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2011年2月25日金曜日

書評 『小泉進次郎の話す力』(佐藤綾子、幻冬舎、2010)-聞く人をその気にさせる技術とは?




トップに立つ人、人前でしゃべる必要のある人は必読。聞く人をその気にさせる技術とは?

 小泉進次郎代議士の街頭演説や国会答弁をテレビで見て、この新人とは思えない度胸の良さ、弁説の素晴らしさに、この若者はただ者ではないなと一度でも感心したことのある人は、支持政党のあるなしにかかわらず、迷わず本書を手にとって最後まで読むべきだ。

 本書は、タイトルにもなっている小泉進次郎と、文字通りそのDNAを彼に与えた小泉純一郎元首相、そして弁説のチカラによって全世界を動かした米国民主党の大統領バラク・オバマの3人を取り上げて、彼らのスピーチがなぜ人を動かすのか、なぜ人を巻き込むチカラをもっているのかを、パフォーマンス学の第一人者である著者が要素分析を行った徹底解明した本である。

 小泉進次郎、小泉純一郎、バラク・オバマ。この3人に共通するものはなにか? 小泉純一郎とオバマを一緒にするな(!)という意見もあろうが、政治思想や主張を離れて、話し方に着目すれば、「話すことによって人を巻き込むチカラ」において共通していることがわかる。
 小泉純一郎をさして「日本人ばなれした西洋型演説の天才」というのは言い過ぎのような気がしなくもないが、オバマの演説を「西洋型巻き込み演説」の真髄」と言うのは文句なしに賛成である。本書のタイトルの付け方そのものに訴求力があるといえよう。著者がつけたのか出版社によるものかわからないが。

 最近は、とくにアップル創業者のスティーブ・ジョブズに代表される、カリスマ的なプレゼンテーションが礼賛されることが多いが、私は米国人のプレセンテーション・スタイルは必ずしも日本人にフィットしたものではないと感じている。
 その意味では、純日本人の小泉進次郎と小泉純一郎親子の、日本語を使いながらも日本人ばなれしたスタイルこそ、徹底的に分析して、真似できるところは真似し、盗めるところは盗む価値が大いにある、という印象を受けた。

 パブリック・スピーチだけでなく、プレゼンテーションその他、職場でもそれ以外でも、人前でしゃべる際の「必殺テクニック」として紹介されているものは、けっして神業(かみわざ)でもなんでもない。要素技術(スキル)のひとつひとつはきわめて単純なものなので、あとは意識してトレーニングによって習得するのみ、ということだろう。具体的なワザやコツがくわしく紹介され、解説されているので有用な内容の本である。すぐにでも真似てみるべきヒントに充ち満ちている。

 人前で話をすることが、なかば仕事でもある経営者や政治家だけでなく、その必要に迫られている人は誰でも、読んで損はない一冊である。


<初出情報>

■bk1書評「トップに立つ人、人前でしゃべる必要のある人は必読。聞く人をその気にさせる技術」投稿掲載(2011年2月14日)





目 次

プロローグ 「そう、我々にはできるのです」

第1章 小泉進次郎-恐るべき俊才、爆発する演説力の DNA
 01 「湯布院とかけて、なんと解く?」のブリッジング効果
 02 下げるだけ下げて、急に持ち上げるコンシート話法(注:conceit)
 03 自分で自分の演説を聞く冷静さ
 04 聞き手を自然に主役に変える呼びかけのテクニック 
 05 具体的な名前と数字をあげて話す
 06 あえて原稿を見ず、自信を演出する
 07 聞き手に選ばせ、決めさせる
 08 何を言うかより、にこやかな顔で言う
 09 左右均等の視線で聴衆を飽きさせない
 10 「聞き手はどんな人なのか」をよくよく知る
 11 ネタの変更は、臨機応変自由自在に
 12 野次と拍手には十分な "マ" をおく
 13 自分がどこからよく見えるか、よく知っておく
 14 人気者の「父」を尊敬し、的確に引用する
 15 響きのよい音とリズムで聞き手を引き込む
 16 決め言葉、ワンフレーズで心をつかむ

第2章 小泉純一郎の訴求力-日本人ばなれした西洋型演説の天才
 01 グリンプスバイト-身ぶり手ぶり、視覚で噛みつけ (注:glimpse bite)
 02 サウンドバイト-「私は変人」、音で噛みつけ (注:sound bite)
 03 繰り返される「郵政民営化」「自民党をぶっ壊す」で心を鷲づかみ
 04 だれでも知っている歴史で納得させる「史実引用」
 05 冷めた目で自分をピエロにして注目を引く
 06 ダイナミックなアーム使いは遠目まで引く
 07 クリントン流、表情筋の巧みさで飽きさせない
 08 口角拳筋だけで「聞いてますよ」を表現する天才
 09 ワンフレーズ/ワンポーズを繰り返して印象づける
 10 「連辞」でリズムをとってたたみかける
 11 「自分と視線が合った」と思いこませるアイコンタクト効果

第3章 これがオバマの演説だ-「西洋型巻き込み演説」の真髄
 01 自分の出自を認めて演説のシンボルにする
 02 聖書を土台とした格調高い理念を示す
 03 オバマが駆使する四つの言葉のマジックとは
  ① 巻き込み話法 [We] の活用について
  ② 二元重複(コンデュプリケイション conduplication)
  ③ 首句反復(アナフォーラ anaphora)
 04 言葉がわからない人にまで伝わる非言語五つのパワー
  ① ボーカル効果の天才
  ② この表情筋の動きを見習おう
  ③ アイコンタクトで引きつける
  ④ 頭部とアームの動きでつくるパワーの伝達
  ⑤ 爆発から説得へと声を変える
 05 「力強く美しい未来」で話を締めくくる

エピローグ 「話す力」が国を救う


著者プロフィール

佐藤綾子(さとう・あやこ)

長野県生まれ。信州大学教育学部卒業。上智大学大学院文学研究科を経て、ニューヨーク大学大学院卒業。上智大学大学院博士後期課程修了。博士(パフォーマンス学・心理学)。日本大学藝術学部教授、社団法人パフォーマンス教育協会(国際パフォーマンス学会)理事長。国際パフォーマンス研究所代表。日本のパフォーマンス学の第一人者として政、財、医学界に多くの支持者を持ち、広く社会人のパフォーマンス教育に情熱を注いでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。




(つづきは http://e-satoken.blogspot.com/2011/02/2010_17.html にて)


  


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