し実績を出してきたことは比較的よく知られていることだと思います。

そんな外資系企業でも、まだまだ男性中心社会で苦労も多かったのだとか。しかも、自分が女性であっても、女性の部下を育成することはチャレンジであったとのこと。そんな著者が書いた「教科書」ですから、ひじょうに説得力があります。

わたし自身も、前職の中小企業時代は全社員の2/3が女性という職場を、ナンバー2の取締役として女性の戦力化につとめてきた経験があるので、ひじょうに興味深く、いちいちうなづいて「共感」しながら読み進めることができました。

ここでカッコ書きにした「共感」。これこそまさにキーワードです。女性が男性よりもすぐれているのは、まさにこの点なのです。そして「観察」。女性の観察力が、一般に男性よりも高いことは、みなさんも実感されていることだと思います。職場でマイノリティ(少数派)であることが、さらに観察力を強化していることもあります。

タイトルも内容も、基本的に「女性ビジネスパーソンの育成」という観点から書かれたものですが、一貫している大きなテーマは「価値観の異なる人材をいかに戦力化するか」というものです。

ですから「草食系」と揶揄されることの多い若い世代の男子はもちろん、価値観の異なる外国人社員のマネジメントまで視野に入れることが可能になってきます。

かつての高度成長期のモーレツ社員によく似た中国人やインド人とはまったく異なり、東南アジアの現地法人で働く従業員も、ある意味では「草食系の日本人」とは似たような存在であると、わたしは自分の体験からそう考えています。

キーワードは、ダイバーシティとインクルージョン。ダイバーシティは先にも説明したように「多様性」。インクルージョン(inclusion)とは、巻き込むこと。多様性のある人材をチームとして巻き込んで結果を出していくことこそ、これからのマネジメントに求められている課題なのです。

制度をいじる前にマネージャーが取り組むべき課題があると指摘して、具体的な方法まで書かれたこの「教科書」は、マネージャーのみなさんや経営者のみなさんにはぜひおすすめいたします。






目 次

はじめに 今いるメンバーで成果を最大化するために
Step 1 上司の「5大お悩み」と部下たちの本音
Step 2 自立したビジネスパーソンに変わる5つの意識改革
Step 3 これだけは言ってはいけない8つの言葉&伝えるべき8つの言葉
Step 4 やる気を育てる上司になるための5か条と具体策
Step 5 戦力最大化のネクストステップマネジャーとして育てるために
おわりに きたるべきダイバーシティ&インクルージョン時代に向けて

著者プロフィール
  
田島弓子(たじま・ゆみこ)    
ブラマンテ株式会社代表取締役。成蹊大学文学部卒。日本人材マネジメント協会会員。IT業界専門の展示会主催会社などにてマーケティングマネジャーを務めた後、1999年にマイクロソフト日本法人に転職。約8年間の在籍中、Windows2000、Windows XP、Windows Vista など Windows の営業およびマーケティングに一貫して従事。当時、営業・マーケティング部門では数少ない女性の営業部長を務める。在籍中、個人および自身が部長を務めた営業グループでプレジデント・アワードを2回受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。




<関連サイト>


女子社員マネジメントの教科書 第1回何を考えているかわからない!?女子社員という「謎」の生き物 http://diamond.jp/articles/-/23540


女性が得意なのが「共感」力と「観察」力であることが本書で指摘されていますが、後者の「観察」力の鍛え方については、拙著 『人生を変えるアタマの引き出し』の第2章をご参照いただきたい。



<ブログ内関連記事>

書評 『ビジネススキル・イノベーション-時間×思考×直感 67のパワフルな技術-』(横田尚哉、プレジデント社、2012)-ビジネススキルは流行を追っかけるのではなく、本質をおさえてイノベートせよ!
・・個人スキルのなかには、チームをマネジメントするスキルも含まれる

「インテグリティ」(integrity)について考える-「ダブルスタンダード」の反対語として
・・上に立つひとは首尾一貫した言動は絶対に行わなければなりません





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