「個」と「組織」それぞれの能力を向上し、「個」と「組織」のよりよい関係を築くために
                                    

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2012年8月31日金曜日

書評 『ビジネススキル・イノベーション-時間×思考×直感 67のパワフルな技術-』(横田尚哉、プレジデント社、2012)-ビジネススキルは流行を追っかけるのではなく、本質をおさえてイノベートせよ!



8月30日にプレジデント社から発売された 『ビジネススキル・イノベーション-時間×思考×直感 67のパワフルな技術-』、「ファンクショナル・アプローチ」によって劇的なコスト削減と改善を実践しておられる横田尚哉さんの最新刊です。

出版前に製作される「パイロット版」をいただいたので、さっそく読ませていただきましたが、ひさびさに、「本格的なビジネス書」に出会ったという思いです。

できるビジネスパーソンが、さらに「ワンランク上」を目指すための必読書といっていいでしょう。

とくに、30歳代以上の組織人で、チームマネジメントをすることになるプレイイング・マネージャーやリーダーが熟読・精読すべき本です。

ビジネスパーソンとしての個人スキルの向上だけでなく、組織で仕事をするための本質的な考え方にまで踏み込んだパワフルで充実した一冊になっています。

大きな仕事をしようと思ったら、組織で仕事をすることは避けて通ることはできません。たとえ個人としての能力が優秀でも、チームをマネジメントする能力がなければ優秀なビジネスパーソンとはいえないのです。後者の能力も、じつは個人能力のなかにふくめて考えるべきなのです。

「個人と組織の関係」をどうマネージしていくかは、「ワンラク上」を目指す人には必須のマインドセットです。本書は、それが主目的であるかは別にして、そのことについて真っ正面から踏み込んで書かれた本だといってもいいでしょう。

しっかりとした自分の「軸」を確立し、しかも組織のパフォーマンスを最大にすべく日々のビジネス活動のなかで格闘しているビジネスパーソンには、つよく薦めたいと思います。

参考のために「目次」を掲載しておきますが、ぜひ直接に本文にあたって読んでみて下さい。

プロローグ

第1章 1.4倍で時間を見積もる

01 予定が滞る可能性を顕在化する
02 リスクイベントをシミュレーションする
03 1.4倍でスケジューリングする
04 時間の質をコントロールする
05 マルチタスクでアイデアを熟成させる
06 捨てるべき仕事を見極める
07 ストレス仕事の価値を高める
08 やりたくない仕事の意義を考える

第2章 時間と感情のロスを減らす

09 伝え方より、コトバの変換に注意する
10 形容詞を使わず、数詞で話す
11 新人には明示し、達人には暗示する
12 時間軸でホウ・レン・ソウを区別する
13 仕事のリードタイムを短縮する
14 既決ボックスを撲滅する
15 分担作業ではなく、チーム作業をする
16 外発的因子でアイデアの連鎖を生み出す
17 根回しの効用を問い直す

第3章 チームをマネジメントする

18 仕事の役割と手帳をリンクさせる
19 会議の機能を数値化して見直す
20 議事録は、運営シートで兼用する
21 説明・遅刻・無発言を禁止する
22 ルールとモラルの違いを知る
23 マニュアルでなくガイドラインで考える
24 相互作用型の人材を育成する
25 模倣性と創造性のバランスをとる
26 一人一人の能力を引き出す
27 教えることで一段高い視点を獲得する

第4章 感性でリスクを察知する

28 未知の領域を意識する
29 長いタームで仕事をとらえる
30 0.5秒トレーニングで感性を磨く
31 データに頼った判断をやめる
32 予定と実績を可視化して比較する
33 プロセス管理の必然性を考える
34 手段と目的の優先順位を見極める
35 リソースは有限であることを意識する
36 確信につながる勇気をもつ

第5章 組織のムダを改革する

37 予算管理のジレンマを検証する
38 ゼロベースで予算を組む
39 コスト削減をイノベーションの契機にする
40 情報と知識の違いを明確にする
41 6割で判断する習慣をつける
42 集めて区別ではなく、区別して集める
43 情報は事例でなく、原理で理解する

第6章 個人の能力を最大化する

44 ネットとリアルのバランスを棚卸しする
45 海陸両様の生き方を目指す
46 人脈のファンクションを考える
47 時間の概念を人脈整理に取り入れてみる
48 名刺の管理をフローで効率化する
49 片づけの原則を再考する
50 通勤の役割を見つめる
51 割り込み仕事から自由になる
52 一つだけ見て、仕事に集中する

第7章 時代の潮流をつかむ

53 攻めを忘れず、守りの時代に対処する
54 得意領域でナンバーワンになる
55 不足を体験して知恵を身につける
56 アウトプットはつねにインプットで割る
57 知識はお金で、経験は時間で買う
58 創造のための環境・道具・動機を得る
59 セレンディピティを起こす

第8章 未来のつくり方を考える

60 プロアクティブに長期計画を立てる
61 感性で決め、知性で測り、理性で示す
62 積み重ねた時間の分、未来を見る
63 人生周期表で決断のタイミングを計る
64 目標はゼロベース思考で設定する
65 未来思考で理想の具現を目指す
66 過去を手放し、未来をつかむ
67 一日一瞬を生きることに集中する

エピローグ






著者プロフィール

横田尚哉(よこた・ひさや)

株式会社ファンクショナル・アプローチ研究所代表取締役社長。顧客サービスを最大化させる経営コンサルタント。世界最大企業・GE(ゼネラル・エレクトリック)の手法を取り入れ10年間で総額1兆円の事業改善に乗り出し、コスト縮減総額2000億円を実現させる。「30年後の子供たちのために、輝く未来を遺したい」という信念のもと、そのノウハウを潔く公開するスタイルは各種メディアの注目の的。「形にとらわれるな、本質をとらえろ」という一貫したメッセージから生み出されるダイナミックな問題解決の手法は、企業経営にも功を奏することから「チームデザイン」の手法としても注目が高まっている。著書に『問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門』『ワンランク上の問題解決の技術《実践編》』(ディスカヴァー刊)がある。 http://www.fa-ken.jp



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2012年8月29日水曜日

「インテグリティ」(integrity)について考える-「ダブルスタンダード」の反対語として



インテグリティというコトバがあります。
英語の integrity をそのままカタカナにしたコトバです。

日本語では、一般的に誠実と翻訳されることが多いようですが、誠実というコトバでは英語のもつ意味とはズレがあるような気がしてなりません。

言動が首尾一貫して、倫理上や道徳上の原理原則に忠実であることを指しています。言動にブレがないと言い換えてもいいでしょう。

首尾一貫しているから誠実である、こういうロジカルな流れは理解できますが、しかしいきなり誠実に飛んでしまうと、インテグリティの真意をつかむことができません。

ダブルスタンダードというコトバがあります。直訳すれば、二重基準ということになりますが、日本語で二枚舌と表現した方がピンとくるでしょう。

いうまでもなく、ダブルスタンダードはインテグリティの反対語になりますね。二枚舌の人間は、言動に首尾一貫したものがありません。二枚舌と柔軟性を意味する融通無碍(ゆうづうむげ)とはまったく異なります。


日本政府のダブルスタンダードぶり

先日の尖閣問題から目立つのが、日本政府のダブルスタンダードぶり。いや二枚舌外交というべきでしょうか。

具体的にいうと、尖閣問題と竹島問題の日本国の領土をめぐる紛争について、あからさまなダブルスタンダードがみられることについてです。

まずは尖閣問題。尖閣問題とは、日本の固有領土への民間人を偽装した中国による「侵略」行為のことですが、今回の香港の「民間」活動家による魚釣島上離陸という国家主権侵犯行為を強制送還という形で処理してしましました。

海上保安行為に対する、あきらかな公務執行妨害と損壊行為という刑法上の犯罪行為があったのにかかわらず、中国人(・・一国二制度の香港も中国です)と日本国民で二重のルールを適用したわけです。

同じことを日本人がやったら罰せられるのは間違いないのに、中国人がやったら政治問題になるというので不問に付す。これは法の適用にかんするダブルスタンダード以外のなにものでもありません

これが第一のダブルスタンダード。

もうひとつのダブルスタンダードとは、韓国と中国に対する対応のあきらかなダブルスタンダードです。

周知のとおり、日本の敗戦記念日は韓国にとっては独立を回復した光復節でありますが、その光復節に韓国の大統領が竹島に上陸したうえ、さらには天皇陛下に対する不敬発言を公然とおこなったことに対して日本政府は対抗措置をとることを表明しました。

この日本政府の行動そのものは賛同できます。もちろん、行きすぎた対抗措置をとりすぎて二国間関係は阻害されることは、ビジネスマンの立場からみて、かならずしも望むところではありません。

問題は、日本政府の領土問題に対する対応が、韓国と中国とで明らかに異なることです。これもまたダブルスタンダード以外のなにものでもありません。

実効支配という観点からいえば、竹島は残念ながら韓国が、尖閣諸島は日本がそれぞれ実効支配していますが、この点だけをもって韓国と中国に対する対応を変えるのはダブルスタンダードであることは、誰の目から見てもあきらかでしょう。

このように、国内法の適用にかんしてダブルスタンダードを行い、外交の場においてもダブルスタンダードを行う日本政府。

こんなことをやっていては、国際社会で信用されるわけがありませんね。さらにいってしまえば、軽蔑され、侮蔑されるのも当然といっていいでしょう。


個人でも組織でも首尾一貫した言動を!

同じように、個人と個人の関係においても、相手によって対応をあきらかに変える二枚舌の人間が信用されないことはいうまでもありません。

これは会社でも組織でも同じことです。そんな組織でも、意志決定をおこなうのは最終意志決定者です。つまり、人間が背後に存在するわけです。その代表者が言うことなすことをころころ変えていては、会社そのものの信用も失われます。

ダブルスタンダードの対極にあるのがインテグリティ。個人も組織も、首尾一貫した言動を行うことによって、インテグリティを中核に据えることが必要なのです。


<ブログ内関連記事>

ベスト・プラクティスと反面教師-その両方からともに学ぶことが大事!






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2012年8月17日金曜日

クラスターという集積効果について-なぜ特定のスポーツが特定の地域に集中しているのか?




7日間にわたって熱戦が繰り広げられたロンドン・オリンピックも、ついに8月12日(日本時間13日)に閉会式を迎えて無事、すべての日程を終了しました。

日本代表もトータルで38個のメダルを獲得し、1996年のアトランタ・オリンピックの獲得数を上回りました。

金メダルは目標の15を下回り、結果として全部で7つでしたが、そのうち が女子レスリングによるものが3つ。伊調馨の三連覇をはじめ、女子レスリングはすでに日本のお家芸に成長していることを実感した人もすくなくないことでしょう。

しかも、なぜか女子レスリングは、選手のほとんどが、なんらかの形で青森県八戸市にかかわりをもっているという報道がありました。

なぜ特定のスポーツが特定の地域に集中しているのでしょうか?

すこし遠回りしながら考えてみましょう。

経営学の世界では、「産業集積」のことを「クラスター」と呼んでいます。

クラスター(cluster)とはブドウの房のこと。ひとつの茎に、大量にブドウの実がついてますよね。転じて、集積効果のことをクラスターというようになっています。クラスター爆弾という物騒なものもありますが・・・

産業集積を意味するクラスターは、もっとも有名な例でいえばアメリカ西海岸のシリコンバレーがあります。IT関係のベンチャーが、工学部で有名なスタンフォード大学の周辺に集積しています。

オタクの聖地である秋葉原(アキバ)や、古本では世界一の神保町(じんぼうちょう)などもクラスターといっていいかもしれません。神保町については、神田・神保町の古書店街もまた日本が世界に誇る「クラスター」(集積地帯)である!と題してこのブログでも書きました。

アキバも神保町も、ともに自然発生的に、専門分野でクラスター効果が発生した実例だといっていいでしょう。

スポーツの世界に話を戻しますが、特定のスポーツが特定の地域に集中している例としては、さきのロンドン・オリンピックで話題になっている「女子レスリング」がありますね。

テレ朝の情報番組 『ワイド!スクランブル』 でやってましたが(写真)、女子レスリングがさかんになったのは、1977年の青森国体がキッカケなのだとか。面白いですね!

ウィンタースポーツである女子フィギュアスケートは、名古屋に集積効果がみられますが、これはスポーツ活性化のカギであるインフラ、つまりスケートリンクがたくさんあり、その結果、指導者の層もまた厚いことが要因となってます。

ほかにも空手の沖縄などの事例もありますが、特定のスポーツが特定の地域に集中している例は、まだほかにもあるでしょう。

静岡のサッカーもそうですし、より地理的な条件にもとづく者といえば、沿岸地域の水泳をあげるべきかもしれません。

地域おこしの材料としてスポーツに注目してみるのもいいかもしれません。なんといっても効果が目に見えるものですから。ただし、実を結ぶまでには時間がかかりますが・・・

1977年の青森国体がキッカケになった八戸のレスリング。大分県ではじまった「一村一品運動」なども参考に、いろいろな取り組みが考えられそうです。



<関連サイト>

カーリング女子もまたクラスターですね! 残念ながら2014年のソチ冬季オリンピックでは5位で予選敗退となってしましましたが・・・・

選手の出身地は北海道北見市・常呂(ところ)に集中旧・常呂町はカーリングの町として知られるようになったのは、かつての姉妹都市のカナダのバーヘッド町との友好関係からだそうです。
カーリング選手 北見市(wikipedia) を参照

旧・常呂町はカーリングの町として知られ、オリンピックに出場したカーリング選手の出身者が多い。( )内は出場したオリンピック。

近江谷好幸(長野)
佐藤浩(長野)
敦賀信人(長野)
三村容子(長野)
関和章子(長野、ソルトレイク)
船山弓枝(ソルトレイク、トリノ、ソチ)
小笠原歩(ソルトレイク、トリノ、ソチ)
小仲美香(ソルトレイク)
本橋麻里(トリノ、バンクーバー)
近江谷杏菜(バンクーバー) - 好幸の娘
吉田知那美(ソチ)
小野寺佳歩(ソチ)


このほか、北海道北見市・常呂から 日本代表チームの女子カーリング も参照。

(2014年2月18日 記す)

なぜ日本はフィギュアスケートの強豪国になり得たのか (相沢光一・スポーツライター、ダイヤモンドオンライン、2014年2月18日)



<ブログ内関連記事>

神田・神保町の古書店街もまた日本が世界に誇る「クラスター」(集積地帯)である!

「近代スポーツ」からみた英国と英連邦-スポーツを広い文脈のなかで捉えてみよう!






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2012年8月14日火曜日

書評 『「できません」と云うな-オムロン創業者 立石一真-』(湯谷昇羊、新潮文庫、2011 単行本初版 2008)-技術によって社会を変革するということはどういうことか?



「できませんと云うな」、これが口癖であったという立石一真。研究開発系企業として有名なオムロンの創業経営者です。

そしてオムロンは京都の会社。京都の研究開発系企業としては京セラが有名ですが、京セラの創業者・稲盛和夫が鹿児島出身であることは意外と知られていないようです。

オムロン(旧 立石電機製造所)の立石一真もまた、本書によれば熊本出身の九州男児でした。1900年(明治33)年に熊本に生まれ、1991年(平成3年)に没するまで、一貫して技術者として不可能へ挑戦し続けた熱い人だったのです。

縁あって京都で起業して、世界企業になった京セラとオムロン。稲盛さんにくらべて知名度では落ちるが、研究開発系企業としてのオムロンとその創業者・立石一真は、もっと知られていいのではないでしょうか? 

立石一真自身が目立つことを嫌ったこともあって、すばらしい業績を残しているの対して立石一真その人については広く知られているわけではないようです。本書を読むまで、わたし自身、オムロンという会社については知っていても、立石一真についてはよく知らなかったわたしは、その感をつよくしました。

1960年に世界に先駆けて開発に成功した「無接点近接スイッチ」は、自販機、電話交換機、新幹線や自動車のメーター、工作機械などさまざまな分野で現在では当たり前のように使われています。

技術によって社会を変革するという創業者のつよい思いが反映した企業姿勢、これが端的に実現されたのが、世界初のオンラインCD(=現金自動支払機)やATMの開発でしょう。これによって、窓口業務が機械化されて金融機関の週休2日制が実現したことは、わたし自身が金融機関の関連企業にいたこともあり、たいへんありがたく思っています。

また、NHK『プロジェクトX』で紹介された自動改札機の開発ストーリーは、創業者・立石一真自身が主人公ではなく、開発にあたったエンジニアが主人公でしたが、技術によって社会を変革するという姿勢がすみずみまで浸透していることが、よく感じられるものでした。

イノベーションを軸にしたあるべき経営とは何か?
技術によって社会を変革するといういうことはどういうことか?

いち早く障害者の雇用をする企業を利益のでる営利企業として軌道にのせるなど、さまざまな領域でイノベーションを実現し、社会を変革していったオムロンと創業者・立石一真。ドラッカーとは公私にわたって親交がありました。

もっと知られるべき理想の経営者として、ぜひみなさまにも知っていただきたいと思い、紹介させていただいた次第です。





目 次

まえがき-ドラッカーが絶賛した日本人経営者
第1章 青雲の志
第2章 立石電機創業
第3章 倒産の危機、オートメーションとの出会い
第4章 プロデューサー・システム
第5章 夢のスイッチ
第6章 生い立ちと社憲
第7章 自動券売機、再婚
第8章 交通管制システム
第9章 CDと無人駅システム
第10章 健康工学、オムロン太陽電機
第11章 電卓の誤算
第12章 大企業病退治
最終章 人を幸せにする人が幸せになる
文庫版あとがき
立石一真 年譜
参考文献


湯谷昇羊(ゆたに・しょうよう)  

1952(昭和27)年、鳥取県生れ。法政大学経済学部卒。1986年ダイヤモンド社へ入社し、以後、銀行を中心とした金融界を主な取材対象として活動。「週刊ダイヤモンド」編集長、同社取締役を経て、2008(平成20)年に退社し、フリーの経済ジャーナリストになる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。

<関連サイト>

「私の履歴書 立石一真 復刻版」 (日経Bizアカデミー 2013年10月3日)
・・日本経済新聞の名物連載「私の履歴書」がネットで読める


<ブログ内関連記事>

書評 『京都の企業はなぜ独創的で業績がいいのか』(堀場 厚、講談社、2011)-堀場製作所の社長が語る「京都企業」の秘密

『週刊ダイヤモンド』の「特集 稲盛経営解剖」(2013年6月22日号)-これは要保存版の濃い内容の特集






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2012年8月8日水曜日

ミッションに支えられた「思いの強さ」が勝利を導く-オリンピックをみる一つの視点


ロンドン・オリンピックで、女子サッカー日本代表チームの「なでしこ」が、準決勝でフランスを2-1で破ってメダルを確実にしました(2012年8月7日)。

しかし、オリンピックで金メダルをとることが、なでしこたちのミッションではないようです。

「耐え抜いたなでしこ 夢の2年連続世界制覇に王手」(47ニュース 2012年8月7日)には以下のように書かれています。 http://www.47news.jp/sports/olympics/london2012/400/117438.html

彼女たちは女子W杯優勝を一定の通過点としかとらえていない。日本では最も注目される五輪で勝ってこそ、真のチャンピオンとして認知してもらえると考えているからだ。女子サッカー人気を一過性のブームにとどまらせず、しっかりと根付かせたい。・・(後略)・・

目的と手段を明確に分離し、ミッションはあくまでも目的であって手段ではないことを明確に認識することは、ミッションを軸に据えた活動には不可欠といっていいでしょう。

いまは日本人として言えるのは、「なでしこガンバレ! 宿敵アメリカに勝利して金メダル獲得を!」ですが、彼女たちのなかには、さらに高い志というミッションがあることを知ると、心から応援したくなるものです。

一方、本日早朝(8月8日)、準決勝でメキシコと対戦した日本男子サッカー代表チームは、3-1でメキシコに敗れ去りました。

女子サッカーの対戦相手のフランス代表チームと同様、メキシコ代表チームもまたすさまじいまでの連続攻撃で怒濤のような勢いがありましたが、女子のなでしこは猛攻に耐え抜いたのに対し、男子は終了間際にもだめ押しの3点目を決められ完敗です。

技術力でも攻撃力でもメキシコが勝っていたという印象を、眠い目をこすりながら観戦していましたが、ミッションに支えられた「思い」の強さ、これが男子サッカーとの大きな違いであったように思われてなりません。

1968年のオリンピック開催国でありながら3位決定戦で日本に敗れ去ったメキシコ。44年前の雪辱を果たすという「思い」がきわめてつよかったメキシコ代表チーム死にものぐるいのメキシコに対し、日本はすでに「思い」のつよさで負けていたのかもしれません。

もちろん男子代表チームのメンバーはみな悔しい思いをかみしめていることでしょう。しかし、勝負というものは結果として明らかになるもの。3位決定戦の対戦相手は宿命のライバル韓国。メキシコ以上に手強い相手です。

何のために勝たなくてならないのか、その意味を一人一人が自分なりに理解しし、チームとして共有することの大事さを痛感させられます。スポーツは、まさに企業活動のアナロジーとなりうるのです。

ビジネスパーソンがオリンピックでチームスポーツをみる意味があるのは、そこにあると思うのです。


PS. 決勝戦(8月10日早朝)の結果は、2-1で日本女子代表チームはアメリカに敗れた。しかし、最後の最期まであきらめないなでしこの戦いぶりには、よくやったと声をかけてあげたい。死力を尽くしての結果であるから悔いはないだろう。負けたのは事実、負けた悔しさはぜひ未来につなげていってほしい(2012年8月10日 記す)





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2012年8月4日土曜日

京都で 「出版記念食事会」を開催していただきました(2012年8月1日)


今週の8月1日(水)、京都の四条烏丸の からすまホテルで、 「ランチ会&ミニ講演会&サイン会」開催しました。

題して、「佐藤けんいちを囲んでの出版記念食事会」。先月の7月3日に刊行された『人生を変えるアタマの引き出しの増やし方』(佐藤けんいち、こう書房)の出版記念イベントです。

月初の多忙な時期であるのにもかかわらず、京都の企業経営者や老舗の当主、また自営業者の方々を中心に15名集まっていただきました。

当日行ったミニ講演のタイトルは、『イノベーティブな人材は「引き出し」が豊富』。わたしの「専門」である人材分野にひきつけのテーマでした。

ミニ講演のあとは、みなさんにも参加していただいて、「引き出し」の増やし方を中心にした質疑応答のセッション。和気藹々とした雰囲気のなかで二時間があっという間に過ぎてしまいました。

また、その場で本もお買い上げいただき、サインもさせていただきました。感謝!

出版関連イベントは、京都以外でも、東京をふくめ、各地で開催する予定です。開催ご希望があれば、ぜひご連絡いただけると幸いです。 ⇒ ken@kensatoken.com  

開催前には、さまざまな媒体で告知したしますので、ぜひご参加いただけると幸いです。






<ブログ内関連記事>


書評 『京都の企業はなぜ独創的で業績がいいのか』(堀場 厚、講談社、2011)-堀場製作所の社長が語る「京都企業」の秘密

書評 『インドネシア駐在3000日 (新版)』(坂井禧夫、連合出版、2012)-インドネシアといえばこの一冊。付録のインドネシア語のことわざ200も面白い ・・出版記念イベントの企画から司会まで坂井さんにはたいへんお世話になりました。この場を借りてお礼申し上げます。





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