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2011年3月8日火曜日

「ブランド・ポートフォリオ」の組み替え-日立製作所 と LVMH にみる「選択と集中」


 昨日(2011年3月7日)にビジネスニュースで大きく扱われたのは、企業の売買をめぐる日本の大企業フランスの大企業との話題でした。

 まず、日本を代表する「総合電機メーカー」である日立製作所が、HDD(=ハードディスクドライブ)事業を世界第一位のメーカー約3,500億円で米国の米ウエスタン・デジタルに売却。

 日立については特に説明する必要はないでしょう。重電から家電まで、実に幅広く事業展開を行っている、日本を代表する「総合電機メーカー」です。

 いっぽう、フランスの「総合ブランド企業」LVMH が、宝飾品ブランドのブルガリを買収、また一つ自社グループのポートフォリオを充実させました。ブルガリの創業家が保有する同社株式の51%と LVMH株を交換、買収総額は 37億ユーロ(約4,2000億円)になるとこのことです。

 LVMH は、ルイ・ヴィトン=モエ・ヘネシーの略、ブランドものバッグのルイ・ヴィトンと高級洋酒のモエ・ヘネシーを中核に、高級ブランドのみを集めた「総合ブランド企業グループ」です。

 新聞報道によれば、「日立はハイテク量産品事業から距離を置く一方、今後は社会インフラ事業に経営資源を集中させる」とのこと、買収によって入手した HDD事業では結局アドバンテージを築くことが出来ずに手放すことに。買収した側のウェスタン・テクノロジーは HDD専業メーカー、つまるところ「餅は餅屋」に強みあり、ということになります。

 LVMH の会長はブルガリを加えたことは「完璧な組み合わせ」と述べているそうですね。それにしても無限に増殖していく「ブランド帝国」。高級洋酒、ファッションブランド、宝飾品・・・。取扱商品は多岐にわたりますが、「高級ブランド」というコンセプトで一つにまとめあげた企業グループは、非常に首尾一貫した企業姿勢であるといえるでしょう。

 一言でいえば「選択と集中」。

 日立と LVMH のいずれにも共通しているのは、実体をもった企業の売買はブランドの売買でもある、ということです。無形資産であるブランドと、企業実体は相互依存関係にあります。

 自社が展開する事業にとって、見える形でのシナジー(相乗効果)があるかどうかが、意志決定の重要なポイントになります。それは顧客の目に見えるマーケティングのこともあるし、あるいは製造コスト削減など顧客の目には直接ふれないところでのシナジーでもあります。

 LVMH は、「高級ブランド」に特化することによって、消費財のなかでも顧客ターゲットを絞り込んだうえで水平展開をしていることになります。

 いっぽうテクノロジー企業である日立は、重電という産業財と家電という消費財を一緒に抱え込んでおり、マーケティングという観点からみると、現在でもまだまだ総花的な印象も強い。

 昨日、LVMH は足し算を、日立は引き算をしました。もちろん財務の裏付けのある話ですから、ブランドの売買はキャッシュフローの観点からなされます。将来的に買収価格よりも大きなキャッシュフローをもたらす可能性があれば買収し、その反対であれば早めに手を引いて売却によって得たキャッシュを別の目的に使用することもできます。

 つまるところ、「ブランド・ポートフォリオ」の組み替えは、「財務ポートフォリオ」の組み替えでもある、ということです。

 「選択と集中」という表現はかつて流行語とさえなっていましたが、この国ではブームが去ると実体もなくなったと思われがちなもの。

 ところが、「ブランド・ポートフォリオ」という観点からみるると、いわゆる「総合企業グループ」の行動原理が見えてくるというわけですね。

 ではまた。



<関連サイト>

日立製作所(公式サイト)
LVMH(公式サイト 日本語)

ウエスタン・デジタル(Western Digital)(公式サイト 英語)
ブルガリ(Bulgari)(公式サイト 日本語) 




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