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2010年4月30日金曜日

「企画術」とは「人を動かす方法論」のことである- 『「空気読み」企画術-「消費者の隠れたニーズ」を見つけ出す-』(跡部 徹、日本実業出版社、2010)

             
 みなさんお元気ですかー。

 こんにちは、ケン・マネジメントの佐藤賢一 です。

 本日は「企画術」にかんする本の紹介です。


「企画術」とは「人を動かす方法論」のことである

 たしかに昔にくらべるとモノを売りにくい時代になっている。そういわれ始めてからすでに20年近くたっているような気もする。経済的な先行き不安があって財布のヒモが固いというわけでもない。モノがあふれ、特にほしいものもないからだ。しかも、消費者自身も何がほしいのか本当のところよくわかっていない。
 そんな状況に、消費者が無意識に思っていたこと、意識はしていてもコトバにして表現できなかったことを満たす商品やサービスがでてくると、「そうそうこういうのが欲しかったんだ」ということになる。
 つまり、消費者自身がなんとなく思っていても、コトバにはしていなかった無意識の領域にさぐりを入れて、そこから解決策を見いだす企画を打ち出すことができれば、突破口が開けないわけではないのだ。
 しかしこの企画をどうたてるか、これはそう簡単なことではない。

 そんな企画案を考えなければならなくなったビジネスパーソンに対して、これ一冊でわかる企画術の入門本がないかと聞かれれば、本書を推薦したいと思う。R+(レビュープラス)からの献本をいただいて存在を知った本である。
 しかも、もちろん仕掛けを考えるのはビジネスパーソンだけではない。ある意味ではすべての人にとって企画力の有無が大きな違いを生み出す時代になってきている。 
 世の中にはすでに企画術の本はあふれかえっているのだが、一般消費者向けの新商品やサービスの企画を業務としていないフツーのビジネスパーソンには、必ずしも読んですぐに理解できて、しかも実践に移せるという内容の本は必ずしも多くないからだ。
 本書は、誰でも読んで納得できる、非常にわかりやすい本である。

 「空気読み」というタイトルは賛否両論を引き起こしやすい(・・しかも著者は自分が経営する会社の社名にまでしている!)。私も最初このタイトルをみて、ちょっとした違和感を感じたが、内容はしごくまっとうな手法で、企画術のトレーニング方法とフレームワークの使い方について無理なくロジカルに解説を行っている。「空気読み」というタイトルで読者を関心を喚起するというタイトルづけも、本書の企画自体がすぐれた企画となっていることの証拠であろう。
 本書の特徴は、企画から商品化までの期間(リードタイム)に応じて、ユーザーのニーズを表層から深層まで階層化し、「隠れたニーズ」を発見するための思考の整理方法と具体的なアイデア出しのための手法、そして企画案をつくってプレゼンするまでの一連のプロセスをわかりやすく説明していることにある。
 本書は奇をてらった内容の本ではない。誰にでもマネのできる手法であるから安心してよい。

 目次を紹介しておこう。

第1章 なぜ、「空気読み」でいい企画が作れるのか?
第2章 空気が読める「発見体質」に変わるトレーニング
第3章 誰でもヒットメーカーになれる「空気読み」の技術
第4章 関係者のメリットを描き企画に落とし込むフレームワーク
第5章 企画をみんなに理解させ人を巻き込むプレゼン術

 まずは、著者のいうことにしたがって素直に受け止めて、自分でも再現することから始めてみればいいだろう。フレームワークというのはそのために存在するものだ。
その後、慣れてきたら、自分なりの方法論を確立していけばよいだろう。それが仕事ができる人になるための近道である。

 企画術とは、広い意味で、人を動かす術のことである。 






<著者紹介>

跡部徹(あとべ・とおる)
1974年生まれ。宮城県出身。株式会社空気読み代表。東北大学卒業後、株式会社リクルートで、メディアプロデュースを担当。自動車領域(「カーセンサー」)、通販領域(赤すぐシリーズ「赤すぐ」「妊すぐ」「赤すぐキッズ」)で編集長を歴任。現在は独立し、「消費者の気持ちやトレンドの背景をとらえたアイデア・企画により、儲かる場を運営する」をモットーに、中小企業から大手企業までを対象に、メディアの企画立案・新規事業の立ち上げ支援を行なっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



                  
         

2010年4月28日水曜日

書評 『戦いに終わりなし-最新アジアビジネス熱風録-』(江上 剛、文春文庫、2010)

              
 みなさんお元気ですかー。

 こんにちは、ケン・マネジメントの佐藤賢一 です。

 本日は本の紹介です。



アジアビジネスへの著者の貪欲な関心と深い洞察力が示された、読み捨てにできない本


 2008年に単行本が出版された本書は、もともと2007年に「文藝春秋」に連載されたものだという。だから、この本に描かれた内容は、すでに3年前のものである。 
 文庫化されたのを機会に、あらためて読み直してみたが、とくに古さを感じなかった。おそらく、この本が情報の新しさだけをウリにしたものではないのがその理由だろう。この3年間に限ってもアジアの変化は激しいものがあるのだが、アジアビジネスの現実に対する一般日本人の関心の低さに、あまり変化がないこともまた、原因の一つかもしれない・・・

(このつづきは http://e-satoken.blogspot.com/2010/04/2010.html にて)



                 

2010年4月23日金曜日

書評 『知的生産な生き方-京大・鎌田流 ロールモデルを求めて-』(鎌田浩毅、東洋経済新報社、2009)


東京出身の「キャラ立ち」教授による、京都の知的風土のなかから生まれてきた、ワンランク上の「知的生産な生き方」について語ったエッセイ集

 「知的生産」にかんする本はむかしから読んできたが、最近のものでは火山学者の鎌田浩毅・京大教授のものが面白い。
 ド派手でオシャレなファッションで、テレビでも十二分に「キャラ立ち」している鎌田教授の一般向けの一連の著作は、理系の思考法を豊かな教養で裏付けた、プラクティカルで、しかも平易な語り口によるものだ・・・

(つづきは http://e-satoken.blogspot.com/2010/04/2009_22.html にて)



           

2010年4月22日木曜日

書評 『知の現場』(久恒啓一=監修、知的生産の技術研究会編、東洋経済新報社、2009)


ワンランク上を目指す人は「勉強法」の本もさることながら、こういった「知的生産」の方法論からワザを"盗み取る"べきだ

 「知的生産」にかんする本はいまではたくさん出版されているが、この本は老舗である「知的生産の技術研究会」によるものだ。通称「知研」は、現在ではNPO法人になっている。
 「知的生産」において革命的な影響を与えた原典である、梅棹忠夫の『知的生産の方法』(岩波新書、1969)以来すでに40年、「知的生産」の担い手は学者から、一般のビジネスパーソンへと大幅に拡大されて今日に至っている。

 最近はビジネスパーソン向けの「勉強法」のノウハウ本も多いが、ワンランク上を目指す人は「勉強法」の本もさることながら、こういった「知的生産」の方法論を真似てみることが重要だ・・・


(つづきは http://e-satoken.blogspot.com/2010/04/2009_21.html にて)



             

2010年4月20日火曜日

書評 『本当にヤバイ!欧州経済』(渡邉哲也、 三橋貴明=監修、彩図社、2009)


欧州経済へのレクイエム-欧州連合と欧州共通通貨ユーロについての真相を知るための必読書

 欧州の金融経済を専門としない私のようなビジネスマンが、日々の断片的情報をから大きな見取り図を描くことは難しい。
 著者のブログも見ていない私のような者にとっては、こういう形で単行本として一冊になったものを読むことで、はじめて事の重大さに気がつくことになる。

 欧州経済が想像以上に危機状況にあることは、本書に目をとすことで確信に変わった・・・


(つづきは http://e-satoken.blogspot.com/2010/04/2009_20.html にて)



                   

2010年4月19日月曜日

「不可抗力」について-アイスランドの火山噴火にともなう欧州各国の空港閉鎖について考える

           
 ヨーロッパでは本日(2010年4月19日)現在で、24カ国の空港が閉鎖されている。

 アイスランドで火山が噴火し、桁違いに大量の火山灰が噴出されたためだ。航空機の運行には大きく2つの面で影響を与える。一つは視界不良になること、もう一つはエンジンの多大に損傷を与えることである。こういった状況では運行停止も仕方がない。
 「天災は忘れた頃にやってくる」という名言を残したのは、物理学者で随筆家の寺田寅彦だが、ここのところ世界各地で大地震が続いていることと、今回のアイスランドの火山大噴火はまったく関係がないとはいい切れまい。ここ最近でも、カリブ海のハイチ、南米のチリ、中国青海省と、次から次へと大地震が発生している。

 本日ここで話題にしたいのは噴火や大地震そのものではない。
 天災(natural disaster)についてである。
 天災のビジネスに与える影響についてである。

 まず、なんといっても空港閉鎖によって航空機が飛ばないということは、ヒトとモノの移動がスムーズにいかなくなることだ。いいかえればロジスティクスにかんする重要事項である。
 報道では欧州の政治日程に大きな影響がでているといっているが、ビジネスにおいてはなんといっても物流に大きな悪影響がでる。
 私事(わたくしごと)ではあるが、今回の新規開業にあたって名刺作成はネット上の名刺作成会社に依頼した。会社名は Vistaprint(ヴィスタプリント)、大量に用意されているデザインのなかから自分で選んで、必要情報は日本語で入力すればセミ・カスタムの名刺が作成できるというサービスである。
 前回発注してはじめて知ったのだが、なんと本社がオランダにあり、印刷もオランダで行って航空便で発送するというビジネスモデルなのである。インターネット上であれば、顧客がどこに住んでいようと、24時間365日受付ができるというスグレもののビジネスモデルなわけだ。
 ところが、このビジンスモデルにも一点だけ「脆弱性の窓」がある。ロジスティックスである。脆弱性の窓(window of vulnerability)とはかつてレーガン政権時代の国務長官アレグザンダー・ヘイグ退役大将が使った表現だが、軍人出身らしい表現である。
 私自身、バンコクで事業をしていたときの経験談を、タイのあれこれ (21) バンコク以外からタイに入国する方法-危機対応時のロジスティクスについての体験と考察- にまとめているのでご覧いただきたいが、今回 Vistaprint に発注していた名刺は、先週金曜日に到着したのでほっとしている。オランダの会社だから、火山灰による空港閉鎖では国際貨物便も飛ばないだろう。
 グローバル・ロジスティクスを前提にしたビジネスモデルの「脆弱性の窓」がここにあるわけだ。 

 さて、もう一つ重要なことは損害保険についてである。
 天災は不可抗力である。これは損害保険の世界では常識中の常識であろう。
 
 不可抗力は、英語では Act of God という。日本語に直訳すれば、「神の御業」(みわざ)である。そうであれば仕方ないとあきらめるしかあるまい。
 保険用語では force majeure(フォルス・マジュール)というフランス語に由来する表現も使用される。英語でいえば major force となる。
 損害保険の約款(やっかん)には、一般取引条件(General Terms and Conditions)には、「不可抗力は免責」となっている条項がある。具体的には、地震や台風などの天変地異(天災)のほかにストライキ、内乱、暴動、戦争状態など想定できるものはすべて列挙されている。
 大噴火という天災は不可抗力以外の何者でもない。不可抗力は免責なので、損害が発生しても保険会社には支払い義務がない。
 今回の欧州航空ロジスティックスの大混乱の被害総額がどれくらいになるのか、終結するメドすらたっていない現在、想定するのも恐ろしいことになる。聞くところによると、ドイツのルフトハンザの場合、一日フライトを飛ばせないと9億円の赤字になるという。JAL を含めて、世界中の航空会社の経営にも大きな悪影響を与えることは避けられまい。

 こういった天災による悪影響は、保険の世界や航空会社だけではい。
 先にもふれたように、ロジスティクス上の問題が、部品調達に支障をきたして生産計画に狂いが生じる、商品が届かないために販売機会の喪失が発生する、といった事態が発生してくるであろう。
 経営戦略策定においては、企業経営に影響を与える「外部環境要因」なかでは、こうした状況をさして、管理不能要因(unmanageable factors)といっている。
 企業経営というものは、すべてのファクターをいかに極限までコントロール可能にするか、という課題がある。農業や漁業のように自然環境に大きく左右される産業の場合、ある程度までは仕方ないが、できるだけすべての要因をコントロール可能にすることが命題になる。
 ところが、どれだけ合理的にビジネスを設計し、極限までコントロール可能としても、天災だけはコントロール不能である。
 こうした不可抗力ファクターをどこまで経営にあたって考慮にいれるか、実際問題としては非常に難しい問題である。なぜなら、不可抗力までファクターに入れたのでは間違いなくコスト上昇要因になってしまうからだ。それは端的に、製品在庫や部品在庫の積み増しといった形であらわれる。

 今回のアイスランド火山については、たとえ噴火が収まったとしても、再び、あるいはみたび噴火することも想定しなくてはならないだろう。
 前回の1783年から1785年の大噴火が、世界的な天候不順の原因となったことが指摘されているだけでなく、間接的には「天明の大飢饉」にもつながったという説もある。天明の大飢饉の直接原因は浅間山の大噴火だが、噴出された火山灰により日照量が大幅に減少し、冷害という形で顕在化した。
 
 すでに今年の4月は天候不順で農作物に大きな被害が発生し、野菜の値段が急騰している。
 さらなる「冬の時代」は避けられるものなら避けたいところだが、可能な限りの備えをしておかねばなるまい。
 まずしなければならない備えは、コストがいっさいかからないもの、つまり最悪の事態発生への「心構え」wp自らのうちにつくりあげることだ。「覚悟」をしておかねばならない。「意識」を変えること自体にはカネはいっさいかからない。
 考えてみれば、安いものではないか。

 備えあれば憂いなし。
 まず「心構え」をつくることから、不可抗力の発生には備えたいものである。



◆会社案内  http://kensatoken.com
◆執筆者へのご連絡は ken@kensatoken.com


<参考>

amazon.co.jp に以下のような告知がでている(2010年4月20日)

お客様へのお知らせ- 商品入荷遅延状況について
アイスランドの火山噴火により、一部の洋書、輸入盤CDなどの輸入商品の入荷に遅れが生じております。在庫状況が「在庫あり」以外の商品をご注文の場合、入荷に時間がかかり、表示されるお届け予定日よりも遅れることがありますので、ご了承ください。状況が回復次第、順次入荷する予定でおりますので、今しばらくお待ちください。





                

2010年4月18日日曜日

書評 『知の巨人ドラッカー自伝』(ピーター・F.ドラッカー、牧野 洋訳・解説、日経ビジネス人文庫、2009 単行本初版 2005)


「ドラッカー自身によるドラッカー入門」になっている本書は、ビジンスパーソンだけでなく、一般人にも一読をすすめたい

 最近ふたたびドラッカー・ブームになっている。
 「ドラッカー経営学」をもっとも熱心に学んで受け入れ、高度成長を実現したのが日本企業であったことから、この流れが続いていくことはたいへん結構なことである。今後も長く影響を及ぼしていくことだろう。
 日本人が理解してきたドラッカー、日本人が誤解しているドラッカー、この両面を知るうえでも、まずこの「自伝」をよむのがよい。

(つづきは http://e-satoken.blogspot.com/2010/04/2009-2005.html にて)



               
                

2010年4月15日木曜日

【ドキュメント会社設立】日本で会社をつくる、ということ

                                 
 このたび、4月1日のエープリルフール(=四月馬鹿)に会社を設立した、株式会社ケン・マネジメント代表の佐藤賢一(さとう・けんいち)です。
 このブログをお読みいただき、ありがとうございます。

 エープリルフールといっても、「会社設立」自体はジョークではありませんよ。なんなら登記所で調べてもらってかまいません(笑)。4月1日に会社設立登記申請受理、4月7日に会社登記完了。
 つまるところ、4月1日に会社登記がなされた、ということです。

 ではなぜ、4月1日のエープリルフールに会社登記なのか?
 けっして奇をてらったわけではありません。
 これには、少し深い理由(わけ)があります。

 それは、決算と会計年度の問題です。もし3月31日に会社登記してしまったら、その最後の1日のために決算しなくてはならない、というそれこそフール(=馬鹿な)ことが起きかねないからです。
 なぜなら、日本では会計年度は4月1日から翌年の3月31日まで、という会社が大半ですからね。大半の人のアタマのなかで、これがマインドセット、ひらたくいえば固定観念になっています。
 日本以外は、1月1日から同年の12月31日というケースが多く、日本でも外資系企業はこのパターンが大半ですね。中国は法律でそう決まっています、タイも法律で決まっているわけではないですが、このパターンが多い。さらに1997年のアジア金融危機にともなうIMFショック後は、国際会計基準とほぼ完全にコンプライアンスの体制になっています。
 その意味では、遅れているのは日本だ!ということも可能ですが、会計年度は個別企業で選択可能ですので、4月1日から翌年の3月31日のパターンであってまったく問題ないですし、海外展開する企業でも、ムリに1月1日から3月31日パターンにあわせる必要もありません。

 というわけで、登記所へのもちこみが4月1日以降になるようにスケジュール調整を行いました。
 「佐藤さん、早く会社つくってくださいよー」、という声も昨年から根強くありましたが、こういった声は申し訳ございませんが、いっさい聞き流し、4月1日までひたすら忍の一字で、塹壕のなかで待ち続けてきたのは、こういうわけなのであります。
 まあ会社設立しても、3ヶ月くらいなら自分で決算してもいいですが、さすがに私は会計税務の専門家ではないし、もしその面で経費が発生すると、無駄カネになりかねない。起業したら、カネにシビアになるのは当然のことですよね。

 あともう一つ理由がありました。
 マイクロソフト日本法人社長を務め、その後独立して投資ファンドの株式会社インスパイアを創業した成毛真の『会社のつくりかた-成毛流「起業心得」-』(日経文庫、2005)という本を読んでいたこともあります。

 46歳で起業した成毛氏のこの本は、非常に実践的な内容です。出版から5年たっていますが、起業の心得を説いているこの本は、多くのひとにすすめたいと思います。とくに「第5章 四〇代で会社をつくる」は、その他の年齢層の章ともあわせて、たいへん参考になりました。値千金に該当するアドバイスになっておりました。
 この本のなかで、成毛氏は非常に興味深いことを指摘しています。
 具体的には、「第7章 事業計画をつくる」の「5. 会社設立のベストシーズン」で次のようなことをいっています。(*太字ゴチックは引用者による)

さて何月に会社を設立すべきなのか、悩むところです。実は、設立を何月にするかの違いは、創業間もない会社にとって意外なほど大きな影響があります。
・・(中略)・・
そうしたことを勘案していくと、会社設立の時期としては四月中旬に立ち上げるのが一番都合がいいといえるでしょう。そうすると、創業して最初の三ヶ月間、時間をフルに使うことができます。何よりも、春というのは人の気分も明るくなっています。(P.107)


 というわけで、私はこの教えに忠実に従い(笑)、4月12日(大安)に新規開業のスケジュールを組みました。4月1日に会社設立登記申請というのは、だから理に適っているわけなのです。ちょっと後付けっぽい説明ではありますが・・・
 しかし、今年の春は天候不順で、ポカポカ陽気になったと思ったら、また冬の寒さに戻ったりと、北風と太陽が交互に繰り返す・・・な状況です。それでも、冬に比べたら、なんといっても心もウキウキしてうれしくなってくるのは、小学校を始めとする学校の入学式にも重なる時期だからでしょう。
 もともと日本でも、明治時代の後半まで、入学式は欧米式に9月だったらしいというのは、司馬遼太郎の小説のなかで読んだ記憶があります。近代西欧の制度が日本化される過程で、入学式が桜咲く時期に変わっていったというのは面白い事実です。

 また、「誕生の秘密」というコトバがあります。外交官の法学者・色摩力夫(しかま・りきを)がよく使っていた表現で、もともと18世紀ヨーロッパの万能人ライプニッツが使っていたコトバのようですが、「出生の秘密」(status nascens)とは、物事の紀元に何をもってくるか、その紀元の本質が何であるか、によってその後の「歴史」はすべて決定されてくる、という・・です。皇紀2670年の「紀元節」に、暦(カレンダー)について考えてみるを参照。
 すべての組織体は、軍隊であれ、学校であれ、会社であれ、その紀元が何であったのかによって大きな、ときに致命的な影響をのちのちまで及ぼす、こう考えると、会社設立日も、あだやおろそかにするわけにはまいりません。



 さて、実際に会社設立にあたって、非常に役に立った本を紹介しておきましょう。成毛氏の本は、心得を知るには必読書ですが、実際の会社設立は実務そのものですので、ハウツー本は必携ですね。
 イチオシは、『日本一わかりやすい会社のつくり方-コレだけやれば大丈夫!あなたもできる 新会社法でびっくりするほどカンタン!-』(坂上仁志、小笠原耕司=監修、中経出版、2006)です。この本には、ほんとうに役に立ちました。
 会社設立は、会社法改正で本当に簡単になりました。この本を手元において、ぜひみなさんも自分で会社を作ってみてください。そんなに難しいことではありませんよ。会社設立には、会社の印鑑作成、公証人による定款認証に9万円、登記所での登記料15万円などいろいろ経費もかかります。節約できるとこは、徹底的に節約しましょう。

 では、実際に私がどういうスケジュールで会社設立したか、ドキュメントとして紹介しておきます。ツイッターに投稿した「つぶやき」を時系列(タイムライン)にしたがって再録しておきましょう。


2010年03月30日(火)
【ドキュメント会社設立】
 法務局に定款内容の相談にいってきた。次の工程は、公証人役場での認証だ。いよいよ会社設立に向けて最終局面に突入が始まった。
posted at 14:56:07

2010年03月31日(水)
【ドキュメント会社設立】
 定款の認証のために公証役場にいってきた。しかし痛恨のケアレスミスが判明、「訂正印押して修正したらOKですよ」といわれたが、やっぱり定款は綺麗なほうがいいので持ち帰って訂正して明日もってゆくことに。明日は、公証されたら、その足で法務局にいって登記申請してくるぜっ!
posted at 16:01:32

2010年04月01日(木)
【ドキュメント会社設立】
 きょう午後、定款が公証人によって無事認証されたので、その足で法務局にいって会社設立登記を申請受理された。一連の会社設立プロセスはこの3日で完了、あとは法務局から何もいってこないことを祈る1週間。何事も自分でやってみるもんだね。現場主義に徹すべし。  
posted at 15:51:03

2010年04月07日(水)
【ドキュメント会社設立】
 さきほど法務局に電話確認。補正事項なく無事に登記完了。よって、次の工程に入る。開業予定日は4月12日。気が引き締まる思いだ。
posted at 08:45:50

【ドキュメント会社設立】 お名前.com にてドメイン名確保。 http://www.onamae.com/ 安い、早い、うまい?
posted at 10:21:19

【ドキュメント会社設立】 さっそく法務局にいって印鑑カードの交付を受ける。登記謄本と会社の印鑑証明をとってから、その足で税務署へ。法人設立届け出書などの書類を提出。会社が設立されたのだなあ、という実感。
posted at 16:38:01

2010年04月08日(木)
【ドキュメント会社設立】
 法人口座を開設。これから引きこもって、会社ウェブサイトの構築のつづきを行う。せっかくの晴天なのだが・・・
posted at 11:09:19

2010年04月12日(月)
【ケン・マネジメント】
 お世話になります。本日、株式会社ケン・マネジメント 新規開業いたします。とくにアジアでグローバル展開する 中堅中小企業の経営を、企業参謀として全面的にバックアップいたします。今後ともよろしくお願いいたします。 http://kensatoken.com/
posted at 09:06:30

【ドキュメント会社設立】 日本で会社つくったのは今回が初めてだが、えらい簡単なのにビックリした。発起人が1人でもいいというのは画期的。以前、タイで会社作ったときは発起人が7人も必要だったので苦労した。現在はタイも商法改正で3人になったが、それでもまだまだだな。
posted at 10:30:37


 最後の「つぶやき」にあるように、私にとって会社をつくるのは初めてではありません。日本で作ったのが初めてであって、以前にはタイ王国で会社をつくった経験があります。
 もちろん、タイ語もあまりよくできず、いわんやタイ語の法律文書なんか自分で作成できるわけがないので、会社設立にかんする文書作成業務は、現地のコンサルティング会社に全面的にお願いしましたが、会社設立のプロセスそのものには全面的にかかわっていましたので、こういう感慨がでてきたわけでもあるのです。 タイ語の公文書を英語に一文一文訳して貰いながら、だいたいのところは把握できました。タイ語の法律文書は専門家でないと、タイ人にとっても理解しにくいようです。
 これは日本の場合も同じですね。法律用語は日本語とはいいながら、およそ日常用語とはかけはなれた用語がまかりとおっていましたので。現在では、口語体に直す作業が進んでいるのでだいぶわかりやすくなりました。それでも意味をとりにくい悪文が多いことは否定できません。

 日本でも改正前の商法による会社設立には、発起人が最低3人必要でしたが、取締役一人で機構設計すれば発起人も一人で済むわけですね。
 発起人(promoter)は、法律概念上の「自然人」(natural person)と「法人」(juristic person)をつなぐ存在なわけなのです。
 法人というのは、いってみればバーチャルな存在ですから、呼吸したりご飯食べたりする自然人ではない。発起人が会社設立を発起(promote)し、登記所に登記(register)することによって、はじめて生命をもつことになる。もちろん生命をもつといってもリアルワールドでの物理的存在ではなく、あくまでも情報としての存在です。企業実体(business entity)という表現が税法にありますが、これは物理的実体ではなく、公的に認証され、登記された存在としての情報が存在するということです。
 自然人と法人の関係は、むかし大学学部の教養課程に、民法総則で勉強したときに初めて知りましたが、なんやら不思議な感覚にとらわれたものです。会社っていったい何なんだろうか、と。この関係については、作家・橘玲(たちばな・あきら)の一連の著作を読むといいでしょう。

 また、「公証人」(notary public)という存在も面白いですね。古代ローマまで起源をさかのぼることのできるもので、ローマ私法に基づく制度です。wikipedia の項目から、「公証人の歴史」を、そのまま引用させていただきましょう(*2010年4月15日現在の記述、太字ゴチックは引用者による)。

 その起源についてはローマ法に由来するとされ、中世の神聖ローマ帝国(ドイツ・イタリア)が始まりと言われている。12世紀とされるが詳細は不明。当初は皇帝やローマ教皇の免許を要したが、後に自治都市内のギルドに資格授与権が下賜されるようになった。
 当初は商業上の契約や帳簿など広範の私的文書作成を担当してきたが、14世紀以後商人達の識字率向上や複式簿記の発達などに伴って専ら法的文書の作成に従事するようになる。
 公証人には当時一般的だった厳しい徒弟制度が存在せず、教養人にとって必須だったラテン語の知識が求められた事などから、自由を求めるルネサンス時代の都市教養人にとっては憧れの職業となった。逆に言えば、ひとかどの教養のある人であれば、誰でも公証人の資格が取れた。その頃のピサやジェノヴァ、フィレンツェでは、人口200人に1人以上の割合で公証人がいたと言われている。
 だが、同時に悪質な公証人が現れる危険性も増大したため、1512年に当時の皇帝が「帝国公証人法」を定めてその公的性格と公平中立の義務、国家による監督という基本原則が定められた。  
 現在多くの国では、公証人は法曹あるいはそれに準ずる資格の保持者であることが多いが、一方アメリカではわずかな講習で容易にその資格が取得でき、学校や郵便局などあらゆる場所に総計400万人もの公証人がいて、その権限もおおむね署名の認証に限られているなど、国々によってその権限はかなり異なる。

 Wikipedia の記述によれば、公証人は、日本ではたった 530人しかいないそうです。法務大臣が任命する、準公務員扱いとのこと。
 会社設立のようなポシティブな話よりも、ネガティブとまではいわないが遺産相続関連の話が多いようで、私が公証役場にいって認証もらったときも、遺産相続の件で来所されているお客さんが多数いました。
 会社設立のための「会社定款」(かいしゃていかん memorandum and articles of association)認証に際しては、アシスタントの女性がニコニコと対応していただいたのは、ポジティブな内容だったからなのでしょうか。
 大学時代、ヨーロッパ中世史を専攻した私は、公証人制度の歴史を思い浮かべながら、いろいろ感慨にふけったのでありました。


 <結論>

 会社設立は思っているよりも簡単なので、ぜひ自分でやってみるのがいいでしょう。なんといっても現場・現物・現実の「三現主義」、実際に自分でやってみると、いろいろ発見があるし面白いですよ。勉強にもなりますしね。


 以上、備忘録のつもりで書いておきました。忙しくなったら忘れてしまいますからね。「鉄は熱いうちに打て」といいますし。

 ではまた。               



株式会社ケン・マネジメント
代表取締役社長 佐藤賢一(さとう・けんいち)
URL: http://kensatoken.com
e-mail: ken@kensatoken.com



                                           

2010年4月14日水曜日

書評 『フリー-<無料>からお金を生み出す新戦略-』(クリス・アンダーソン、小林弘人=監修・解説、高橋則明訳、日本放送出版協会、2009)


正直いってこの本は長すぎるのではないかと思うが、全部読むと社会現象としての FREE の背景まで理解できるので、ビジネスパーソン以外の一般人にも読むことをすすめたい

 この本のなかでも説明されているように、英語の Free というコトバには、「無料」という意味だけでなく、「自由」という意味もある。後者の「自由」というのは、「~からの自由」という意味だ。これが価格についていわれるとき、「価格から自由」すなわち「無料」ということになる。


 (つづきは、http://e-satoken.blogspot.com/2010/04/2009.html にて)



  

2010年4月12日月曜日

書評 『グーグルのグリーン戦略』(新井宏征、インプレスR&D、2010)


 『グーグルのグリーン戦略』(新井宏征、インプレスR&D、2010)の献本が、「R+ レビュープラス」から届いていたのだが、会社開業準備で多忙をきわめていたため、えらくずれ込んでしまった。
 もう待ったなし、ということなので、本日やっと目を通して書評を書いてみることにした次第。

 さて、本書については、結論から先にいうと以下のようになる。

 (つづきは、http://e-satoken.blogspot.com/2010/04/r.html にて)




                 

2010年4月9日金曜日

株式会社ケン・マネジメント 本日2010年4月12日、新規開業いたします。

 
 各位

                                2020年4月12日(大安)

 
 みなさま、いつもお世話になります。

 さて、私こと 佐藤賢一(さとう・けんいち)は、本日2010年4月12日付で、新規に「経営コンサルティング業」を開業する事といたしました。
 会社名は 株式会社ケン・マネジメント、略してケンマネ と呼んでいただければ幸いです。

 「リーマンショック」が引き金となった、一年間の「サバティカル」期間中は、これまでの過ぎ来し方を振り返り、今後何をやっていくべきか、大いに悩みかつ考える機会となりました。
 この期間中に思索してきたことは、私のパーソナル・ブログ「つれづれなるままに ほぼ毎日更新中!!」に、書き記してきたとおりです。思索の記録は、それこそログ(log)として、私の大きな財産になったと思います。
http://e-satoken.blogspot.com/
 もちろん、最終的な答えがでたわけではありませんが、自らが動くことによって、自分自身だけでなく、日本も日本人も変革への道を歩むキッカケになれば・・・と考える次第です。

 「自分のボス(my own boss)になりなさい」と強く背中を押していただいた西水さまはじめ、人生の諸先輩、年上年下の友人たちには、この場を借りて、深く、深くお礼申し上げます。

 事業内容については、会社の公式ウェブサイトに記載しましたので、ご覧いただけると幸いです。http://kensatoken.com/

 荒海へなか、小舟での出発となりますが、今後とも、よろしく申し上げます。
 今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしく申し上げます。


                                  敬具



株式会社ケン・マネジメント 
KEN Management Ltd.
代表取締役社長 経営コンサルタント
佐藤賢一(さとう・けんいち)

e-mail: ken@kensatoken.com
URL: http://kensatoken.com




P.S.

 同じ挨拶文は、私のもう一つのブログにも掲載してあります。
 「つれづれなるままに ほぼ毎日更新中!!」も、もしよろしければご覧いただけると幸いです。http://e-satoken.blogspot.com/
 内容的には重複するものもあろうかとは思いますが、よろしくお願いします。