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2011年12月28日水曜日

多事多難であった 2011年を振り返る


今年も一年間お世話になりました

今年はほんとうに多事多難な一年でした。

ビジネスをとりまく「外部環境」がことのほか激変した年でしたね。

日本では「3-11」の大震災と大津波そして原発事故タイでは大洪水・・・。企業活動のみならず、一般人の多くの命や財産が奪われる被害となりました

しかし、それだけではありません。

直後に発生した「3-11」のためにニュースから一時期消えてしまいましたが、チュニジアではじまってエジプトに飛び火した「アラブの春」

まだまだ収束の見通しがつかない欧州の金融危機とユーロ危機

これで終わりかとおもったら、先週には北朝鮮のキム・ジョンイル総書記の突然死。一気に日本周辺の「地政学リスク」が高まってきました。

いっぽうではフェイスブックなどのソーシャルネットワークが浸透し、ゲームのルールが大規模に変化しつつあるのも感じています。

アップル創業者で会長のスティーブ・ジョブズの死去もまた今年のビッグニュースでした。

卯年のウサギは思っていた以上に跳ねまわりました。大暴れといってもいい状況でした。

来年は辰年ですね。

2012年は世界は政治的にはトップ交代の年で、中国でも米国でも激動の年になるといわれています。さて日本はどうなるのか、日本経済は、ビジネスは・・・??

来年はぜひ 「昇龍の年」 としたいものですね。

よい年を!



株式会社ケン・マネジメント
代表取締役 佐藤けんいち


P.S. ちょうどこの投稿で合計200本目の記事となりました。





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2011年12月26日月曜日

「世襲」という 「事業承継」 はけっして容易ではない-それは「権力」をめぐる「覚悟」と「納得」と「信頼」の問題だ!



「世襲」という事業承継のあり方について

つい先日の20111年12月19日に、北朝鮮のキム・ジョンイル総書記が死去したというニュースが全世界をかけめぐりました。

日本は、とくに朝鮮半島とは有史以来、密接な関係があることもあり、国民の関心もきわめて高いものがあります。

死因は心筋梗塞だと伝えられていますが、それが正確な情報であれば、「独裁者」とはいえ、一国の命運を背負う立場にある以上、そうとうの重圧がかかっていたのではないかと推察されます。

ただ、ひとつ気になるのは、「世襲」批判がまたやかましくなるのではないか、という気がしてならないことです。

しかし、ちょっと待てよ、という気持ちになるのを感じます。

大企業のサラリーマンは「世襲」批判の急先鋒でしょう。大手マスコミもまた大企業ですから、その意味では同じですね。

ところが、大企業以外では、世襲はけっして例外的ではありません

経営というものは、それじたいが一つの専門職ですから、サラリーマンの出世スゴロクのあがりといったものではありません。部分最適の実務家にはできない、全体をみることが経営者には求められます経営者と従業員は、機能という面からみれば似て非なるものだっといっていいでしょう。

話を北朝鮮に戻しましょう。

北朝鮮は社会主義を標榜(ひょうぼう)しているのにかかわらず、一族による世襲が三代目だという批判もよく聞かれます。たしかに初代のキム・イルソン、キム・ジョンイル、キム・ジョンウンと三代にわたって男子直系相続がなされることになるわけです。しかも社会主義の旗はいまだに降ろしていない。

誤解があってはいけないので、あらかじめ申しておきますが、わたしは北朝鮮の体制を肯定しているわけではありません。また、なにかのたとえとして例にだしたわけでもありません。

ただ、国家の運営もまた一つの事業と捉えれば、事業承継という観点からひじょうに興味深いものを感じながら報道を見ているわけです。体制の違いはあれ、国家経営はある意味ではマネジメントそのものですから。

安定的に運営するためのシステムは、男子直系相続であるというのが、儒教の影響の色濃い中国や韓国・朝鮮における伝統ですね。事業経営や、社会の安定装置として「世襲」を選択してきた事実はけっして無視できません。

じっさいには、子どもは男子だけとは限りませんから、女子もまた事業の一翼を担う後継者として想定されているのが現代の傾向です。たとえばタイの華僑華人の世界でも、同族の女性経営者がきわめて多いですね。

ただ日本が、中国や韓国と違うのは、世襲でありながら、かならずしも実子にこだわらないこと。見込みのある若者を養子として取り込み相続させることで「家」システムを維持してきたことは江戸時代以来の伝統です。

日本の場合は、芸事でも「世襲」はむしろ当たり前といえます。


とはいえ、世襲による事業承継はやさしい課題ではない

とはいえ、「世襲」による事業承継は、思われているよりも、じつに難しいものがあります。ここでは企業経営に話を限定しておきましょう。

難しさは大きく分けて二つあります。事業承継する本人にとっての難しさと、それを受け入れる従業員にとっての難しさです。

経営は「覚悟」の問題です。ですから、経営を事業承継する本人にとっては覚悟の問題であり、これはある程度まで幼少期からの帝王教育によってカバーされるといっていいでしょう。あとは後天的な学習のみ。「習うより慣れよ」の世界ですね。

一方、受け入れる従業員の側からみれば、それは「納得」の問題になります。この人のリーダーシップに従って自分は幸せになれるのか、自分の家族を幸せにできるのか。これはリーダーシップというよりも、フォロワーシップの問題です。従うチカラのこと。これは意外と重要な問題です。

なぜなら、経営者と従業員のあいだには「権力」がかかわってくるからです。

事業経営には「権力」がつきまといます。組織は個人の集まりですから、人間集団のなかではかならず「権力」が発生するのです。

ただし、「権力」そのものは善でも悪でもありません。指揮命令の系統がなければ組織運営はできませんので、「権力」を行使する人と「権力」を行使される人が発生します。

「権力は行使するためにある。権力をもつ者は行使する義務がある。ただし、それは正しく行使されなければならない」。これは大学時代以来のわたしの持論ですが、体育会の主将をつとめるなかで実感し、体得したものです。

人の上にたつ人は「権力」を正しく行使することが求められ、それに従う者はそれを受け入れなければ組織は成り立たない。

そしてそのためには、組織内コミュニケーションが良好な状態になければならないのです。その要は相互の「信頼」関係です。経営者なくして従業員なし、従業員なくして経営者なし。お互いがお互いを支え合う関係にあるからですね。

株式上場している大企業では「世襲」は望ましいとはわたしも思いませんが、それ以外の中堅中小企業においては「世襲」は善でも悪でもないのです。

所有と経営の分離は近代経営の要だと経営史では教えていますが、オーナーシップがなければコミットメントの度合いも薄くなりがちなものであることは否定できません。

要は「世襲」であろうがなかろうが、正しく経営すること。カリスマは先代あるいは先々代の一代限りだと自覚しておくこと。

これが、「世襲」によってその地位につく経営者の責務であり、自分の責任範囲で自社にかかわるひとびとを幸せにすることが、大きな貢献となるのです。



<推薦書>

事業経営における「世襲」については下記の書籍を推薦します。


『世襲について-事業・経営篇-』(江坂彰=監修、日本実業出版社、2001)

目 次
序章 いま、なぜ世襲なのか-世襲は“不滅の文化”である
1章 世襲とは何か- "志" の承継で信用を未来へ
2章 世襲の強みとその必然性は-絶えざる変革こそ永続の基なり
3章 老舗企業の原点は-世紀を超えて "橋渡しの理" が
4章 世襲の難しさとは-初心を離れたとき自壊を招く
5章 継後を託す子へ親は何を-賢者は歴史に、愚者は経験に学ぶ
6章 世襲のこれからは-創業哲学の伝承は時代を超えて

著者プロフィール
江坂 彰(えさか・あきら)
経営評論家・作家。1936年、京都市生まれ。京都大学文学部卒業と同時に大手広告代理店に入社。本社マーケティング局長、名古屋支社長、関西支社長等を歴任後、作家活動に入る。






<関連サイト>

カリスマ経営者が語る事業承継の要諦~会社存続を最優先に、人間心理に精通せよ~

ファミリービジネスで気づいた日本の“偏見”-見方を変えると、異なる風景が見えてくる (御立尚資、日経ビジネスオンライン、2014年4月14日)
・・ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の日本代表による記事。日本の大企業サラリーマン諸氏は、世襲が当たり前のファミリービジネス(同族企業)として偏見をもっている人も少なくないようだが、世界的にみればそれは非常識であることが理解できるだろう

シリーズ 星野佳路と考えるファミリービジネス 

「家族経営」が日本を支えている (星野佳路、日経ビジネスオンライン、2014年2月13日)

後継者はどのように「生まれる」のか-日本交通の川鍋一朗社長との対談で考える (星野佳路、日経ビジネスオンライン、2014年2月20日)

社内の「予想以上」の状況を改革 日本交通の川鍋一朗社長との対談で考える(2) (星野佳路、日経ビジネスオンライン、2014年2月27日)
星野: ファミリービジネスを継いでいる若い経営者に聞くと、入ってからおとなしくなる人が意外なくらい多い。親の言うままにやっていては、「いつか変えてやろう」という気持ちもなくなります。後継者は最初からある程度リスクを取っても「変える気概」を持つべきです。そうでなければ、若い世代が入っても、新しいエネルギーになりません。
川鍋: 私のように3代目になると、創業者がつくったビジネスモデルの有効期限が切れているケースがあります。それだけに、ファミリーで培ったことを生かしながら、変革への強い意志を持って付加価値を追加することが必要になってきます。
星野: ファミリーで培ってきた強さに依存しているだけでは、事業を継ぐ立場として、責任を果たせません。大事なのはやはり、「自分の代で何を変えてやろうか」ということだと思います。そうした意識があれば環境をうまく生かせるし、世襲に対して、周りの納得感は高まります。変革マインドは大事だと思います。
同族経営の承継ではハードな世代交代を恐れてはいけない (星野佳路・星野リゾート代表、習慣ダイヤモンドオンライン、2015年12月28日)





<ブログ内関連記事>

書評 『跡取り娘の経営学 (NB online books)』(白河桃子、日経BP社、2008)

書評 『ホッピーで HAPPY ! -ヤンチャ娘が跡取り社長になるまで-』(石渡美奈、文春文庫、2010 単行本初版 2007)

書評 『仕事ができる人の心得』(小山昇、阪急コミュニケーションズ、2001)

書評 『挫折力-一流になれる50の思考・行動術-』(冨山和彦、PHPビジネス新書、2011)

「絶対権力は絶対に腐敗する」-リビアの独裁者カダフィ大佐の末路に思うこと

書評 『叙情と闘争-辻井喬*堤清二回顧録-』(辻井 喬、中央公論新社、2009)-経営者と詩人のあいだにある"職業と感性の同一性障害とでも指摘すべきズレ"

「人間尊重」という理念、そして「士魂商才」-"民族系" 石油会社・出光興産の創業者・出光佐三という日本人

書評 『日本の血脈』(石井妙子、文春文庫、2013)-「血脈」には明治維新以来の日本近代史が凝縮

600年ぶりのローマ法王退位と巨大組織の後継者選びについて-21世紀の「神の代理人」は激務である

書評 『富の王国 ロスチャイルド』(池内 紀、東洋経済新報社、2008)-エッセイストでドイツ文学者による『物語 ロスチャイルド家の歴史』

(2014年2月13日 情報追加)







(2012年7月3日発売の拙著です)










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2011年12月22日木曜日

「ハラール・ビジネス・セミナー(入門編)」が開催されます(2012年1月11日 無料)


「ハラール・ビジネス・セミナー(入門編)」が、2012年1月11日に日本アセアンセンターで開催されます。入場無料です!

「ハラール」とはアラビア語でイスラーム法コンプライアンスのことですが、一般にはイスラームで規定される食事にかんするさまざまな規定のことをさしています。

『岩波イスラーム辞典』(岩波書店、2002)の「ハラール」にかんする説明を引用しておきましょう。

イスラーム法的に合法な食品。とくに肉および肉製品についていう。イスラーム法では天然の食物は原則としてハラール(合法)であるが、豚肉、死肉、偶像に捧げられた動物の肉、血などが禁じられている。牛、羊、鶏等についてはアッラーの名において屠り、血抜きをすることがイスラーム法で決められている。・・(中略)・・現代では非イスラーム圏からの食料品輸入の増加によって、しばしば輸入品についての疑義が呈される事態となっている。・・(後略)・・」(小杉泰)

とくに問題になるのは、ブタ肉とアルコールです。ですから、醸造に際してアルコールを使用している醤油は、ハラール的にはアウトです。

東南アジアでいえば、インドネシアやマレーシアといったムスリム国(=イスラーム国)はもちろん、それ以外のシンガポールやタイでもムスリム(=イスラーム教徒)人口が存在する国では、すでに食品業界では「ハラール」は当たり前に流通しています。

その「ハラール」についての入門セミナーです。

以下に、アセアンセンターによる概要を紹介しておきます。

◇◇--------------------------◇◇
「ハラール・ビジネス・セミナー(入門編)」のご案内
◇◇--------------------------◇◇ 
日本アセアンセンターでは、イスラム教徒でありハラール市場の専門家でもあるマレーシア・ハラル・コーポレーション社のアクマル社長を迎えて、ハラール・ビジネス・セミナーを開催いたします。 

このセミナーでは、ハラールとは何か、どのような市場なのか、TPPへの対応を含めハラール市場に向け、いかにジャパン・ブランドを生かして対応していくべきなのか、についてお話いただきます。

製造業だけでなく観光業の方にも、ハラールに初めて触れる方からハラール申請を検討される方まで、皆様にお役に立つものと確信いたします。
皆様のご参加をお待ちしております。

日時:  2012年1月11日(水)14:00-15:30
会場:  日本アセアンセンター内 「アセアンホール」 東京都港区新橋6-17-19 新御成門ビル1階
参加費:  無料
詳細・お申込み: http://www.asean.or.jp/ja/invest/about/eventinfo/2011/2011-21.html から
問い合わせ先: 日本アセアンセンター 投資部 TEL:03-5402-8006

-----------------------------






<関連サイト>

「NPO日本ハラール協会」



<ブログ内関連記事>

日本のスシは 「ハラール」 である!-増大するムスリム(=イスラーム教徒)人口を考慮にいれる時代が来ている

「マレーシア・ハラール・マーケット投資セミナー」(JETRO主催、農水省後援)に参加

タイのあれこれ (18) バンコクのムスリム





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2011年12月21日水曜日

世界のなかで日本が生き残るには、自分のなかにある「日本」を深掘りしてDNAを確認することから始めるべきだ!




日本の国内市場が縮小していくなか、市場を世界に求めて企業活動がグローバル化していくのは不可避の流れですね。

世界のなかで日本が生き残るには、自分のなかにある「日本」を深掘りして、「日本のDNA」 を再確認することから始めるべきでしょう。そう感じるようになった方々も少なくないと思います。

そこで薦めたいのがこの 『「日本デザインの遺伝子展」の記録 DNA of Japanese Design』(ジェトロ、2006) という本です。

ジェトロがタイ政府の依頼で企画し、2006年にバンコクで開催した 「日本デザインの遺伝子展」の日本語カタログです。

タイには、タクシン政権時代にジェトロの協力で、日本の 「一村一品運動」 にヒントを得た 「OTOP」(One Tambon One Product)がつくられて成功しています。

タイが 「自前の製品」 を世界に売っていくためには、タイとタイ人自身が、自分の根っこを知らねばならないという問題意識から、世界的にもすぐれた日本のものづくりの根本に何があるのか知りたいというタクシン首相(当時)自身の強い思いから生まれた企画展です。

日本デザインのコンセプトを15の遺伝子(DNA)に集約して抽出したのは、岡本太郎記念館館長もつとめるプロデューサーの平野暁臣氏。

15の遺伝子とは以下のものです。

① 小さく、薄く、軽くする
② 機能を集める
③ 携帯化、身体化する
④ 時間と空間を拡げる
⑤ 飾りを削ぎ落とす
⑥ コミュニケーションを媒介する
⑦ 自動化、省力化する
⑧ 技能を開放する
⑨ バリエーションを拡げる
⑩ 誰もが使えるようにする
⑪ 自然を映す
⑫ システムに編成する
⑬ 素材を活かす
⑭ 素材を拓く
⑮ 美しく包む

コンセプトだけではピンとこないかもしれませんが、コンセプトごとに整理された具体的な製品をみれば十分に納得できるものだと思います。

わたし自身、企画展そのものを直接見ることはできなかったのは残念ですが、『「日本デザインの遺伝子展」の記録』という本の形になっていますので、これをご覧になっていただくと、必ずや何かのヒントが得られるのではないかと思います。




『「日本デザインの遺伝子展」の記録』(2006年)に先行して、同じくジェトロからは 『JAPAN’S CREATIVE THINKING』(ジェトロ、2001)という英文のビジュアル本も刊行されています。

帯にはこう書いてあります。

日本人のもの作りと仕事の発想
"過去" から "現在" へ
受け継がれていく創造のパワー
速く、小さく、美しく、より便利に、よりシンプルに、そしてより高度に
新しい視点でとらえる日本のイメージ

海外向けに、日本のものづくりのコンセプトを新旧対比させることでビジュアルに示した写真集です。

カバー写真にもあるように、ホンダの ASIMO と茶坊主のからくり人形が一緒に登場していますが、まったく違和感を感じませんよね。本文のなかではこの二つをつなぐものとして、Symbiosis with Machines (機械との共生)というタイトルがつけられています。

写真のキャプションは英文で、ずべて巻末にまとめて掲載されていますが、日本人なら図版をみれば直観的にわかることなので、あえて目をとおす必要もないでしょう。

説明は英語ですが、グラフィックの中身については日本人であればなんとなくは知っているわけですから、それほど理解するのに困難は感じないと思います。


温故知新(おんこちしん)

冒頭にも書きましたが、世界のなかで日本が生き残るには、自分のなかにある日本を深掘りするしか答えはでてこないと思います。いわゆる自分自身のアイデンティティを深く知ること。

温故知新という四字熟語があります。「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る」と読みますが、まさに古き日本をたずねて、深掘りすることで新しいものを知り、作りだし、そして世界にむけて発信することでありますね。

そろそろ、日本についてもっと真剣に捉え直してみることが必要ではないでしょうか。

とはいえ、排他的に日本を主張するのではなく、世界に開かれた日本として自覚することが重要です。

そのためにも、こういった図録で、日本のものづくりの遺伝子(DNA)が何であるかを知ることはきわめて重要な一歩になることだといって過言ではないでしょう。








<ブログ内関連記事>

書評 『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか-世界で売れる商品の異文化対応力-』(安西洋之、中林鉄太郎、日経BP社、2011)-日本製品とサービスを海外市場で売るために必要な考え方とは?
・・異文化に日本製品とサービスを売るためには、何を考えるべきかについて書かれた必読書

書評 『座右の日本』(プラープダー・ユン、吉岡憲彦訳、タイフーン・ブックス・ジャパン、2008)-タイ人がみた日本、さらに米国という比較軸が加わった三点測量的な視点の面白さ

NHK・Eテレ 「スタンフォード白熱教室」(ティナ・シーリグ教授) 第8回放送(最終回)-最終課題のプレゼンテーションと全体のまとめ
・・シリコンバレーのものづくりではデザインが重要!






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2011年12月19日月曜日

書評 『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか-世界で売れる商品の異文化対応力-』(安西洋之、中林鉄太郎、日経BP社、2011)-日本製品とサービスを海外市場で売るために必要な考え方とは?



日本製品とサービスを海外市場で販売する人のため「ものの見方」と「考え方」を身につけるために

本書は、とくにメイド・イン・ジャパンの製品やサービスを海外市場向けに販売する際に考えておくべきことを、デザインという観点から豊富な事例をつうじて、多面的かつ複合的に見るための視点を提供する、中身の濃いビジネス書です。

タイトルの『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか』に端的に表現されているように、日本製品やサービスの海外普及は、その進出先のローカル市場の声に虚心坦懐に従うと、一人歩きを始めるようになることがあります。

これは、浮世絵やカラオケやアニメがとくにプロモーションをしたわけでもないのに海外に拡がっていったプロセスとよく似ていますが、お金を払って好きで購入するのが現地の人たちである以上、当然といえば当然でしょう。

だが、なぜそうなのかを考えることが、このプロセスを意識的に行うためには不可欠ですね。そのためには勘に頼るのではなく、現地の顧客のアタマのなかを論理的にとらえることが大事だと著者は説いています。

第2章の「世界で売れる8つの日本製品」で扱われた事例は、マルちゃんのカップ麺のほか、キッコーマンの醤油、パナソニックの欧州白物家電、洗浄機能のついたTOTOの便器、ソニー・エリクソンの携帯電話といった製品だけでなく、KUMON(公文式)教室、ヴェルサイユ宮殿で開催された村上隆のアート、フランス料理のシェフとサービスにも及んでいます。著者の一人がイタリアのミラノ在住だけあって、欧州市場での事例が多く取り上げられています。

第3章の「現地化のチェックポイント」では、ローカリゼーション(=現地化)のために必要な「ものの見方」について具体的なアドバイスが紹介されています。

現地の人々のアタマのなかにある日常生活で働くロジックを知るには、製品やサービスをめぐる現地市場のコンテクスト(=文脈)を理解し、現地の歴史・地理・言語に対する関心をもち、ディテールにこだわりつつ俯瞰的(=バーズアイ)にも見るなど、異なる視点の使い分けや組み合わせ、二者比較だけでなく三点測量を行うべきなどの「ものの見方」を身につけるべきである、と。

本書は、「日経ビジネスオンライン」に連載された記事に、現地市場における日常生活のロジックを把握するツールである「ローカリゼーションマップ」の解説を記した第4章を書き下ろしで加えたものですが、もともとは、『デザインの異文化対応力』というタイトルを考えていたのだそうです。本書の内容はこのタイトルでほぼすべて表現しつくされているといっていいでしょう。製品でもサービスでも、共通して考慮に入れておかなければならないのは、海外現地市場でローカライズするための異文化理解だからです。

日本の国内市場が縮小していくなか、市場を世界に求めて企業活動がグローバル化していくのは不可避の流れです。

とはいえ、現地の人々のアタマのなかを知るにはどうしたらいいかという課題をもっているのは、商品開発やデザイン関係者だけではありません。

この課題をもつビジネスパーソンにはぜひ薦めたい一冊です。



<初出情報>

■bk1書評「日本製品とサービスを海外市場で販売する人のため「ものの見方」と「考え方」を身につける」投稿掲載(2011年11月30日)
■amazon書評「日本製品とサービスを海外市場で販売する人のため「ものの見方」と「考え方」を身につける」投稿掲載(2011年11月30日)





目 次

INTORODUCTION グローバル時代に欠かせないローカリゼーションの視点

CHAPTER 1 世界のお客さんの「頭の中」
生活パターンが違うとロジックも違う
コンテクストと脚本のミスマッチ
レクサスは「侘びさび」のイメージを出したが・・・・
イケアは「スウェーデン」をトッピングとして使う
ミラノは日本製品の好感ゾーンの南限
共感は「五感」ではなく「論理」によって生まれる

CHAPTER 2 世界で売れる8つの日本製品
① キッコーマンの醤油は「日本食」ではなく「グローバルスタンダード商品」
② 「マルちゃんする」とメキシコで独自解釈されたカップ麺
③ 「腑に落ちなくても従う」-パナソニックの欧州白物家電戦略
④ 外国人も洗ってほしい?-TOTO が目指す世界制覇
⑤ 世界の親を熱狂させる公文式「超国家」学習法
⑥ スマートフォンに現地化は不要?-ソニー・エリクソンの戦略
⑦ ヴェルサイユ宮殿の村上隆
⑧ フランス人になりきろうとしたシェフ松嶋啓介

コラム① イタリア女性の化粧が派手で香水が強いのはなぜ?

CHAPTER 3 現地化のチェックポイント
ユーザー調査に必要な4つの基礎的素養
翻訳は、文化適合してこそ、意味が通じる
国によって「バカにされる表現」は違う
デザインの違いは国の制度にも関係している

コラム② クールジャパンは日本を救えるか?

CHAPTER 4 ローカリゼーションマップを作る

あとがき



著者プロフィール

安西洋之(あんざい・ひろゆき)

1958年横浜生まれ。上智大学文学部仏文科卒業。日本の自動車メーカーに勤務後、イタリアでビジネスプランナーとして独立。現在ミラノ在住。デザインを中心にさまざまな分野のマーケティングや文化論などを活動領域とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。

中林鉄太郎(なかばやし・てつたろう)

1965年東京生まれ。桑沢デザイン研究所卒業後、黒川雅之建築設計事務所に入社し、プロダクトデザインを担当。10年目に退社し、1997年テツタロウデザイン開設。文具、日用雑貨から住宅設備機器などのデザイン、中小企業へのデザインディレクションも行う。日本大学芸術学部デザイン学科非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。




<書評への付記>

本書で著者が説いていることを一言で言ってしまえば、現地の(潜在)顧客の「内在的ロジック」を知らねばならないということになるでしょう。

「内在的ロジック」というとやや難しい表現ですが、ある特定の人たちのものの見方を規定している目に見えないロジックと言い換えていいかもしれません。

同じ人間であっても異なる文化の人間は、とくに異なる言語を使用している以上、異なるものの見方をするのはある意味では当然なのです。

たとえば、日本語では名詞の単数と単数の区別をしませんが、英語をはじめとする西欧語では単数と複数は冠詞を使用して厳密に区分します。日本語でネコといったとき、一匹なのか三匹なのかわかりませんが、英語では a cat と three cats と異なる表現になります。つまり、こういった単純な物事でも見方が異なるのです。

言語、とくに生まれたときに習得する「母語」をとおして見る世界は、そもそも言語によって大きく異なるのであり、これに言語以外の文化が大きく影響して、さらに異なるものの見方がなされるようになっていくのです。

本書でも著者が強調しているように、自然条件や地理、そしてそのうえで生活している人間の歴史といった過去の集積が、いわゆる「内在的ロジック」を作り上げているのです。

もちろん、同じ文化のなかにいても個々人の違いはありますが、言語に代表される文化が支配する領域はきわめて深層まで及んでいるのが普通です。ですから、その言語を日常的に使っているうちに、その文化特有のものの見方が、知らず知らずのうちに形成されるわけです。


「ローカリゼーション」(現地化)について考えるには外国製品の日本市場での定着事例について考えてみるといい

日本水産のインスタント麺「マルちゃん」は、アメリカの出稼ぎにきていたメキシコ人たちによってメキシコに持ち帰られ、メキシコ流にカスタマイズされ、現地市場でローカライズされて広く受容されるにいたっています。メーカーはその動きに追随することで売り上げを大いに伸ばしているというわけですね。

つまり、メキシコ国民自身による主体的な選択の結果、ひろく国民に浸透したのであって、日本企業はその流れに乗って、ローカリゼーションは現地の人たちにまかせたということがポイントなわけです。

これは外国製品が日本市場で成功しているケースですが、外国製品の日本市場での定着事例逆に考えてみれば、日本市場でのローカライセーションがいかなるものか理解できると思います。なぜ、海外市場でローカリゼーションをしなければならないかは、発想を逆転してみれば理解できるはずです。

世界中のものを、なんでもかんでも取り入れているようにみえる日本人も、じつは当の日本人にもよく「見えないロジック」によって無意識のうちに選別作業を行っているのです。

海外にモノやサービスを売るのがアウトバウンド(outbound)であれば、海外製品を輸入して日本国内で売るのはインバウンド(inbound)ということになります。これは旅行業界ではよく使うコトバですね。

インバウンドの例としてはそれこそ無数にありますね。明治以降の日本人は、ひたすら欧米の事物を輸入しては日本化してきましたが、明治以前でも鎖国時代の江戸時代であっても中国の事物をひたすら導入して日本化してきた歴史があります。

これらは日本人自身の主体的な選択による結果ですが、キリスト教の日本布教は、ある意味では異文化マーケティングであり、ハイカルチャーのサービスのローカリゼーションだと言えるかもしれません。『メイド・イン・ジャパンのキリスト教』(マーク・マリンズ、高崎恵訳、トランスビュー、2005)という本がひじょうに面白い内容です。

近年の例としては、ソフトウェアを中心としたIT産業は、まさに外資系企業の製品サービスを日本国内市場向けにローカライズしてきた歴史そのものであるといっても言い過ぎではありません。一例として、『林檎の樹の下で-アップル日本上陸の軌跡-』(斎藤由多加、アスキー出版局、1996、新版 2011)をあげておきましょう。

いずれも、日本に輸出した外国企業と、日本サイドで定着させようと努力奮闘した人たちがいてこそ成功した事例について語っています。

これらとは逆に、アウトバウンドの例としては、本書で取り上げられた事例をより深掘りする本としては、『寺子屋グローバリゼーション-The Kumon Way-』(木下玲子、岩波書店、2006)をあげておきたい思います。これは KUMON(公文式)がいかに海外に普及していったかを克明にレポートしたノンフィクション作品です。

また、日本独自の文化の海外進出にかんしては、『プーチンと柔道の心』(V・プーチン/ V・シェスタコフ/A・レヴィツキー、山下泰裕/小林和男=編、朝日新聞出版、2009)という本が面白い内容です。この事例は、マルちゃんとは違った意味で、現地の人間が徹底的に武道のあり方にこだわった事例といえるかもしれません。




「ローカリゼーション」のために身につけるべきマインドセットについて

本書でも強調されている「ズームイン」と「ズームアウト」という二つの異なる視点の使い分けについては、認知心理学の分野ではアジア人と西洋人の違いが明らかになっており興味深いものがあります。

「ズームイン」と「ズームアップ」は、「寄せ」と「引き」といった表現を使って見るのもいいかもしれません。この二つの視点の使い分けが重要なわけですね。あるいは、ディテールにこだわりつつ俯瞰的(バーズアイ)でもみるという二つの視点をともにもつことが重要だと言うべきでしょう。

また、著者がいう「三点測量」もきわめて重要です。この点については、日本大好きのタイ人のグラフィックデザイナーが書いた面白い本があります。

『座右の日本』(プラープダー・ユン、吉岡憲彦訳、タイフーン・ブックス・ジャパン、2008)。英語はわかるが日本語はあまりできないタイ人がみた日本。

わたしの場合も、日本・米国・タイ(アジア)という視点でモノを見てきましたが、これも「三点測量」の好事例と言えるでしょう。

二者比較から、三点測量へ。つまるところ、これは複眼的視点ということになります。やや高度な視点の持ち方ですが、ぜひ心がけていただきたいものです。



<関連サイト>

異文化市場で売るためのモノづくりガイド-「ローカリゼーションマップ」(日経ビジネスオンライン 連載 2010年~2011年)

#lmap ローカリゼーション・マップ(facebookページ 外部からの閲覧可能)



<ブログ内関連記事>

複眼的思考

書評 『座右の日本』(プラープダー・ユン、吉岡憲彦訳、タイフーン・ブックス・ジャパン、2008)
・・タイ人がみた日本。さらに米国という比較軸が加わった「三点測量的な視点」の面白さ

書評 『知的複眼思考法-誰でも持っている創造力のスイッチ-』(苅谷剛彦、講談社+α文庫、2002 単行本初版 1996)
・・必読書!

書評 『日本語は亡びない』(金谷武洋、ちくま新書、2010)
・・「母語」としての日本語の意味について考える

朝青龍問題を、「世間」、「異文化」、「価値観」による経営、そして「言語力」の観点からから考えてみる

いかにして異なる業種業界や職種間、また組織内の異なる機能間で「共通言語」と「コンテクスト共有」によるコミュニケーションを可能とするか


異文化マーケティング

書評 『メイド・イン・ジャパンのキリスト教』(マーク・マリンズ、高崎恵訳、トランスビュー、2005)

書評 『聖書の日本語-翻訳の歴史-』(鈴木範久、岩波書店、2006)

「泥酔文化圏」日本!-ルイス・フロイスの『ヨーロッパ文化と日本文化』で知る、昔から変わらぬ日本人

イエズス会士ヴァリリャーノの布教戦略-異文化への「創造的適応」

書評 『プーチンと柔道の心』(V・プーチン/ V・シェスタコフ/A・レヴィツキー、山下泰裕/小林和男=編、朝日新聞出版、2009)

書評 『マイ・ビジネス・ノート』(今北純一、文春文庫、2009)
・・フランスで活躍してきた日本人ビジネスマンの本


アウトバウンド・マーケティング

『ベルギービール大全』(三輪一記 / 石黒謙吾、アートン、2006) を眺めて知る、ベルギービールの多様で豊穣な世界

IKEA (イケア) で北欧ライフスタイル気分を楽しむ-デフレ時代の日本に定着したビジネスモデルか?
・・商品を売るには、文化そのもを売る、という姿勢が大事


インバウンド・マーケティング

ローカリゼーションの温故知新-インバウンド戦略の原点である藤田田(ふじた・でん)の「マクド」・「ナルド」を見よ!






(2012年7月3日発売の拙著です 電子書籍版も発売中!)






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2011年12月16日金曜日

地域密着型で成功した 「地域新聞」 というフリーペーパー(=無料紙)のビジネスモデルを知ってますか?



みなさん、「地域新聞」って知ってますか?

「地域新聞」とは、千葉県西部を中心に無料で配布されているフリーペーパーのことです。全部で8面あって、カラーページの多いタブロイド版。これに折り込みチラシも数枚入っています。

わたしはたまたま「船橋東版」を見ていますが、配布地域に住んでいないと存在そのものも知らないかもしれませんね。

株式会社 地域新聞社は、本社を千葉県八千代市においている JASDAQ(ジャスダック)上場企業です。ある意味では知られざる優良企業といっていいかもしれません。

会社ウェブサイトによれば、創刊は 1984年9月と以外と古く、発行部数は 1,839,926部(2011年8月現在)ですから約184万部弱ということになります。

各エリアはメッシュを細かく切って 51版(=千葉県西部 43版+埼玉県東部 8版)で、毎週金曜日(木・金配布)で、配布方法は独自配布システムにより全戸手配りになっているため、有料の新聞を購読していなくても投函されることになります。

読者層の中心層は 30歳から60歳代で、女性が 80%以上ということです。記事の内容や広告をみていると、主婦や OL が主対象のようです。生活に密着した情報が満載で、それ以外の情報はまったくありません。

メッシュで細かく切ったエリアに話題や店舗やサービス情報をが中心の紙面構成となっており、地域密着型のビジネスを展開している事業者にとっては広告を出稿するメリットが大きいだけでなく、読者と事業者の双方にとってメリットの大きなものになっているといえるでしょう。

鉄道駅に設置されたラックに置かれているフリーペーパーは現在かなりの種類に及んでいますが、広告だけでなく記事のコンテンツもけっして市販している雑誌に劣らない充実したものになっていますね。なかには高級誌と見間違うような雑誌が無料で配布されているのには驚かされます。

グローバル化が叫ばれる昨今の日本のビジネス界ですが、グローカルというコトバもあるように、グローバル化が進めば逆説的にローカル情報の重要性が増してくるもの。

たとえばタイ王国のバンコクでは、多種多様の日本語のフリーペーパーが競い合っており、バンコクの居住する日本語を読める人向けのローカル情報が満載された内容になっています。

大半がラックに置かれているフリーペーパーですが、「地域新聞」のように戸別に手配りされているフリーペーパーは、「サンケイリビング」など、主婦やOL向けのものが大半ですね。

これまで地域での生活という側面が小さかったビジネスマン(・・ここではあえてビジネスマンと表記します)がリタイアすると、地域生活に男性の存在が徐々に拡大していくことになっていくでしょう。

そうなっても女性が主導権を握っていくことは間違いありませんが、戸別配布型のフリーペーパーにも新機軸がでてくるのか、それとも女性主導でありながら男性も読める誌面になっていくのか興味深いものがあります。

グローバル化によって海外にでていく流れと、同時に進行する日本国内の地域密着化の流れ。

地域密着型のフリーペーパーのビジネスモデルは、ある意味ではたいへん面白いモデルではないでしょうか。大いに注目する必要があると思います。



<関連サイト>

地域新聞社 公式サイト






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2011年12月14日水曜日

アムンセンが南極に到達してから100年-西堀榮三郎博士が説くアムンセンとスコットの運命を分けたチームワークとリーダーシップの違い


 本日(2011年12月14日は)、ノルウェーの探検家アムンセンが人類史上はじめて南極点に到達した日から100年にあたります。 
    
 そのアムンセンといえば必ず引き合いに出されるのが英国人のスコット海軍大佐。先陣争いを演じた宿命のライバルでしたが、スコットはアムンセンに一ヶ月遅れをとっただけでなく、南極点に到達した帰途に全員が凍死するという悲劇の主人公にもなりました。

 アムンセンとスコットの二人を比較したらチームワークの点でもリーダーシップの点でも、アムンセンは成功するべく成功し、スコットは失敗するべく失敗したと断じているのが、日本初の南極越冬隊長を務めた西堀榮三郎博士です。

 1957年に実行された、初代の南極越冬隊の隊長をつとめあげた西堀博士だけに、おなじく南極点の探検を行った先行者であるアムンセンとスコットのリーダーシップについての見方はきわめて的確であるというべきでしょう。

 しかも、西堀博士は統計的品質管理の専門家でもあっただけに、QCサークルという小集団活動にも通じており、チームワークについて述べているところにはきわめて説得力があるといってよいでしょう。

 西堀榮三郎の解説する「未知の世界を手探りで進むプロジェクトを成功させるチームのリーダーシップの極意」といった文章の要点をかいつまんで述べると以下のようになります。

運と不運を分けるのは、ほんのちょっとした分岐点の決断である
●アムンセン隊とスコット隊の運命を分けることになった隊長の決断の背景には、隊長自身の性格と過去の経験の差がある
●まず最初に「情熱の差」。アムンセンが少年の頃から極地探検家になることを夢見て必要となる準備を進めてきたのに対し、スコットの極地探検は、いわばマーカム卿によりお膳立てされていたものであった。このことから、南極行きを志した時点で既に両者の間に「心構え」の差ができていた
●「よく人はリーダーの素質は生まれながらのものであるというが、けっしてそれだけではなく、目的に向かっての日常のたゆまない努力がリーダーとしての性格をつくりあげる
●両隊長の性格の違いがもっともよく表れているのは隊の「運営の仕方」である
●両隊の運命を分けた運営の差が「隊長のリーダーシップ」にあり、それが「隊全体の士気」につながった
●隊の運命は隊長だけで決まるものではなく、隊長を含めた全隊員の一挙手一投足が小さな分岐点で運命を左右して決まる
●そのため、隊長は運営のうえで、つねに隊員をして打てば響くような、そして「細心の注意」を払って事に当たれるような教育を普段からしておかなければならない。その点で、スコット隊の敗北はスコット隊長に全責任があった
アムンセンは隊員の自主性を尊重するチームワークで運営したことに対し、スコットの場合は、自分が海軍軍人であったこともあり、階級制度による上意下達的な隊の運営が隊員の士気にも影響し、細心の注意を払うことができなかった
●アムンセンの場合は、たとえば雪めがねといった装備品の改良に際して、隊員の提案を募集するなどし、隊員全員が参画意識を持って自主的に一つの目的に向かえるよう配慮した
「すべての隊員が自主的に仕事をやるようになれば、隊長がいちいち指示しなくても隊は動く。全員が参画精神をもってひとつの目的に向かったとき、すばらしい力を発揮することができる」
●アムンセンはチームリーダーとして、こうした人間の心理をよくつかみ、それを隊の運営に活かしていた
●スコットは「あわて者の誤り」を計画段階で犯しており、万事が中途半端であった
●アムンセンは、リーダー自らがつねに「平常心」をもって決断し行動できるよう「行ってみて、無理ならば引き返せばいい」というような「楽観的態度」を心がけていた
●スコットの場合は、極点到達がアムンセンに先を越されたときに「極点、・・・神よ、ここは恐ろしい土地だ」と日記に書き記し、帰途の不安をのぞかせている。リーダーが少しでも顔に不安をのぞかせたことが影響し、全員の不安と恐れが行動の判断を狂わせ、全員死亡という最悪の結果を招いた
アムンセン隊の行動を見ていると、全員が「平常心」をもって一丸となり、極点到達という目的のもとに嬉々として行動していた様子がうかがわれる

 詳しくは、西堀博士の文章や言行録をまとめた『技士道一五ヵ条-ものづくりを極める-』(西堀榮三郎、清澤達夫=構成、朝日文庫、2008、初版単行本タイトル『想像力』1990)の「第5章 組織を考える」の「アムンセンとスコットのリーダーシップ」(P.269~280)をご覧いただきたいと思います。

 もともとは、『アムンセンとスコット-南極点への到達に賭ける-』(本多勝一、教育社、1986)の解説として執筆されたものです。ジャーナリストの本多勝一氏もまた、京大山岳部のOBで、西堀博士の後輩にあたる人でした。

 アムンセンの南極点到達をビジネスの世界にあてはめて考えれば、未知の領域を切り開いたプロジェクトであったと言うこともできるでしょう。

未来に何が起こるかは誰も分からない。ましてや神でもない人間のリーダーに分かるわけがない。けれども未来がわからないといって、リーダーが少しでも不安顔をすれば隊員の不安をますますつのらせることになる。(P.277)

 また西堀博士は、別の箇所ではこのようにも言っています。

未来というものは論理的背景がないものだとしかいいようがない。直感的な、主観的な、独断的な判断でしか考えられないのではないだろうかと思われてくる。(P.287)

 まさに実践の裏付けをもって語られたコトバですね。アムンセンの南極点到達の成功は、未知の領域を開発するプロジェクトを率いるリーダーやメンバーがよく知っておきたい重要な事例であると言うべきでしょう。




<参考文献>


『技士道一五ヵ条-ものづくりを極める-』(西堀榮三郎、清澤達夫=構成、朝日文庫、2008、初版単行本タイトル『想像力』1990)

目 次

まえがき
技士道一五ヵ条 
第1章 自然を考える
 自然に学ぶ
 私の自然観
 未知の大陸
 体験から学ぶ
第2章 技術を考える
 科学と技術
 技術の功罪
 技術のあるべき姿
 技術を志す
第3章 品質を考える
 事実からの出発
 品質管理とは何か
 統計的品質管理の方法
 日本的品質管理
第4章 創造性を考える
 創造の現場
 創造の芽を伸ばす
 研究開発の進め方
 創造性が未来をつくる
第5章 組織を考える
 個人を活かして組織が生きる
 組織を運営する
 真のチームワークとは
 優れたリーダーシップとは

第6章 技術を極める
 日本の進むべき道
 企業のあり方、技術者のあり方
 未来に向けて


著者プロフィール

西堀榮三郎(にしぼり・えいざぶろう)

1903年京都市生まれ。理学博士。京都大学理学部卒業。京都大学講師・助教授を経て、1936年東京電気(現・東芝)入社。1949年退社し、統計的品質管理の普及に努める。1954年デミング賞受賞。1957年第一次南極観測越冬隊長として越冬。以後、日本原子力研究所理事、日本原子力船開発事業団理事、日本生産本部理事など歴任。1973年ヤルン・カン遠征隊隊長、1980年チョモランマ登山隊総隊長を務めるなど、登山家、探検家としても知られる。1989年死去、享年86歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。






<関連サイト>

Ben Saunders: To the South Pole and back — the hardest 105 days of my life (TED TALK Filmed March 2014 at TED 2014)
・・二人でみずからソリをひいて南極点まで到達した1977年生まれの英国人冒険家の語り(This year, explorer Ben Saunders attempted his most ambitious trek yet. He set out to complete Captain Robert Falcon Scott’s failed 1912 polar expedition — a four-month, 1,800-mile round trip journey from the edge of Antarctica to the South Pole and back. In the first talk given after his adventure, just five weeks after his return, Saunders offers a raw, honest look at this “hubris”-tinged mission that brought him to the most difficult decision of his life.)

(2015年7月8日 項目新設)



<ブログ内関連記事>

映画 『加藤隼戦闘隊』(1944年)にみる現場リーダーとチームワーク、そして糸川英夫博士
・・「必ず勝つの信念と 死なば共にと団結の 心で握る操縦桿」!

南極観測船しらせ(現在は SHIRASE 5002 船橋港)に乗船-社会貢献としてのただしいカネの使い方とは?

コロンビア大学ビジネススクールの心理学者シーナ・アイエンガー教授の「白熱教室」(NHK・Eテレ)が始まりました

映画 『コン・ティキ』(2012年 ノルウェー他)をみてきた-ヴァイキングの末裔たちの海洋学術探検から得ることのできる教訓はじつに多い

(2014年2月24日 情報追加)




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2011年12月12日月曜日

「上から目線」が必要なときもある-リーダーや戦略家は全体を見わたすバーズアイという視点が必要だ!


いよいよ NHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』も今年が三年目で完結編。昨日の放送で、ついに旅順の 二〇三高地を陥落させることに成功しました。ドラマはいよいよ佳境に入っていくことになります。

二〇三高地は、英語でいえば Commanding Heights(コマンディング・ハイツ)です。あえて日本語に訳せば「戦略的要衝」ということになるでしょう。ひらたくいえば、周囲をすべて見渡すことのできる高台のことです。その高台から指揮をとることによって、敵の制圧を容易にする場所のことです。

コマンディング・ハイツ(戦略的要衝)で実現するのは、文字通りの「上から目線」。これは実際に高い所に登ってみるに限ります。この写真のネコも人間の目線より上に位置しようとしています。上から目線で見下ろすためですね。

いまから 10年以上前のことになりますが、1999年に旧満州の大連を訪れた際、ついでに足を伸ばして「二〇三高地」のある旅順まで行ってみました。旧大和ホテルでタクシーをチャーターし、旅順まで往復してもらいました。

大連といえば南満州鉄道株式会社(=満鉄)の本社があった都市。大連はもともともと帝政ロシアが建設した都市で、ロシア語で極東を意味するダーリニー・ヴォストークが縮まって大連(ダーリヤン)となったものです。

旅順はロシア時代から軍港ですので、現在でも一般人は入ることができません。ただし、二〇三高地は観光地になっているので一般人も入ることができます

昨日のドラマ『坂の上の雲』にも出てきましたが、二〇三高地の戦闘で息子二人を戦死させた乃木大将は、有名な漢詩作家でもあり、二〇三高地の爾霊山(に・れい・さん)の名を与えています。爾(なんじ)の霊の山という語呂合わせで、ここで倒れた日本人・ロシア人の霊を慰めるのが目的でした。乃木大将の筆になる爾霊山と記された塔はいまでも山頂に立っています。

二〇三高地に自らの足で立ってみて思ったのは、ここがまさに戦略的要衝であるということ。360度見渡せるのです。ここを奪取した者が戦争の帰趨を決するのだ、という厳然たる事実を実感したことです。

先にも書いたように、英語ではこういった戦略的な高地のことを commanding height(コマンディング・ハイツ)といいます。コマンドとは指揮することですから、まさに大将が指揮をとるべき戦略的要衝なのです。

それ以来、わたしは「戦略」というものを実感したかったら、二〇三高地に立ってみるといいと薦めてきました。

もちろん、中国の旅順までいかなくても、日本国内にもそういった山はあります。

日本最古の歌集『万葉集』には、巨大な前方後円墳で有名な仁徳天皇の御製が収録されています。

たかきやに のぼりて見れば 
煙たつ 民のかまどは 
にぎはひにけり

これは仁徳天皇御製です。世界最大の前方後円墳で有名な仁徳天皇が、高い丘に登って人里を見下ろしたら民衆のかまどから火が見えないほど困窮しているのを心配され、配下に命じて民衆生活の向上策をとるように命令されたのち、ふたたび同じ丘にのぼって人里を見下ろしたら、民衆のかまどからは火がのぼり、豊かな生活が実現していることに安心されたという伝説に基づくものです。

これは戦略家のみならず、組織のトップに立つ人にはじっくり味わっていただきたい歌ですね。いわゆる「大所高所に立つ」とは、文字通り高い場所に自ら移動することで得ることのできる「上から目線」のことを指しているのです。

上に立つと下まで360度に見ることができます。遠くまで見渡すことができます。つまり広い視野をもつことができるわけで、これをバーズアイともいいます。英語で言えば bird's eyes、つまり日本語で言う鳥瞰(ちょうかん)のことです。

しかしながら、「灯台もと暗し」という格言もあるように、すべてを視野に入れることの立場であるにもかかかわらず、いやであるからこそ、足元が見えない(!)という弊害も存在することを忘れてはいけません

別の表現を使えば、ズームインとズームアウトという言い方も可能でしょう。ズームイン(=寄り)することでディテールにこだわることはもちろん大事ですが、ときにはズームアウト(=引き)して全体を見ることも大事なのです。大将や参謀にとっては絶対不可欠な視点です。

とはいえ、下にいる人間は、上に立つ人間の一挙手一投足まで見ている、ということもまた忘れてはなりません。「上から目線」でも「下から目線」でもなく、「横から目線」が必要であるというべきでしょう。

ですが、人に上に立つリーダーや戦略家は「上から目線」に立つ必要もあり、そのためには物理的に高い場所に移動してみることも大事なのです。ズームアウトは物理的に実行することが可能なのです。





<ブログ内関連記事>

書評 『なでしこ力(ぢから)-さあ、一緒に世界一になろう!-』(佐々木則夫、講談社、2011)
・・「横から目線」の実践

太田道灌と山吹の花-トップ・リーダーに不可欠な「下から目線」をイマジネーションするチカラとは?

「むかし富士山八号目の山小屋で働いていた」全5回




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2011年12月9日金曜日

【アタマの引き出し】のつくりかたワークショップ (2011年12月8日 18時半 東京銀座) を開催しました


 昨日(2011年12月8日)は、 【アタマの引き出し】のつくりかたワークショップ を東京・銀座で開催いたしました。

 初対面での最初の3分が勝負だと、心理学ではよくいわれていますね。初対面では、自分のアタマをフル回転して「引き出し」を駆使し、いかに相手から話を「引き出す」かがカギになります。

 世の中が複雑化し、趣味や価値観が多様化する現在、営業担当者もかつてのように、昨夜のナイター(・・プロ野球のことです)やゴルフの話題で、すべてが間に合うなんてことはありえません。どんな人とのあいだにも「共通点」を即座に発見し、「共感」するポイントを見つけるワザが必要とされるのです。

 こういった「中身のある雑談」は、偶然の出会いが死命を決することすらある現代世界においては、営業担当者に限らず、必須のスキルやマインドセットといってもいいでしょう。

 ワークショップというものは、参加者のみなさんと一体になってつくりあげる「ライブ公演」のようなもの。おかげさまで、参加した皆様にとっても、たいへん充実した「体験」になったのではないかと思います。

 「アタマの引き出し」とは、通常は「引き出し」といっています。『大辞泉』によれば以下のように書かれています。

ひき‐だし【引(き)出し/▽抽き出し】
1. 引き出すこと。「預金の―」
2.(「抽斗」とも書く)机・たんすなどに取り付けて、抜き差しができるようにした箱。
3. 臨機応変に活用できる、隠れ持った多様な知識や豊かな経験のたとえ。「―が多く、どんな役でもこなせる俳優」

 「アタマの引き出し」はいうまでもなく「3.」の意味のことですね。「2.」のタンスの引き出しが比喩的に私用されたものでしょう。

 「アタマの引き出し」つくりは、エッセンスだけを抽出すると以下のようになるでしょうか?

●タグで自分のアタマのなかからタグり寄せる-「引き出し」 は 「想起」が命
●観察するクセをつける-インプット
●気になったら、すぐに検索して調べるクセをつける
●アウトプットすることで「想起」された記憶が再編集された記憶として定着
●違いよりも共通性に注目してアウトプットする

 次回のワークショップは、来年の2012年3月に開催する予定です。またあらためてご案内させていただきます。その際はぜひ、参加をご検討ください。ワークショップはアタマで考えるものではなく、体感するものだからです。


<ブログ内関連記事>

【アタマの引き出し】のつくりかたワークショップを開催いたします (2011年12月8日)





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2011年12月6日火曜日

「君臨する企業の法則:日本への教訓-マイケル・クスマノ MITスローンスクール教授)講演会のお知らせ(2012年1月17日:無料 事前予約)


技術経営(MOT)にかんする無料講演会の紹介です。

ソフトウェア産業のマネジメントにくわしい米国の経営学者マイケル・クスマノMITスローンスクール教授の講演会が東京で開催されます。

内容は、近刊予定の『君臨する会社「6つの法則」:戦略のベストプラクティスを求めて』(日本経済新聞社、2012年1月刊行予定)に基づくもののようです。

開催日時は、2012年1月17日、場所は国際文化会館(麻布十番)で、聴講は無料ですが事前予約が必要です。

以下に紹介文を掲載しておきます。

◇◇--------------------------◇◇
「君臨する企業の法則:日本への教訓」
  Staying Power : Lessons for Japan

◇◇--------------------------◇◇ 
講師: マイケル ・A・クスマノ Michael A. Cusumano
(マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院教授)
日時: 2012年1月17日(火) 7:00 pm-
会費: 無料(要予約)
用語: 英語(通訳なし)
申し込み:http://www.i-house.or.jp/jp/ProgramActivities/japan_ihj/index.htm から

クスマノ氏はハーバード大学にて博士号取得。専門は、ソフトウェアや自動車産業におけるマネジメントや起業家精神で、ソフトウェア工学・企業研究の権威。ハイテク産業で世界の主要企業のコンサルタントなども務める。主な邦訳書に、『マイクロソフト・シークレット-勝ち続ける驚異の経営-』(日本経済新聞社 1996)など。近刊予定書に『君臨する会社「6つの法則」:戦略のベストプラクティスを求めて』(日本経済新聞社、2012年1月刊行予定)。デジタル・テクノロジーによる著しい変化に企業はどう対応し、いかに更なる飛躍を遂げることができるのか、長年グローバル企業の経営や慣行を研究されてきたクスマノ氏に論じていただきます。
-----------------------------

ちなみに、MITスローンスクールは、MIT(マサチューセッツ工科大学:Massachusetts Institute of Technology)の経営大学院のことで、一言で言えば MBAコースのことです。

GM(ゼネラル・モーターズ)中興の祖であったアルフレッド・スローンの寄付によって解説された大学院です。ドラッカーがスローンが経営していた時代の GM を研究してマネジメントの概念を作り上げたのは有名ですが、アルフレッド・スローン自身はドラッカーの研究成果には納得はしていなかったとか。

それはさておき、MITスローンスクールは、技術経営(Management of Technology: MOT)の分野では草分けの存在であり、そこで長年にわたって教鞭をとってきたクスマノ教授の話はぜひナマで聴いておきたいものです。

MITのサイトによれば、クスマノ教授の正式タイトルは、Sloan Management Review Distinguished Professor of Management(「スローン・マネジマント・レビュー」特別教授)で専門分野は Professor of Technological Innovation, Entrepreneurship, and Strategic Management and Engineering Systems(技術革新、起業家精神、戦略経営、エンジニアリング・システム)となっています。

近刊予定の『君臨する会社「6つの法則」:戦略のベストプラクティスを求めて』(日本経済新聞社、2012年1月刊行予定)の原著タイトルは、Staying Power: Six Enduring Principles for Managing Strategy and Innovation in an Uncertain World (Lessons From Microsoft, Apple, Intel, Google, Toyota, and More) (Clarendon Lectures in Management Studies)で、ケーススタディとして取り上げられた会社は、マイクロソフト、アップル、インテル、グーグル、トヨタその他となっています。

クスマノ教授のもともとの研究テーマはソフトウェア産業ですから米国を代表するIT企業の巨人たちは当然のことながら、自動車産業や起業家精神まで拡げているのは、MIT という環境があってのことでしょう。

通訳はつかないということですが、貴重な機会ですのでご関心のある方は事前登録をしてみてはいかがでしょうか。


<講演のベースとなる原著>

Staying Power: Six Enduring Principles for Managing Strategy and Innovation in an Uncertain World(M.Cusumano, Oxford Univ Pr, 2010) 『君臨する会社「6つの法則」:戦略のベストプラクティスを求めて』原著




P.S.
日本語訳 『君臨する企業の「6つの法則」-戦略のベストプラクティスを求めて』(マイケル・A・クスマノ、延岡健太郎=解説、鬼澤 忍訳、日本経済新聞出版社、2012) が出版されました。(2012年1月24日 追記)




<関連サイト>

米国の経営学者マイケル・クスマノMITスローンスクール教授の講演会(国際文化会館のウェブサイト)

Michael A. Cusumano Oficial Web Page (クスマノ教授の公式サイト 英語)

Michael Cusumano - MIT Sloan Faculty Directory - MIT Sloan (MITスローンスクール


<ブログ内関連記事>

書評 『グーグル秘録-完全なる破壊-』(ケン・オーレッタ、土方奈美訳、文藝春秋、2010)

カリスマが去ったあとの後継者はイノベーティブな組織風土を維持できるか?-アップル社のスティーブ・ジョブズが経営の第一線から引退

NHK・Eテレ 「スタンフォード白熱教室」(ティナ・シーリグ教授) 第8回放送(最終回)-最終課題のプレゼンテーションと全体のまとめ



(2012年7月3日発売の拙著です)








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2011年12月5日月曜日

組織の内外にとって明確な表現のビジョンとは?-千趣会の新ビジョン 「ウーマン・スマイル・カンパニー」


 MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)は、日本では経営理念や社是と呼ばれているものを要素分解したものですが、企業によっては、たんにミッション(=使命)やビジョン(=価値観)と表現しているケースもあります。

 先日、千趣会(せんしゅかい)が 56周年目の創立記念日に「新企業ビジョン」を制定したというニュースがリリースされました。

 千趣会の新ビジョンもまた、ビジョンのなかにミッションやバリューが表現されたものになっています。

 共同通信のニュースリリース配信記事「千趣会、56周年目の創立記念日に新企業ビジョン制定」によれば、通販カタログなど幅広い事業を展開している千趣会が、新企業ビジョン『ウーマンスマイルカンパニー SENSHUKAI』を制定し、11月1日の56周年目の創立記念日に一般公開しました。

ウーマン
スマイル
カンパニー
SENSHUKAI

 じつにわかりビジョンですね!

 千趣会は、一度でも一定規模以上の組織で働いた女性なら知らない人はいないと思います。女性向けの通販カタログで社内で回覧されていることは、意外なことに男性は知らないかもしれません。

 ところが、千趣会は東証一部上場企業で、「ベルメゾン」というカタログを中核にして、ウェブ頒布会(=ネット販売)、実店舗、ウェディング事業、ペット事業など、さまざまな事業を展開しています。

 会社プロフィールをみると、発展の軌跡を知ることができます。ウェブサイトから引用させていただきましょう。

1955年、こけし人形の頒布を目的に(株)千趣会を設立。オフィスの女性グループを対象にした頒布会事業がスタートしました。その後料理カード付き月刊誌「クック」をはじめ、タオルやハンカチ、下着など女性の心をとらえたオリジナル商品の大ヒットによって業容を拡大。さらに、1976年には、カタログ誌「ベルメゾン」を発刊し、カタログ販売事業に進出しました。当時はむずかしいとされていたファッション衣料の販売からスタートし、服飾雑貨や生活雑貨、家具、インテリア用品へと取り扱いアイテムを広げるとともに、専門店型の品揃えと生活提案型の独自のカタログスタイルを確立。現在、約1200万人の会員に向けて、カタログ、ネット、店舗などのチャネルを通じて様々な商品、及びサービスを提供しています。

 千趣会は、なんとこけし人形の頒布会から始まったのですね。「千趣会」社名の由来は次のようなものだそうです。

最初の頒布会商品「こけし」を「こけし千体趣味蒐集の会」から仕入れることになり、会の名称も“千”と“趣”の文字から『千趣会』と現会長の行待が命名。そのまま現在の社名になりました。

 これは、はじめて知りました。現在はかつてほどではないとはいえ、「こけし人形」を集めるのはもともと女性が中心ですから、出発当初から女性を主対象にした会社であったわけです。

 新ビジョンに話を戻せば、プレスリリースによれば、以下のとおりです。

新企業ビジョン『ウーマンスマイルカンパニー SENSHUKAI』には、“笑顔が積み重なって、しあわせは生まれる。ひとりひとりが笑顔になれば、明日はもっと素敵になる。私たちは、女性の毎日に笑顔を届けることを通じて、世界をしあわせにしていく会社です。”という企業姿勢を表しています。

 きわめて明解なビジョンで、きわめて明解な企業姿勢を示しています。
 
 組織の外に向けての声明が、組織のなかで働いている人にもポジティブな影響としてフィードバックされる。コミュニケーションの好循環が成立しているといえるでしょう。そのお手本のような新ビジョンです。

 そしてこのビジョンには、企業のミッション(=使命)もレゾンデートル(=存在理由)もバリュー(=価値観)もすべて含まれています。

 企業の姿勢を示す MVV として、ひじょうにすぐれたものになっているといえるでしょう。



<関連サイト>

株式会社 千趣会 公式サイト

「千趣会、56周年目の創立記念日に新企業ビジョン制定」(共同通信ニュースリリース配信)

千趣会、創業56周年で新企業ビジョン「ウーマンスマイルカンパニー SENSHUKAI」制定(アドタイ 広告会議編集部)


<ブログ内関連記事>

Facebook Principle (フェイスブックの原則) を MVV (ミッション・ビジョン・バリュー) の観点からみてみよう

「自然エネルギー財団」設立に際して示した、ソフトバンク孫正義氏の 「使命」、「ビジョン」、「バリュー」・・・




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2011年12月2日金曜日

書評 『プロフェッショナルを演じる仕事術』(若林計志、PHPビジネス新書、2011)-「学ぶとは真似ぶなり」という先人の知恵を現代風にアレンジした本


「学ぶとは真似ぶなり」-徹底的に真似て、そのうえで真似た対象を乗り越えるための方法論とは?

 基本的に中級者以上のビジネス書です。初級者が読むと中途半端な理解になってしまう恐れがあるかもしれません。

 現状からワンランク上に上がりたいと思っている30歳代ならもちろん、最初から上を目指しているアンビシャスなビジネスパーソンなら20歳代前半でも読む価値はあるでしょう。ただし、あまり背伸びしすぎるのは禁物です。肝心なモチベーションが続きませんから。

 内容は一言で要約すればこんな感じでしょう。

 「なりたい自分」が活躍するシーンを具体的にイメージし、そのシーンが登場するストーリーをつくり、あこがれる対象としてのロールモデルを具体的に選び出し、役を演じる俳優のように徹底的に真似てみることからはじめよう、そしてそのうえで真似た対象を乗り越えることで真の自己を実現しようというストーリーです。

 正直なところ、カタカナ語がひじょうに多く、理論を詰め込みすぎではないかという気がしなくもないですが、全体的によくまとまっていると思います。豊富な具体例はビジネス以外からも多く取られており、読み応えがあります。

 心理学のモチベーション理論をよく勉強している人なので、読んでいて勉強になるのは確かです。この点はわたしの正直な感想です。

 ストーリーで考えることの重要性は言うまでもありませんね。最近の流行というだけでなく、これはもともと重要なのです。この重要性に気づいていない人は、最初から順に読んでいくといいでしょう。

 ある程度ビジネスのことがわかってきた中級者は、読むのは第Ⅱ部だけで十分だと思います。最終章の第7章「プロフェッショナルからの正しい学び方」だけは必ず読んでおきたい章ですね。この第二部が本書のキモであり、40歳代後半のわたしも大いに同感する部分です。

 日本では昔から「学ぶとは真似ぶなり」という格言がクチにさえてきました。著者自身はこの表現をつかっていませんが、本書の読者にはこの格言をぜひ知って身につけてほしいと思います。

 本書は、こういう先人の知恵を、最新の心理学用語で説得しようとした本だといえるでしょう。「新しい酒」には「古い革袋」ではなく「あたらしい革袋」が必要だということですね。これは日本語訳聖書の文言です。

 若い人にはもっと先人の知恵の結晶であるコトワザや格言を学んでほしいと思う次第です。著者が紹介する「離見の見」(世阿弥)や「守破離」もまたその一例です。


P.S. この書評は、R+(レビュープラス)さまより献本をいただいて執筆したものです。





目 次 

第Ⅰ部 ストーリーが人を動かす
 取調室でカツ丼を食べる謎
 ストーリーはどこからやってくるか
 プロフェッショナルのスゴさを「見える化」する
 仕事をゲームに変える方法)
第Ⅱ部 「プロフェッショナル」と「自分」をシンクロさせる
 「負ける技術」を身につける
 トイレを磨くと儲かるか
 プロフェッショナルからの正しい学び方


著者プロフィール

若林計志(わかばやし・かずし)

株式会社ビジネス・ブレークスルーボンド大学大学院ビジネススクール MBAプログラム(Bond-BBT Global Leadership MBA)リーダー。米国オルブライト大学卒業後、米シンクタンクのインターンを経て、日本紛争予防センターに参画。その後、経営コンサルタントの大前研一氏が代表を務める株式会社ビジネス・ブレークスルーに入社し、2000年より MBAプログラムの立ち上げを行い、現在まで事務局長を務める。またコロンビア大学大学院の国際協力紛争解決センター(ICCCR)のB.フィッシャー博士より認定を受け、協調的交渉術公認トレーナーとして、企業のグローバルマネージャー研修、政策学校「一新塾」などで講師を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。



<ブログ内関連記事>

書評 『絶対の自信をつくる 3分間トレーニング』(松尾昭仁、あさ出版、2011)・・カタチから入る誰でもできる方法について書かれたもの。この本は初級者向け

What if ~ ? から始まる論理的思考の「型」を身につけ、そして自分なりの「型」をつくること-『慧眼-問題を解決する思考-』(大前研一、ビジネスブレークスルー出版、2010)
・・「守破離」についてわたしのコメントが書いてある。あわせてお読みいただきたい

「学(まな)ぶとは真似(まね)ぶなり」-ノラネコ母子に学ぶ「学び」の本質について

カラダで覚えるということ-「型」の習得は創造プロセスの第一フェーズである

「三日・三月・三年」(みっか・みつき・さんねん)

「地頭」(ぢあたま)について考える (1) 「地頭が良い」とはどういうことか?

「地頭」(ぢあたま)について考える (2) 「地頭の良さ」は勉強では鍛えられない

書評 『ヒクソン・グレイシー 無敗の法則』(ヒクソン・グレイシー、ダイヤモンド社、2010)-「地頭」(ぢあたま)の良さは「自分」を強く意識することから生まれてくる

世の中には「雑学」なんて存在しない!-「雑学」の重要性について逆説的に考えてみる
・・本書でも取り上げられている藤田田(ふじた・でん)について




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2011年12月1日木曜日

電動工具メーカー makita の充電式ハンディー・クリーナーはB2Bメーカーによる B2Cの消費財分野での展開


 長年使ってきた掃除機がついに故障してしまったので、さっそく新しい掃除機を購入しました。

 掃除機といえば、TV・CM をつうじて有名な、英国のダイソンのが思い浮かびますが、サイクロン式掃除機は人によっては、かならずしもいいというわけではない評判も耳にします。

 日本の家電メーカー各社は家庭用の掃除機を製造販売していますが、家電量販店の店頭でみてもたいして代わり映えしない外観ですので、いきなり店頭にモノを見に行ってもあまり意味はないですよね。

 まずは「価格.com」などの購買比較サイトで調べてみるという人も少なくないでしょう。性能と価格から割り出したお値打ち感から製品を選ぶのは、ネット時代の賢い消費者の購買パタンでしょう。

 わたしもまずは「価格.com」で調べてみました。

 そこで目にとまったのが、makita の充電式コードレス・ハンディークリーナー。日本の家電メーカーではなく、あの業務用の電動工具の makita が家庭用掃除機を生産販売しているのか! モーターが命の電動工具メーカーの makita ならいのではないか?

 製品特性をみると、充電式なのでコードのわずらわしさもないし、小型で軽量(1.3k)なので持ち運びも便利、色の選択がレッドのひとつしかないのが残念ですが、それを補ってあまりあるものがあります。

 価格を調べたあと、最終的に amazon から購入しました。在庫があったので翌日には配送されてきました。

 最初の充電には時間がかかりましたが、じっさいに使ってみての感想は「これで十分」というもの。こまめに掃除機をかけるのは、こういったハンディタイプがいいと思います。





B2Bメーカーによる B2C の消費財分野での展開

 makita の独特な書体のロゴは、町中にある特約店の看板などで目にすることはあると思いますが、基本的には業務用の電動工具ですので、一般消費者が製品を直接目にして手に取ることはあまりないでしょう。

 株式会社マキタのウェブサイトをみても、一般消費者にはあまり関係ない製品ばかりが紹介されていますね。

 ホームセンターでは個人用の電動工具も販売していますが、日曜大工を趣味にする男性向けという印象が強いので、掃除機の最大ユーザーである主婦(・・専業主婦以外も含む)の目に触れることはないでしょう。

 つまり makita は基本的にB2Bメーカーであって、B2Cメーカーではありません。ハンディー・クリーナー(掃除機)も、社内的には業務用として位置づけているのか、消費者向けと位置づけているのかわかりません。

 わたし自身、家電量販店で掃除機の販売コーナーにいくことはめったにありませんが、目にするのは日立、東芝、パナソニック、三菱といった白物家電も扱っている総合家電メーカーが圧倒的ですよね。

 これに加えて、TV・CM をつうじた圧倒的な露出によって消費者のアタマのなかに浸透しています。とはいえ、個々の家電メーカー間の違いは、はたしてどこまで認識されているのでしょうか?

 makita のハンディー・クリーナーが家電量販店で販売されているかどうかは知りませんが、一般的な知名度という点では総合家電メーカーに劣っているのは仕方ありませんね。
 


B2B と B2C はまったく性格の異なるビジネスだ

 法人向けの B2B と 一般消費者向けの B2C は何がどう違うのか、とくに意志決定のあり方に焦点を絞って考えてみましょう。

 購買という一点に絞って考えてみると、購買プロセスと購買の処理は組織と個人とでは大きく異なります。

 法人向けの B2B では、当然のことながら購買主体は法人組織一般消費者向けの B2C では、当然のことながら購買主体は個人

 もちろん組織でも、実際に購買を担当するのは個人ですが、おなじ個人とはいっても、組織のなかで役割をもち、その役職にともなう責任権限をもった個人は、一般消費者とは同じではありません。組織の意志決定の仕組みのなかにある個人です。ここが重要です。

 組織とは関係ない個人であれば即断即決も可能ですが、組織のなかであればそれなりの手続きが必要とされます。つまり、なぜこの製品を購入するのか、合理的な説明を上位者に対して行う必要があるのです。その結果、いったん製品の導入が決まると、なかなかその他製品にはスイッチしないという傾向がでてきます。

 ところが一般消費者向けのB2C市場では、消費者はいとも簡単に購入製品を変えてしまいます。ブランドロイヤルティを作り出すのは B2B よりも難しいといっていいでしょう。

 メイン商品が B2B の法人向けビジネスである企業にとって、B2C の消費財市場でどう製品ブランドを認知させるか。費用対効果を考えたとき、広告宣伝にマーケティングに予算をを使うのが果たして正しいのかどうか

 こういった状況でチカラを発揮するのがクチコミでしょう。

 しかも時代の流れは、企業による広告宣伝から、メディアに取り上げてもらうパブリシティ(広報)やクチコミによる評判へとシフトしつつあります。

 クチコミを発生させるための仕掛けをどこまで意識して行うことができるか、B2Bメーカーであっても、SNS などをフル活用した広報戦略への取り組みが必要になってきていると言っていいかもしれません。

 なによりも性能と価格からみたお値打ち感が重視される製品分野では、広告による印象操作よりも、購買者自身による書き込みが大きな意味をもつと考えられます。

 もし可能であれば、実際の購買者を巻き込んだコミュニティーをネット上につくることができれば最高でしょう。

 顧客を囲い込むのではなく、顧客を一人でも多くファンに変えていくのです。



<関連サイト>

株式会社マキタ 公式サイト

「価格.com」 価格比較サイト


<ブログ内関連記事>

製品ブランドの転売-ヴィックス・ヴェポラップの持ち主は変わり続ける






(2012年7月3日発売の拙著です)








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