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2012年1月30日月曜日

「ASEAN最新事情セミナー-洪水後のタイ-」 (日本アセアンセンター主催 2012年2月14日 東京)が開催されます




日本アセアンセンター(東京都港区新橋)にて、 「ASEAN最新事情セミナー -洪水後のタイ-」のご案内 (ASEANセンター主催 東京)が、2012年2月14日(火)に開催されます。

今年2011年は、「3-11」の大地震と大津波、そして原発事故という「未曾有の」大災害が収束する間もなく、今度は日本企業にとっての製造拠点タイでは「未曾有」の大水害の被害に見舞われ、多くの死傷者や避難民がでただけでなく、日系企業が多く入居している工業団地が軒並み大被害を受けてました。

被災企業におかれましては、すでに復旧から復興へとステージが進んでいることと思いますが、日系の被災企業と現在の復旧状況についての話を聞くことで、短期的な課題だけでなく、中期的・長期的な課題についても、アタマの整理をするよい機会になるのではないかと思います。また、これからタイ進出をご検討の方々にも役に立つでしょう。

アジアジャーナリストの松田健氏は、タイには300回以上訪問している「生き字引」のような存在で、タイにおける製造業については、長年の取材経験をもとに 『タイで勝つ !!-直感力こそ成功のカギ-』(松田健、重化学工業通信社、2010)という本も出版されています。松田氏のことは、わたしもよく存じ上げております。

以下に、ASEANセンターによるセミナーの紹介文を転載いたします。


◇◇--------------------------◇◇
「ASEAN最新事情セミナー -洪水後のタイ-」のご案内
◇◇--------------------------◇◇

日本アセアンセンターでは、バンコクに滞在するアジアジャーナリスト松田健氏をお迎えし、「ASEAN最新事情セミナー -洪水後のタイ-」を開催いたします。

2011年、タイを襲った大洪水は、タイ経済のみならず現地で操業、また取引を行う日系企業にも大きな打撃を与えました。

この洪水では、カンボジア、ベトナム、ミャンマーでも大被害が出たにも関わらずタイだけが中心的に報道された理由はどこにあるのでしょうか。今後も再び洪水が発生する可能性があるタイから日本企業が撤退しないのは何故でしょうか。洪水の中で取材した日系被災企業と現在の復旧状況を、今後のタイに求められる治水対策などを交えて、バンコクに滞在するアジアジャーナリスト松田 健氏にお話しいただきます。

ASEANでのビジネスをお考えの方に、アジアに精通する松田氏の視線で、最新事情をご紹介いたします。皆様のご参加をお待ちしております。

日時:  2012年2月14日(火)14:00-16:00会場:  日本アセアンセンター内 「アセアンホール」東京都港区新橋6-17-19 新御成門ビル1階
http://www.asean.or.jp/ja/ajc/about/img_folder/AJCmap2010

参加費:  無料
詳細・お申込み: 下記のサイトから
http://www.asean.or.jp/ja/invest/about/eventinfo/2011/2011-24.html

 問い合わせ先: 日本アセアンセンター 投資部 TEL:03-5402-8006
-----------------------------



講演者プロフィール
      
松田健(まつだ・けん)

1947年小豆島生まれ。1971年上智大学法学部卒。23年間の日刊工業新聞記者(最後の1年間は総合デスク)を経て、1995年に独立。年のほとんどをアジア各地にいて、現地発の経済やビジネス情報を「アジア・ジャーナリスト」として日本の各媒体や企業に発信中。アジア関係のビジネス・コンサルタントとしても活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。






<ブログ内関連記事>

「緊急企画 日タイ洪水復興セミナー」(JETRO主催 東京)が開催されます(2011年12月9日 入場無料)

バンコクへの渡航は自粛を!-タイの大洪水と今後の製造業立地の方向性について





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2012年1月27日金曜日

書評 『負けない自分になるための 32のリーダーの習慣』(澤穂希、幻冬舎、2011)-現場リーダーのためのプレイイング・マネージャー論として



現場リーダーのためのプレイイング・マネージャー論

「わたしの背中をみなさい」というワンフレーズにしびれた日本人は、男女を問わず少なくないのではないかと思います。

このセリフは、むかしはもっぱら渋めの男性が使うものでしたが、いまこのセリフがいまもっとも似合うのが本書の著者である澤穂希その人であることに意義を唱える人は多くないはずです。

そんな澤選手が、自らを語ったのがこの一冊。

執筆を依頼されて迷ったと本人が書いていますが、アドバイスを受けて背中を押された末に執筆を決意したのは、「チャンスはけっして逃さない」という生き方の反映でもあるでしょうし、「まったく別の世界の人と交友関係をもつ」「周りの環境を変えたかったら、まず自分が動く」という「習慣」の実践でもあるのでしょう。

この本を読むにあたっては、サッカーについてある程度までは知っていることが望ましいですが、そうでなくても現場リーダーのあり方について書かれた本として読むこともできます。

日本代表チームのキャプテンとは、企業社会のコトバをつかえば、現場リーダーのことです。プレイイング・マネージャーといってもいいですね。現役の選手であり、かつ選手のとりまとめ役でもあるキャプテン。

日本代表チームの監督であった佐々木監督による著書『なでしこ力(ぢから)-さあ、一緒に世界一になろう!-』(佐々木則夫、講談社、2011)は、ワールドカップ優秀前に出版されたものでしたが、佐々木監督を女性の多い職場を統括するジェネラル・マネージャー(GM)にたとえれば、澤選手は女性だけの職場の現場マネージャーです。そういう観点からこの二冊を読んでみるのも面白いですね。

タイトルのなかに数字を入れるのはビジネス書の定石ですし、本書にあげられた「32のリーダーの習慣」の32に特別な意味があるわけでもないでしょう。また文言だけ取り出したら平凡な響きしかもたないかもしれません。

しかし、それらのコトバが澤選手のこれまでの苦労や活躍のエピソードをまじえて語られるとき、がぜん輝き出すから不思議ですね。さすがに何かをやり遂げて結果を出すリーダーの発言は違うな、と。

ややビジネスよりの読みに終始してしまいましたが、もちろん、この本は人間・澤穂希の手記として読むのがまっとうな読み方でしょう。読者も澤選手にならって「有言実行!」といきたいものですね。






<初出情報>

■bk1書評「現場リーダーのためのプレイイング・マネージャー論として」投稿掲載(2012年1月25日)
■amazon書評「現場リーダーのためのプレイイング・マネージャー論として」投稿掲載(2012年1月26日)

*再録にあたって、字句の一部を修正しました。

目 次

第1章 夢を実現するための10の習慣
第2章 理想のリーダーになるための6つの習慣
第3章 仲間との絆を深めるための7つの習慣
第4章 自分らしくあるための9つの習慣

著者プロフィール    

澤穂希(さわ・ほまれ)
1978年、東京都府中市生まれ。INAC神戸レオネッサ所属。女子サッカー日本代表(なでしこジャパン)のキャプテン。12歳で女子のトップチーム、読売ベレーザ(当時)でデビュー。日本代表としてAマッチ出場数、ゴール数で歴代1位。2011年女子ワールドカップ・ドイツ大会では優勝に貢献、得点王とMVPを獲得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。




<ブログ内関連記事>

書評 『なでしこ力(ぢから)-さあ、一緒に世界一になろう!-』(佐々木則夫、講談社、2011)
・・女子サッカー日本代表チームの監督・佐々木則夫氏が、ワールドカップ優勝前に書いた本。「上から目線」でも「下から目線」でもない、「横から目線」の重要さについて説いている

「NHKスペシャル「なでしこ​ジャパン 世界一への道」 (2011年7月25日) を見ながら考えたこと

女子サッカー・ワールドカップで 「なでしこジャパン」 がついに世界一に!(2011年7月18日)

「サッカー日本代表チーム」を「プロジェクト・チーム」として考えてみる






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2012年1月26日木曜日

由紀さおり世界デビューをどう捉えるか?-「偶然」を活かしきった「意図せざる海外進出」の事例として


昨夜(2012年1月25日)10:55から放送されたNHKの番組 SONGS では、由紀さおり が取り上げられていました。題して 「由紀さおり in ニューヨーク」

なぜか昨年末に世界で大ブレイクした由紀さおり。その情報はすでに日本のマスコミでも取り上げられていますね。ひさびさに明るい、ほんとうに驚きのニュースです。

米国西海岸のポートランドのジャズオーケストラ「ピンク・マルティーニ」と共演したアルバム「1969 Pink Martini & Saori Yuki」が米国だけではなくインターネットをつうじて注目され、ロンドンやアメリカでの共演が実現したということです。しかも、日本語で全盛時代の昭和歌謡曲を歌っています。

ある日、突然全世界で注目されるようになったシンデレラ・ストーリーのようなものですが、デビュー43年で現在63歳の歌手にとっては、あらたなスタートラインに立ったということになるのかもしれません。

「ピンク・マルティーニ」と共演するキッカケがまた面白いですね。

「ピンク・マルティーニ」のリーダーが、たまたま米国の中古レコード店で、由紀さおりが人気歌手の座をつかむことになったアルバム「夜明けのスキャット」を手にとったのがキッカケだったそうですね。音楽からではなく、レコード・ジャケットの写真に惹かれてというのもまた面白い。たしかに20歳当時の由紀さおりは若くて美しいですね。その後、レコードを聴いてみて、その歌声に魅了されたのが始まりだとか。

アルバム発売以来43年にして起こったセレンディピティというべきでしょう。しかも、デジタルではなく超アナログなお話です。

アルバム売り上げ210万枚というヒットだったこともあるのでしょうが、カタチにしておけば、いつかどこかで誰かが手にすることがあるかもしれないということですね。確率的には極小の世界ですが。


今回の由紀さおり世界デビューは、「意図せざる海外進出」ということになりますね。

この点にかんしては、浮世絵やアニメやマンガに近いものがありますが、由紀さおりがそういったケースとは違うのは、本人の意志的な行動も大きくかかわっていることです。

昨夜のNHK番組によれば、中古レコードを購入して持ち帰った「ピンク・マルティーニ」リーダーが、曲をきいてたいへん気に入り、そのなかの一曲をカバーして自分たちのアルバムで発表、それをインターネットで発見した由紀さおり側のスタッフが「ピンク・マルティーニ」に連絡をとり、由紀さおりと意気投合した結果、アルバム「1969」をコラボレーションし、コンサートでの共演が実現したのだとか。

中古レコード店の在庫のなかから、偶然手に取ったアルバムからうまれたセレンディピティ。これまで発売され、中古市場に流通しているレコードの総数がどれくらいの規模になるのかはわかりませんが、ほんとうに極小の偶然としか言えません。

それも、「ピンク・マルティーニ」というジャズ・オーケストラが、1950年代から60年代の曲を現代に復活させることをミッションにしていること、由紀さおりが1960年代末から活動をはじめた歌手であることが重なったからです。

しかもコラボレーションが実現したのは、由紀さおり自身が長年、日本語の美しさを一人でも多くの人たちに実感してほしいというミッションがあったからでもありますね。

その対象が日本人から、世界に拡がったということは、ある意味では彼女自身のミッション遂行にあたては、渡りに船であったという言い方も間違いではないのかもしれません。

日本語の曲が日本以外でもブレイクしたケースでは、坂本九の「Sukiyaki」(=「上を向いて歩こう」)が有名ですが、これは積極的なプロモーション戦略のもとに行われた結果もたらされたものでした。全米ヒットチャート化のキッカケになったのは日系米人たちのあいだで人気になったことがあったようです。

由紀さおりの場合はまったく正反対です。そもそも、TVのインタビューなどで語っているのを聞く限り、本人は海外進出などとはまったく念頭にもなかったこと。

この事例から導き出せるのは、偶然を活かしきることの重要性です。

偶然を見つけ出すのはあくまでも人、その偶然を偶然に終わらせないのもまた人。結局は、人間が介在することによって、きわめて極小なチャンスが大きな結果をもたらしうるということを示しているわけです。

しかも、英語圏にあわせて英語で歌うわけでもない。過剰なローカリゼーションは行っていないということです。

考えてみたらオペラでも洋楽でも、日本公演の際に、すべてを日本語で歌うなんて考えられませんよね。由紀さおりは、そのまま日本語で歌っているわけですから、日本の歌謡曲(kayokyoku)という音楽ジャンルを世界の音楽市場に創り出したことになるのかもしれません。

由紀さおりは、歌謡番組がなくなってTVでみることもなくなりましたが、かつての歌謡曲全盛時代に小学生時代を送っていたわたしはTVでよく目にしたものです。

ところで、わたしが実際の由紀さおりをでナマを見たのは、日本国内ではなくベトナムの首都ハノイです。ジャパン・フェスティバルの企画で姉妹で招待されていたコンサートを見る機会がありました。実姉と一緒に行っていた童謡を聴かせる活動の一環でした。

わたしがこういう内容の記事を書くのもまた、偶然の積み重ねの結果です。

海外進出にあたっては、AKB48を大ヒットさせたプロデューサー秋本康によるインドネシア版の姉妹グループ JKT48(=ジャカルタの頭文字JKT)が始まっていますが、力こぶを入れた戦略的な進出だけでなく、偶然を活かした由紀さおりのようなケースもあります。

いっけん真逆のケースに見えますが、共通しているのは海外市場での市場創造現地の潜在需要をいかに掘り起こす仕掛けをつくりことができるか、その見極めが大事だということでしょう。

JKT48のケースでも、インドネシア側からの熱心な働きかけがあったので、台湾でもタイでもなく、インドネシアが先行したと聞いています。

呼びかけに対して答えるかどうか、そしてどう答えるかが、その後を決める分かれ道になるのでしょう。呼びかけに対する応答、そしてキャッチボール。これが対話の本質でもありますね。

ビジネスにおいても同じです。いかに市場から聞こえてくる声をキャッチするか、その呼びかけにどう応答するかが大事なのです。

JKT48は日本語で歌っています。どこまでインドネシア市場でのローカリゼーションを行うのか注目していきたいところです。由紀さおりは、あくまでも日本語にこだわっています。

ローカリゼーションの程度はどこまで行うべきか、これもケースバイケースなので、市場との密接な対話が不可欠だということでしょう。個別の事例に則してじっくり研究するしかありません。







<関連サイト>

Pink Martini 公式サイト

由紀さおりオフィシャルブログ「はじめの一歩 ー日々生ききる

「世界を魅了する日本の歌謡曲~由紀さおり ヒットの秘密~」(NHKクローズアップ現代 2012年2月22日放送 ビデオ映像あり)

Pink Martini & Saori Yuki - ブルー・ライト・ヨコハマ(Youtube)
・・いしだあゆみ とはだいぶテイストが違うジャズスタイルです

JKT48 Meet & Greet di fX(Youtube)
・・インドネシアで日本語で歌うJKT48


<ブログ内関連記事>

書評 『対話の哲学-ドイツ・ユダヤ思想の隠れた系譜-』(村岡晋一、講談社選書メチエ、2008)
・・「呼びかけ」と「応答」によって成り立つ関係、「話す」よりも「聞く」ことの重要性。「対話」の本質について考えるために

「レッドブル」-タイが本家本元の 「ローカル製品」 が 「グローバル製品」 として生まれ変わった!

書評 『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか-世界で売れる商品の異文化対応力-』(安西洋之、中林鉄太郎、日経BP社、2011)-日本製品とサービスを海外市場で売るために必要な考え方とは?
・・「ローカル商品のグローバル化」において、「レッドブル」の事例とは異なる、進出先市場でのローカリゼーションについて書かれた好著

書評 『プーチンと柔道の心』(V・プーチン/ V・シェスタコフ/A・レヴィツキー、山下泰裕/小林和男=編、朝日新聞出版、2009)






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2012年1月25日水曜日

Captain of industry (キャプテン・オブ・インダストリー)、どんな業界であってもそうありたいもの!


わたしの母校である一橋大学は、もともと戦前には東京商科大学と称していましたが、そのミッションをむかしから "Captain of industry" というフレーズで表現してきました。

「国際的に通用する産業界のリーダーたり得る人材の育成」。これが創設以来、一橋大学がミッションとしてきたものです。

 "Captain of industry" は、19世紀英国の思想家トマス・カーライルがはじめて使ったらしいのですが、ひらたくいえば「産業界のキャプテン」ということになるでしょうか。

「産業革命」(Industrial Revolution)を生んだ英国らしい表現ですね。だとすれば、このキャプテンとは近代スポーツを生んだ英国らしく、スポーツチームのキャプテン(主将)か、あるいは世界最大の海洋国家であった大英帝国を象徴する船長のことだったのかもしれません。

いずれにせよ、産業界のトップリーダーのことを指した表現です。トップリーダーには当然のことながら、その立場にともなう責任や使命がある、という思いが "Captain of industry"という表現にこめられています。

この "Captain of industry" の対語が "Robber Baron" です。

 "Robber Baron" は、日本語でいえば「泥棒男爵」。寡占や、不公正な商習慣の追求によって莫大な私財を蓄えた実業家と銀行家を指した、19世紀米国の表現です。たとえば、 J.P.モルガン、アンドリュー・カーネギー、ジョン・D・ロックフェラーなどがそう呼ばれていました。

これらの人たちは、現在ではフィランソロピー(=慈善行為)をつうじて幅広く社会に貢献していますが、 富を蓄積している段階では、はげしく攻撃されていたわけです。

"Captain of industry" も、"Robber Baron" も、現在でもときどき使われる表現です。この二つの表現はなにがどう違うのか、よく理解しておきたいものです。

金儲けじたいは善でも悪でもありません。事業活動が、雇用創造や納税をつうじて社会に貢献していることは、"経営の神様" 松下幸之助翁もつよく強調していたことです。

しかし、それだけでは足りないものがないか? 何が足りないのか? これについて考えることも必要でしょう。松下幸之助翁も、もちろんそのことを考え続けていたわけですね。

要は、金儲けを最終目的とせず、カネはただしく社会に還元したいものです。

どんな産業や業界であれ、たとえ地域レベルの話であっても、そのトップを目指すのであれば、目指すべき方向が「産業界のキャプテン」か「泥棒男爵」のどちらであるか、言うまでもありませんね!



<関連サイト>

Captains of Industry ~知と業(わざ)のフロンティア~(一橋大学公式サイト)


<ブログ内関連記事>

「経営理念以外、聖域なし」-松下電器(当時)の「中村改革」

松下幸之助の 「理念経営」 の原点- 「使命」を知った日のこと

「自然エネルギー財団」設立に際して示した、ソフトバンク孫正義氏の 「使命」、「ビジョン」、「バリュー」・・・





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2012年1月23日月曜日

「レッドブル」-タイが本家本元の 「ローカル製品」 が 「グローバル製品」 として生まれ変わった!




「レッドブル」という清涼飲料水がありますがご存じでしょうか?

ブルーとホワイトのコントラストの下地のうえにレッドブル(赤い牛)がにらみ合っているデザインの缶で有名な、都会的で洗練されたお洒落なエナジー・ドリンクですね。

日本に登場したのは、いまから5年くらい前だったでしょうか。

一本あたり 300円近くとけっして安くない価格設定。これはデザインとイメージ戦略が功を奏したモノと言っても過言ではありません。

ところが、この「レッドブル」、あまり知られていないのですが、じつはタイが本家本元オリジナルのローカル商品なのです。

タイ語では「クラティン・デーン」。意味は「赤い牛」。レッドブルそのものですね。

冒頭に掲載した写真はゴールドの缶ですがこれはあまり目にすることはありません。タイでは、ふつうは日本のリポビタンDと同様に、瓶入りのスタミナドリンクとして販売されています。





コンビニでは一本10バーツ(= 25円~30円)と日本の販売価格の約1/10と安い。低所得層向けの商品ですが、類似のスタミナドリンクはみなほぼ同じ価格帯になっています。

しかも、タイ人の嗜好にあった、やや甘ったるい味。日本メーカーのペットボトルのお茶も甘ったるくしてしまうのがタイですから、当然といえば当然です。

これをタイの「ローカル製品から、「グローバル製品」として脱皮させたのはタイ人ではなく、なんとオーストリア人の企業家でした。豪州のオーストラリアではありません、欧州のオーストリアです。

日本で缶入りの「レッドブル」を飲んだことのある人なら、タイで「レッドブル」を飲むと、日本で売っている缶入りのレッドブルは、すでに別物になっていることに気がつくはずです。成分を改良し、味も洗練された普遍的(=ユニバーサル)なものに改造されているからです。

これは「ローカル製品のグローバル化」と言えるでしょう。

分野は違いますが、武道としての日本の「柔道」とグローバル化した 「Judo」 との違いに似ているかも知れません。

レッドブルは、「ローカル商品」が「世界商品」として劇的に生まれ変わった事例として記憶しておくとよろしいかと思います。その背景には、仕掛け人がいたのだ、と。

タイにいかれた際は、ぜひ「クラティン・デーン」(=レッドブル)を飲んでみて下さい。何がどう違うかは、自分の五感をフルにつかって検証してみることをおすすめします。

ただし、タイの「クラティン・デーン」(=レッドブル)は飲み過ぎるとカラダによくないと言われています。飲み過ぎにはご注意!



(Made in Austria メイド・イン・オーストリア)


<関連サイト>

レッドブル・ジャパン 公式サイト

wikipedia の項目「レッドブル」には、「世界商品」としての開発事情についての解説がある


<ブログ内関連記事>

書評 『レッドブルはなぜ世界で52億本も売れるのか-爆発的な成長を遂げた驚異の逆張り戦略-』(ヴォルフガング・ヒュアヴェーガー、長谷川圭訳、日経BP社、2013)-タイの 「ローカル製品」 を 「グローバルブランド」に育て上げたストーリー
・・タイのスタミナドリンク「クラティーンデーン」をエナジードリンク「レッドブル」としてグローバルブランドに変身させたのはオーストリア企業

書評 『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか-世界で売れる商品の異文化対応力-』(安西洋之、中林鉄太郎、日経BP社、2011)-日本製品とサービスを海外市場で売るために必要な考え方とは?
・・「ローカル商品のグローバル化」において、「レッドブル」の事例とは異なる、進出先市場でのローカリゼーションについて書かれた好著

タイのあれこれ (26) タイ好きなら絶対に必携のサブカル写真集  Very Thai
・・タイ人が好きなスタミナドリンクという飲料カテゴリーについても一章とりあげられている。ちなみに、朝鮮人参のふるさとである韓国でもスタミナドリンク人気は高い。

書評 『プーチンと柔道の心』(V・プーチン/ V・シェスタコフ/A・レヴィツキー、山下泰裕/小林和男=編、朝日新聞出版、2009)

(2014年6月3日 情報追加)





(2012年7月3日発売の拙著です)








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2012年1月19日木曜日

「メガ都市バンコク」では日本のスマホはまったく目にすることもない-これが「ガラパゴス化」の現状だ!



バンコクの書店でもベストセラーになっているのはジョブズの伝記本。写真はバンコク中心部の商業アリアラッチャプラソンにある ISETAN(=伊勢丹)内の紀伊國屋書店の店頭です。先週撮影したものです。

しかも、日本のように二冊にわけての発行ではなく、一冊本としてタイ語訳されています。アメリカのオリジナルそのもののカタチです。しかも、左からの見開きも同じ。

この本がベストセラーになるということは、スマートフォン普及率も高いということを意味しています。

メガ都市バンコクでは、以前から現地のビジネスパーソンのあいだでは Blackberry(ブラックベリー)が使用されていましたが、現在では一般人のあいだでもスマホ利用が当たり前となっているのです。

バンコクには、ごった煮の市場(いちば)を高層ビルのなかにぶち込んだような MBK(=マーブンクロン)というショッピングモールがあります。



携帯電話のフロアに出店している業者が多数ありますが、ほとんどが 米国アップルの iPhone か 韓国サムスンの Galaxy とスマホ一色日本の携帯メーカーなど影も形もありません。わたしが住んでいた3年前には優勢だった Nokia ですら影が薄い

このように、海外にでると「ガラパゴス」の意味が実感できます。日本仕様が異様にまで発達したものづくりのことを、孤島で独自な進化をとげたガラパゴス諸島の比喩をつかって表現したものですが、中級品以上であっても量をとれなかったら、世界市場での勝ち目はないということを如実に示しているといえるでしょう。

アジアの「メガ都市」の一つであるバンコクですらこういう状況なのです。「中進国タイ」 は 「先進国日本」より遅れていると思い込んでいては大間違いです。「メガ都市バンコク」は、上海やシンガポールと同列に考えなくてはいけません。

もちろん、「ガラパゴス」自体が悪いわけではないのですが、海外市場で日本ブランドを見なくなりつつあるのは淋しい限りですね。

もちろん、アップルでもサムスンでも使用されている部品のかなりは日本製ですが、消費財は直接に現地の消費者の目にふれるものだけに、いっそう残念な気持ちを抱くのは正直なところです。アップルもサムスンも、ともにデザインとブランドにチカラを入れています。

ガラパゴスとはこういうものだと知るだけでも、シンガポールやバンコクに出かけた際には、ショッピングモールのなかを歩いて見ることをおすすめします。


<ブログ内関連記事>

書評 『消費するアジア-新興国市場の可能性と不安-』(大泉啓一郎、中公新書、2011)-「新興国」を消費市場としてみる際には、国全体ではなく「メガ都市」と「メガリージョン」単位で見よ!
・・「新興国」の「メガ都市」とそれ以外の地方都市や農村地帯はわけて考えないといけない

『ガラパゴス化する日本』(吉川尚宏、講談社現代新書、2010)を俎上に乗せて、「ガラパゴス化」の是非について考えてみる
・・ガラパゴス現象じたいが悪いのではないが、世界市場で勝ち抜けないと日本の大企業は生き残れないだろうというのが著者の意見。ただし、大企業以外では、日本に特化して生きぬく道もあることは言うまでもない。






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2012年1月18日水曜日

アジア進出に際しては「失敗事例」を押さえたうえで「成功方法」を考えよう-『なぜ中小企業の中国・アジア進出はうまくいかないのか?』 と 『アジアで成功する企業家の知恵』を読む


これから「アジア」に企業進出を考えている中堅中小企業の社長やナンバー2は、まずは2011年に出版された本を2冊紹介します。

『なぜ中小企業の中国・アジア進出はうまくいかないのか?-「後悔しない」成功マニュアル-』(日経トップリーダー編、日経BP社、2011)

『アジアで成功する企業家の知恵』(増田辰弘/馬場 隆、めこん、2011)

出版されたのは『アジアで成功する企業家の知恵』のほうですが、読む順番は変えて『なぜ中小企業の中国・アジア進出はうまくいかないのか?』から読んだほうがいいいでしょう。

なぜなら成功談だけを読んでも、そのまま自分の会社にあてはめることが難しいからです。

『アジアで成功する企業家の知恵』は、一般的な成功法則というよりも、なんとかアジアで勝ち残っている中小企業を事例として取り上げています。

国内であれ、国外であれ、あたらしい事業というものはベンチャーである以上、絶対に成功する保証はどこにもありません。

しかも、国内で成功した経験をもっていると、逆に「成功の罠」にはまって、日本での成功法則が通用しない海外で手痛い失敗をしてしまう可能性がなくもありません。

なぜ失敗したのか、失敗をどう乗り越えて現在の成功に結びつけたのかを知る方が、じつは「急がば回れ」で実り多いこともあります。

成功した事例より、失敗した事例のほうがじつは多いのですが、オモテにでてこないだけなのです。もちろん、本として取り上げられるのは、過去に失敗はしたが、現在は成功しているという事例が中心になります。そうでなければ、喜んで失敗談を語ることはないでしょうから。

 『なぜ中小企業の中国・アジア進出はうまくいかないのか?-「後悔しない」成功マニュアル-』(日経トップリーダー編、日経BP社、2011)の目次を紹介しておきましょう。

中国と東南アジアのベトナム、タイ、インドネシアを取り上げています。

中国       

迷っているなら、まず動き出す 
進出はここから始める
絶対に手を抜けない 
成功に導く「人」「モノ」「金」
進出のメリットを最大限に発揮 
社長力で事業を加速する
現地で誰もが悩まされる 
トラブルはこうして克服
100人アンケート調査 
中国の中小企業社長の本音

アジア            
         
「チャイナ・プラス・ワン」筆頭の実力は本物か?
ベトナムでの勝ち方
企業集積は「名古屋並み」で町工場、非製造業に商機 
タイからアジアを攻略
人口世界4位、2億3800万人の需要が立ち上がる 
インドネシア進出のコツ

わたしがつよい印象を受けたのは、社長の「対話力」がカギだという指摘がされている点です。「あ・うん」の呼吸がいっさい通用しないのが海外。これは中国だけでなく、東南アジアでも同じことです。キチンと相手の言うことに耳を傾けて、しかも言うべきことは言うという姿勢が求められます。

とはいえ、同じ人間どうし、共感するチカラがものを言うのは日本でも海外でも同じです。ここで働くのは、人間力そのものでしょう。

しかし、気が抜けないのもまた海外海外進出とはホームでの戦いではなく、あくまでもアウェーでの戦いなのです。プレッシャーに耐え抜く精神力も重要です。

語学については、実践的なアドバイスがコラムのなかで紹介されています。「NHK中国語講座の4月と5月」だけで十分だ」、と。要は、信頼できる現地パートナーを見つけることが大事。なんといってもアウェーなのですから、日本の常識は通用しません。


『アジアで成功する企業家の知恵』(増田辰弘/馬場 隆、めこん、2011)は、長年アジアで活躍する企業家を取材してきたジャーナリストの取材記録を編集したもの。

ヒト・モノ・カネの経営資源では大企業の劣る中小企業が、海外で成功するには、具体的にどんなアタマの使い方をしているかの実例が多数紹介されています。

目次を紹介しておきましょう。

第1部 ビジネスマンのためのアジア情報
             大づかみに知るアジアの変化
アジア・ビジネスで失敗しないために
変化を続ける中国-驚きの12連発
タイで実感する最新アジア-驚きの8連発


第2部 企業実践編-アジアで成功する企業人の知恵

既存のビジネスインフラの活用
日本で一番少額でのアジア進出を追求
ワンストップサービスで日本企業の進出を支援
海外人脈のつくり方、生かし方
日本式サービスを直移転
食品産業の成功のカギは機密保持
21世紀型のアジア企業を追求
リスク情報を顧客に定期便で届けて共存共栄

第3部 特別編-将来を見据えて   

日本企業を超える複合的経営
系列のしがらみを越えアジアへ展開
アジアのその次を目指しインドに進出

この本には成功例しか書いてありませんが、「第2部 企業実践編-アジアで成功する企業人の知恵」には、いずれも一筋縄ではいかない成功への軌跡が書かれています。貴重なアドバイスも含まれています。

要は、人まねではなく、自分のアタマで考えつくすということの重要性が強調されています。独自の取り組みでなら、ヒト・モノ・カネに不足するものがあっても道は開ける、と。


面白いのは、「第3部 特別編-将来を見据えて 日本企業を超える複合的経営」で紹介されているタイの会社です。「技術は日本並み、経営はグローバルスタンダード」というコンセプトは、ある意味ではアジアで成功するカギを一言で言い切っているかもしれません。

なんども繰り返しますが、社長が自社の事業に精通している当然だとしても、海外においてその成功法則がそのまま通用するわけではないことです。みな、いずれも手探りで切り開いていったことがわかります。


とはいえ、日本にはすでにないチャンスが転がっているのが、海外、とくにアジアです。ぜひ、アジアで成功をつかんでいただきたいものだと祈念してやみません。










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2012年1月16日月曜日

「アジアの注目企業30」-どれだけ知ってますか?


The Daily NNA 別冊 「カンパサール-アジアの市場を追う-」 第6号(2012年1月発行)で 「アジアの注目企業30」が特集されています。

NNA(エヌエヌエー)はアジア各地で有料の日本語情報を毎日発信しているメディアのことです。アジアでビジネスされている方なら、知らない人はいないでしょう。じつはわたしも紙面に登場したことがあります。

「家電、食品、衣料、化粧品などの消費財分野での注目企業30社」が取り上げられています。売上高だけでなきく、注目度の点から取り上げたとのことですが、みなさんは、どれだけ知ってますでしょうか?

「アジアの注目企業30」をあげておきましょう。


家電・携帯

01. ハイアール(Haier):中国 
02. HTC:台湾
03. ハイセンス(海信):中国
04. 格力(Gree):中国
05. ビデオコン(Videocon):インド 

●食品・飲料

06. インドフード・スクセス・マクムール:インドネシア
07. 康師傳(Master Kang):中国
08. 娃哈哈(ワハハ):中国
09. CP:タイ
10.  統一企業(ユニプレジデント):台湾
11. CJ 第一精糖:韓国
12. サンミゲル・コーポレーション:フィリピン
13. フレーザー&ニーブ・ホールディングス:シンガポール
14. タタ・グローバル・ビバレッジズ:インド

ファッション

15. 波司登国際控股(Bosideng):中国
16. BIN House:インドネシア
17. E-Land:韓国
18. I.T.:香港

航空

19. 海南航空:中国
20. シンガポール航空:シンガポール
21. キャセイ・パシフィック:香港
22. タイ国際航空:タイ
23. ガルーダ・インドネシア航空:インドネシア
24. 中国東方航空:中国
25. マレーシア航空:マレーシア

化粧品

26. アモーレ・パシフィック(Amore Pacific):韓国
27. ハウパー(=タイガーバーム):シンガポール
28. エイブル C&C:韓国
29.  ザ・フェースショップ:韓国

医薬

30. 北京同仁堂:中国


ハイアールは日本でも知名度が高くなっていますので、知っている人も多いでしょう。

航空分野は マレーシアのエア・アジアに代表される LCC(=Low Cost Carrier:格安航空会社)に対抗する戦略や、LCCを取り込んだ戦略を展開する既存の航空会社なので、一度は耳にしているはずでしょう。

タイガーバームは知っていっても、ハウパーだとわからないかもしれませんね。

それ以外のブランドや企業名は日本では耳にすることはあまりないでしょう。しかし、アジア各地ではよく目にするブランドであり、企業名です。

業界関係者は当然のこと、そうでなくても目につきやすい消費財のブランドと企業名。詳しくは、「カンパサール」 第6号で 「アジアの注目企業30」の記事をご覧になってください。購読方法などは、The Daily NNA 別冊 「カンパサール-アジアの市場を追う-」 を参照してください。

アジアに注目企業にはかならず日本企業のブランドが入っていてほしいものですね。



<関連サイト>

The Daily NNA 別冊 「カンパサール-アジアの市場を追う-」 (NNAのサイト)

「ばね1つ、開発の一助に-海外初拠点立ち上げ、計画し実現- (この人と60分)」(『Daily NNA』、2008年5月28日 アジア全域で配信) (前職の際のインタビュー記事)






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2012年1月6日金曜日

NHKの連続テレビ小説 『カーネーション』が面白い-商売のなんたるかを終えてくれる番組だ


NHKの朝の連ドラ 『カーネーション』(放送は、2011年10月6日から半年間)が面白いですね。商売のなんたるかを終えてくれる番組になっています。

たまたま昼休みの時間帯に再放送を見たのですが、これがじつに面白かったので、それ以来、毎日見るようにしてています。

主人公は「だんじり」で有名な大阪岸和田の呉服屋の娘。呉服屋の娘が、和装の時代に洋服つくりで身をたて、三人の娘を立派に育て上げるという物語です。

NHKの朝ドラの王道として、戦前から戦後にかけての「昭和時代」を生きぬいた庶民の哀感を描いたものですね。

意外と知らずに毎日見ている人が少なくないようなのですが、じつは世界的なファッション・デザイナ-になったコシノ三姉妹の母がモデルなのです。

ドラマでは「オハラ洋装店」となっていますが、ほんとうは「コシノ洋服店」です。原作は 『コシノ洋装店ものがたり』(小篠綾子、講談社+α文庫、2011 単行本初版タイトルは「やんちゃくれ」 2001)

新年2012年になってからの放送は、敗戦によって一時は虚脱状態になった日本人もなんとか生きぬかなくてはならないと、気張ってますね。戦争未亡人となった主人公ですが、その生き様はほんとうにたくましい。

戦前はハイカラだった日本も、戦時中は 「贅沢は敵だ」や「パーマネントはやめましょう」というスローガンが横行しており、洋服屋にとっては受難の時代だったこともあるのでしょう。それが終わったという開放感が背景にはあるようですね。


商売人が生きた「昭和時代」を経済の観点から見ると得るものが多い

ところでビジネスパーソンとして注目したいのは、敗戦後の経済状況が商売にどういう影響を与えたかという点です。

日本は敗戦によって戦時国債は紙くずとなってしまいました。戦費調達のために国民に買わせた戦時国債が、ハイパーインフレのために価値を失い、紙くずと化してしまいました。

日本の財政はクラッシュしたのです。現在のギリシアと同じく、日本も近代になってから一度は財線破綻しているのです。

1946年(昭和21年)に実施された「新円切り替え」や「預金封鎖」といった経済史上の出来事が、具体的な庶民の生活だけでなく、とくに主人公の商売に与えた影響はしっかりと見ておきたいところですね。キチンと描いてくれることを期待しています。

現在の日本もまた、敗戦時と同様、財政がクラッシュする可能性があるからです。一度あることは二度あるかもしれないからです。

財政がクラッシュしたあと、日本人はどう生きぬいたか、これは歴史的事実としてアタマのなかに刻み込んでおきたいものです。シナリオ思考のためには、まずは歴史的事実をよく知っておかねばなりません。

すでに65年前のことなので、体験者から直接に話を聞く機会も少ないでしょうし、また話を聞いてもピンとこないかも知れません。ですから、ドラマで追体験してほしいと思うのです。

もちろん、ドラマはドラマとして、単純に楽しんで見たいものであることは言うまでもありません。

ちなみに、主演の尾野真千子は奈良県五條市出身なので、関西弁がナチュラルなのもいいですね。








<関連サイト>

連続テレビ小説 『カーネーション』 あらすじ (NHK)

NHKドラマがミャンマーで放送へ-連続テレビ小説「カーネーション」と大河ドラマ「篤姫」 民政移管後初めて- (平成25年6月6日付)
・・いまさら『おしん』ではないだろうという感想だけでなく、『カーネーション』は和装という民族衣装があたりまえだった時代に、洋装普及に人生をかけた女性の物語だけに、おなじ状況にあるミャンマーの人たちにも大いにアピールするのではないだろうか。『カーネーション』は2014年3月3日からミャンマーで放送が始まったようだ。(2014年3月5日 記す)。


<ブログ内関連記事>

書評 『国債・非常事態宣言-「3年以内の暴落」へのカウントダウン-』(松田千恵子、朝日新書、2011)-最悪の事態はアタマのなかでシミュレーションしておく

書評 『国債クラッシュ-震災ショックで迫り来る財政破綻-』(須田慎一郎、新潮社、2011)-最悪の事態をシナリオとしてシミュレーションするために





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2012年1月4日水曜日

謹賀新年 2012年もよろしくお願いします!


各位


謹賀新年 明けましておめでとうございます。

きょうから仕事始めの方も多いのではないかと思います。


昨年はじつに多事多難な一年でした。

今年もまた、さまざまな「想定外」のことも多く発生するのではないかと思いますが、「想定外」という日本語はマネジメントにおいては禁句にしていきたいものですね。

もつべきは「健全な危機感」

「外部環境」の激変に備え、組織内の「内部環境」においては問題の根はあらかじめ摘んでおく。まさに「備えあれば憂いなし」としたいものです。

あとは「気合い」

「人事を尽くして天命を待つ」の心構えで、「昇龍」の上昇気流に乗りたいものですね。


2012年もよろしくお願いします!



佐藤けんいち

株式会社ケン・マネジメント 代表





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