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2011年11月1日火曜日

「専門家」は何も分かっていない?-いかにして 「当事者」 は 「専門家」 を使いこなすべきか


 「S・ジョブズ氏から学んだこと--G・カワサキ氏が得た12の教訓」という翻訳記事が CNET Japan に掲載されています。

 スティーブ・ジョブズが亡くなっていろんな人が回想を書いていますが、実際にジョブズの下で働いた人の回想は耳を傾けるべき価値があるものが多いですね。

 日系米人のコンサルタントで、元アップルのエヴァンジェリスト(伝道師)でもあったガイ・カワサキ(Guy Kawasaki)もまたそんな一人です。

 ガイがあげている「12の教訓」はランダムなものですが、どんなものか項目だけでも見ておきましょう。

1. 専門家は何も分かっていない
2. 顧客は自分のニーズを伝えることができない
3. 次のカーブまで飛ぶ
4. 大きな試練が最高の仕事を生む
5. デザインは重要
6. 大きなグラフィックと大きなフォントを選択すれば間違いない
7. 心変わりは知性の表れ
8. 「価値」と「価格」は違う
9. 一流のプレーヤーは超一流のプレーヤーを雇う
10. 本物の最高経営責任者(CEO)はデモをする
11.本物のCEOは製品を出荷する
12. 詰まるところ、マーケティングとはユニークな価値を提供すること
ボーナス:実現のために信じさせる必要があることもある


 さすがカリスマのジョブズのものらしく一般人にはマネしにくいものが並んでいますね。

 ひとつひとつの項目を読んでいくとアタマでは納得できるものばかりですが、ハードルはじつに高い。理解することと、実行に移すのは別物です。Knowing-Doing Gap があります。「知るは易し、行うは難し」ですね。


「専門家」と「当事者」では、コミットメントの深さと質が異なる

 ここでは、冒頭にあげられている「1. 専門家は何も分かっていない」について、「専門家」の立場から取り上げて考えてみたいと思います。

 ガイ・カワサキはこういってます。 

1. 専門家は何も分かっていない

専門家、すなわちジャーナリストやアナリスト、コンサルタント、銀行家、権威者たちは自分では何も「なし得ない」ので、「アドバイス」をする。専門家は製品の欠点を指摘することはできるが、偉大な製品を作り出すことはできない。専門家は何かを売る方法について語ることはできても、自分自身でそれを売ることはできない。専門家は素晴らしいチームの作り方を説明することはできるが、自分たちが管理できているのは秘書1人だけだ。例えば、1980年代中ごろ、専門家は、「Macintosh」の2つの最大の欠点はデイジーホイールプリンタのドライバと「Lotus 1-2-3」がないことだと指摘した。別の専門家からは、Compaqを買収しろという貴重なアドバイスをいただいた。専門家の意見には耳を傾けよう。だが、それを常に聞き入れてはいけない。


 「専門家、すなわちジャーナリストやアナリスト、コンサルタント、銀行家、権威者たちは自分では何も「なし得ない」ので、「アドバイス」をする」・・これはわたしのような「専門家」には、なかなか耳の痛い、しかも的確な指摘です(笑)。

 ただし、これは「専門家」だからというよりも、「当事者」ではないから「自分では何もなし得ない」と解釈するのが正しいのではないかと思います。ガイ・カワサキが言及しているのは「外部の専門家」のことですね。ただ、面倒なので、以下も「専門家」としておきましょう。

 アドバイスを受ける側が「主体的」に判断して、提言内容から取捨選択するのは当然です。それが、「当事者」というものです。提言内容を実行するということは、結果責任と説明責任がともなうからです。言われたことをそのまま実行できる場合とできない場合があり、その見極めと判断を行うのは、あくまでも実行する側にあることは言うまでもありません。

 「当事者」性が高いか低いかは、コミットメントの度合いによって測ることもできるでしょう。アドバイスする側も、意識としてはコミットメントが深いと思っていても、実行する側のコミットメントは意識だけではなく、行為にかかわるものですから、その度合いは深さも質も異なります。


「専門家の目」は「外部の目」。「当事者の目」は「内部の目」。同時にもつのはきわめて難しいからこそ必要なのは「対話」

 わたしがかつてコンサルファームにいた頃、なぜいくらいい提言をしてもクライアント企業はそのまま採用しないことがあるのか、欲求不満とともに疑問に感じていました。「自分ならそのまま実行するのに」と、歯がゆい思いです。

 ところが、攻守入れ替えて、自分が中小企業の取締役経営室長として「ナンバー2」になったとき実感したのは、「たしかにそれは正しい提言なのだが、内部事情を詳しく熟知している者としては、100%そっくりそのまま受け入れるわけにはいかない」というものでした。

 現在、ふたたび「専門家」として提言する側に回っていますが、いったん「当事者」のポジションを体験していますので、双方の立場がよく理解できます。「専門家」と「当事者」は問題を共有したとしても、立ち位置が組織の内外で異なる以上、見解が 100%完全に一致することはきわめてまれなだけでなく、180度対立することも多々あるものなのです。

 組織の「内部の目」と組織の「外部の目」を同時にもつことは、きわめて困難なことです。内部にいるとディテールはわかるが全体が見えにくい、外部から見ていると全体はわかるがディテールには目がいきにくい。
 
 この両立しがたい二つの異なる視点、これは、「専門家」と「当事者」で分担するのが望ましいのではないかと思います。

 ただし、「専門家」と「当事者」のあいでには、共通理解に基づいた「対話」が成立しなければ、共同作業は不可能です。平行線をたどったままでは、まるで縁のない存在となり何者も生み出しません。

 こういう観点から、「専門家」をうま使いこなす「当事者」が必要ですし、逆にいえば「当事者」の立場を理解しながらうまく使われる「専門家」の存在が必要だといえるでしょう。

 うまく使われる立場の「専門家」としては、「当事者」には「専門家」をうまく使いこなすワザをぜひ身につけてほしいと願ってやみません。



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